海外旅行は幸運の賜物
海外旅行デビューのきっかけは28歳の時、海外旅行から帰って来た両親からの『お前も1回くらいは行ってみたら?』という一言だった。
行き先のロンドンも特に思い入れや憧れがあった訳ではなく、たまたまH.I.Sのサイトを見て、ビッグベンの写真が目に止まったってただそれだけ。何とも雑に決めたデビュー戦だった。
大英博物館や自然史博物館、ライトアップされてるビッグベン、バスで日帰りで行ったバースとストーンヘンジなどのベタな観光地が素晴らしかったのはもちろん、走行中に時々チラチラと電気が消える驚くほどボロい地下鉄や、道路に書いてあるこんなもの↓ですら新鮮で思わず写真を撮った。
今ならこんなもの絶対撮らない。それぐらい鎖国歴28年の田舎者にとっては、目の前にあるもの全てが新鮮な体験だった。たった3泊5日だったが、人生で一番濃い3日間だったんじゃないかと思う。この感動がその後、全ての休暇と可処分所得を使って、海外旅行に行きまくる原点になった。
当時はビクビクしながら行ってたので、『せっかくロンドンに来たのだから、パブでビールの1杯でも飲みたい』と思ったが、店の外から中を覗いて、雰囲気にビビって帰ってきたのも今では笑い話。そんな海外ビビりだった僕が、今ではハンガリー人の妻と子供2人と暮らしてる。人生何があるかわからないし、ちょっとした事で大きく変わるものだなと思う。
旅慣れてくるにつれて、超有名な観光地に行くことよりも、触れたことの無い文化の中に飛び込むこと自体が楽しくなってきた。なので『次に行きたい国は?』と聞かれたら『行った事無い国ならどこでも』と答える。なぜなら、それぞれの国にそれぞれの文化があるから。これといった目玉観光地がなくても全然構わない。
とは言え、初めて訪れたロンドンのような新鮮さを求めるなら、まだ行ったことの無い南米かアフリカかなと思う。どちらも前から行ってみたいと思いつつ、移動時間の長さから躊躇していた。いくら旅好きでも、移動ばっかりではさすがに萎えてしまう。もし行くなら数ヶ月ゆったりと各国周遊したいので、当分は行ける機会は無さそう。独身時代の最大の心残りであるインドも、旅慣れてない人にはハードルが高い国なので、家族旅行の候補としてはちょっと躊躇する。
妄想から目を覚まして現実を見ると、独身時代のような自由気ままな一人旅は当分出来ないし、妻の実家への帰省という年次行事もあるので、当面現実的に行けるのは、ハンガリーとその近隣諸国。幸い近隣には行ったことがない国が多いので、毎年の帰省ついでに行きたいなと目論んでる。今年の帰省の際は、前から行きたかったクロアチアとスロベニアに行きたい。
海外旅行は時間やお金の制約も当然ながら、治安の面で行きたくても行けない国も多々ある。渡航先の候補に上げて色々調べた結果、治安面で見送った事も多々ある。実際に昔、タイに行こうと羽田空港に向かっている最中に、政情不安からタイ政府が緊急事態宣言を出したというニュースが流れてきたので、悩んだ末に乗り継ぎ地のクアラルンプールで、急遽行き先をペナン島に変えたなんてこともあった。2015年に行ったロシアのサンクトペテルブルクも、もはや普通の旅行者は当面行くことは出来ない。
海外旅行はそういった自分ではどうにもならない事も含めて、様々な幸運が幾重にも重なった賜物だと思っている。特にコロナ渦やウクライナ戦争で、世界中の旅人がそれを実感したのではないか。
もちろん空港や航空会社の人達、ホテルやお店のスタッフなど、現地の全ての人達に感謝なのは言うまでもない。『一人旅』と言ったって、本当は一人では旅はできず、複雑に絡みあった多くの人達のおかげで旅ができる。段々と旅慣れてくるにつれ、そういった多くの人達に心の底から感謝するようになった。
海外旅行は様々な幸運が幾重にも重なった賜物
感謝の気持ちを忘れずに
これからも旅をしたいと思う
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