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よっちゃんよ、大志を抱け!girls be ambitious.

そっちゃんのnoteに度々登場する、
僕の2歳上の従兄弟よっちゃん

よっちゃんは僕がうまれたときから、
やたらめったら僕の面倒をみたがった。


僕が泣けば、
ミルクの時間じゃない?とママに言う。

ここからがよっちゃんの腕の見せ所だ。


ママがミルクを作りにいこうとすると、
かかさず先にミルク、哺乳瓶を机に用意する。
ママがミルクにお湯を注ぐと、
濡れた哺乳瓶をすぐ拭けるように
さっとフキンを差し出す。

オムツ替えのときも、
ピタリとママの横にはりつき
ママがオムツ替えのみに徹するようにと
オムツふきを用意し、新しいオムツを
ささっと差し出す。

僕がお風呂に入るその一声を聞けば、
ベビーバスまで用意してくるのだ。


ここがもし病院のオペ室だとしたら…
2歳のよっちゃんは、
そりゃ〜もう完璧に器械出しをこなす看護婦。
超一流のオペ看になるわけだ。


しかし、2歳のよっちゃんは、
オペ看の立ち位置では満足していない。
あくまでも執刀医を希望しているのだ。


ここでいう執刀医とは…、
僕にミルクを飲ませ、お風呂に入れ、オムツ替えや
着替えをする。
つまり…ママ、大人の役割だ。



僕が泣くとよっちゃんは、
おしゃぶりを僕の口の中に入れ、
自分の手で押さえつける。

ミルクを飲まされるときも、
喉奥底まで入れられ、
おしゃぶりと同様に僕はゴホゴホとなる。

寝かしつけも
お腹をトントンではなくドンドンと、
なんとも力強い。

そもそもまだ2歳のよっちゃんには、
僕をひとりで抱っこすることはできない。


ママや周りの大人達から
もろもろの理由で命の危険性を考慮され、
執刀医は無理だと判断されている。


「もうすこしお姉ちゃんになったらね。」
周りの大人たちがどれだけそう話しても、
よっちゃんはそんな言葉に怯むことなく
「わたし出来る!」と主張する。


困り果てたママは…
3歳の誕生日が近いこともあって、
よっちゃんにこれを買い与えた。

このメルちゃん人形は、
ミルクを飲ませ、着替えや髪のブラッシングもでき、
一緒にお風呂まで入れるという。

お世話したがりのよっちゃんには、
なんとも画期的は人形だ。


このメルちゃん人形さえあれば、
よっちゃんの希望職の執刀医を経験出来るのだ。



ママからメルちゃん人形をプレゼントされ、
よっちゃんはとても喜んだ!!

僕がミルクを飲むと一緒に、
メルちゃんにもミルクを飲ませ、

ママが僕を抱っこして歩けば、
よっちゃんもメルちゃんを抱っこし、
一緒にママと歩いた。

お風呂の時間になると、
「メルちゃん、お風呂入るよ〜」と言い、
よっちゃんはメルちゃん人形と一緒に
楽しそうにお風呂に入りにいった。


暫くすると…
お風呂からよっちゃんの「ぎゃー!」
叫び声が聞こえてきた。

そして…
よっちゃんは泣きながらお風呂を出てきたのだ。


ママが、
「メルちゃんのお着替えは?」と聞くと、
よっちゃんはまたワンワン泣き始めた。


このメルちゃん人形は…
お風呂に入ると、
髪の色がショッキングピンクに変わる。


メルちゃんはお風呂の中で
どんどん髪の毛の色が変え、
よっちゃんに恐怖心を抱かせてしまったのだ。


そんなメルちゃんを
目の当たりにしたよっちゃんは、
人形を少しでも近づけようとすると…

「いやいやいやいや!」
「こわいこわいこわい!」 

泣きながら凄まじい勢いでメルちゃん
全力で拒否するようになった。


そしてとうとう…
メルちゃん人形が視野に入るだけで
泣くようになった…。


メルちゃんは可哀想なことに…
よっちゃんにすっかり嫌われてしまった…。



そしてよっちゃんは3歳を迎えた。


今でも器械出し完璧にこなす
優秀な我が従兄弟のオペ看は、
「3歳のお姉ちゃんになったから出来る!」
執刀医を今まで以上に強く希望するようになった。


たった半日しかよっちゃんに
遊んでもらえなかったメルちゃん人形は、
2階の部屋にずっと放置されることになった…。


チャンチャン。




最後まで読んで頂きありがとうございました。


いつも読んで頂いてる方、
スキを付けて頂く方、
本当にありがとうございます‼︎







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