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【フリーランスエンジニアが仕事もせずに巡礼してみた2023】§32 巡礼32日目 再会と終わりと再会

§32-1 朝6時

朝5時半に目覚める。
団体が起き始めてやはり朝から騒がしい。
いち早くここを離れなくては。

6時に出発する。

暗くて歩きながらでは写真が撮れないような中、急に遠くから名前を呼ばれた。

スペイン人2人組。
どこで会った人だろうか、暗くてあまり見えないし心当たりがない。

一緒に歩く。名前には心当たりがあったけど、いつ会ったのかがわからない。

そんな人ばっかり。

1人で歩くつもりだったから、一緒に行くか、何か言って先に行ってもらうか考える。

いろいろ質問されて、あまりうまく返せないので、英語もスペイン語もうまく話せないって言ったら

「全然大丈夫だよ、コミュケーション取れてる。僕らだって日本語はこんにちはとネコしか知らないよ。」

あー、思い出した!ネコの話したスペイン人いた。

あと100kmの辺りのアルベルゲで会話した人だ。
あのアルベルゲには親猫1匹と子猫5匹。
夜庭を走り回ってたので触ってた時に話した外国人だ。
あれも22時前でもう暗くて顔を認識できてなかった。

日本語でネコはなんて言うか聞かれたな、よかった思い出した。

チャビとダビッド。

この2人も集団で歩いている巡礼者が嫌みたい。
同じ気持ちだったので一緒に歩くことにした。

彼らは昨日の夜、巡礼者のいびきがうるさ過ぎて寝られなかったので、早くアルベルゲを出てきたみたい。

真っ暗な中、3人で歩く。

チャビが言う。
「ダビッドはあまり喋らないけど、いい奴なんだ。英語が話せないから話に参加してこないだけ。」

全然気にしてなかったけど、そうだったのか。
それでもちょっとずつ、チャビに英語を教えてもらいながら話をしてくれた。

2人ともバレンシアに住んでるということもわかった。

7時前、カフェに着いたので休憩。

徐々に巡礼者も増えてきた。
ちょっと寒かったのでここでコーヒーを飲めるのはありがたい。

ダビッドがまとめて注文して支払ってくれた。

最後の休憩。
ここでもコーラをダビッドにご馳走になった。

ここで、よくわからなかった表示について聞いてみた。

これ

“COMPLEMENTARIO”って何?

「オリジナルの道じゃないってことだよ。」

簡単にまとめるとこんな感じのことだった。

到着前に疑問も解決。よかった。

§32-2 サンティアゴ

街に入り、まだまだ歩く。

結局どこへ向かえばいいのか、何もわからないけど2人について行く。

ネコ!
ちょっと見えた!

なんとなく大聖堂が見えはじめた。

着いた。

たまたま、再会!

“congratulations!”

“You did it!”

ハグしてゴールを喜ぶ。

あぁ、ゴールしてしまった。

宿の予約が面倒だった、大変だった。

辛かったことはそれだけ。歩いたら着いてしまうんだな。

感動して泣くわけでもなく、ただ着いてしまったな、と。

チャビにどこかに向かおうと言われてついて行く。
どこかわからん。

歩き切った証明書をもらうところだった。

どこに行ったらいいかわからなかったけど、やりたかったことが出来ている。
スペイン語話せる人たちと一緒だから迷うこともない。
画面を操作して証明書の申請をする。

1台のパソコンから3人分申請。
受付番号が変わると待ち時間かかるから。

2人が入力して、自分の番。

画面の言語を英語に変える。
すると2人の入力した分が消えた。

言語を変えてはいけなかったみたい。

ごめん。めっちゃ謝った。


スペイン語ガイドのチャビのもとで、スペイン語のまま入力。

今年はビルバオから始めたけど、去年イルンから歩いている。
この場合、どうやって入力するんだろう。

チャビがスタッフに確認して教えてくれた。

たぶん1人だったら証明書発行無理だったかも。
というか、ちょっとでもわからなかったら諦めてたかも。ここの場所も含めて。

3€払って、歩いた距離も書いてある証明書も発行した。

持っていたファイルに入らないので折って保存。
丸めて保存する筒も売ってたけど、ただの記録だから。
歩いた事実と出会った人たちとの思い出、経験が大切。

いろんな国の人と、知らない人たちと毎日楽しく。

これがやりたかったこと。
700km歩くこと、サンティアゴまで来ることは副産物。 

それにしても、今回の700kmではドイツ人に1番助けてもらった気がするし、出会った気がする。

最後は誰と、どこの国の人と一緒にゴールするのだろう。
流石にゴール付近の日本人と一緒かな、と思ってたけど、スペイン人。

§32-3 みんなで

「よし!ビール飲みに行こう!」

3人でビールを飲みに。

チョリソーを頼む。すごく小さい。大爆笑。
ここは僕が払う。

ランチ

お腹が減ったからランチに行こう!
ついて行く。
ここがオススメらしい。
開店まで少し時間があるので待つ。

13時を過ぎ、案内されて中へ。

安い。ダビッドにオススメを聞いて、それにする。

美味しい!

ただ、ボリュームありすぎて食べきれず、持ち帰った。

会計を終えて、店を出る時、マリカおばさんに会った。

あとで会いましょうって連絡してあったけど、会ってしまった。
17時に集合って言われてそこではお別れ。

店を出たら、そこではレオたちに遭遇した。

チャビとダビッドは、コイツどれだけの人と会うんだろうって顔をしていた。

ちょっと長くなりそうだったのであとでレオたちに合流しようかと思ったけど、

「ここでお別れしよう。ありがとう。バレンシアに来る時は連絡してくれ!」

そう言って、チャビたちが気を遣ってくれて、ここでお別れ。

宿も違うし、どこかで別れないといけなかったので。

今日はありがとう。

レオたちとも少し話して別れる。
14時過ぎていたので宿にチェックインしに行く。

街の中心部に来る前に宿を通り過ぎていたので場所はなんとなくわかっている。
ここから2kmぐらい離れている。

もうちょっと中心部寄りに取るべきだった。

シャワーを浴び、洗濯は明日。

17時半に集合、と連絡が来たのでそれまでゆっくりする。

目の前のベッドには韓国人のカンくんという学生がいた。留学でヨーロッパに来ているという。
ポルトガルの道を歩いてきた。平坦でつまらない道だったけど景色はとても綺麗だったと。
この後は留学先のチェコに戻り、2月に韓国に戻るとのこと。
とても英語が上手だ。

大学生の頃は、「留学なんてしてる暇あったら数学やれ!」って思ってたけど、やっぱり若いうちに海外に行ってみた方が良かったのかも。

ディナー

17時半、集合場所へ。

人がたくさんいた。マリカおばさんの知り合いらしく、ドイツ人、フランス人。

「そういえば、ドイツ語とフランス語で挨拶できたよね。試してみて!」

名前を名乗って挨拶、だけできるのでやってみる。
伝わったけど、相手が何言ってるかはわからない。

まぁいいや。名前も聞き取れなかったけど。

結局12人ぐらい集まってカフェへ。
スージーもきた。

たくさん人がいるので席が足りない。

隣のテーブルの夫婦が、イスを持って行ってもいいよとジェスチャーしてくれた。

イスを持って行かずに座ってみた。
もちろん冗談のつもりで。

そしたら夫婦爆笑。おぉ、ウケた。

一緒に来ている外国人たちにも「タカ、友達増えたわね」なんて言って笑われる。

イスを移動させても席が近かったので写真を撮った。

とにかく人がたくさん。
英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語で会話している。
ほぼわからない。全然気にしない。

たまに英語で何か聞かれて頑張って話す。

このまま19時半までワイワイ話し、ご飯を食べに別のレストランへ。

日本食レストランだった。

店名が「うどん」

寿司はあまり美味しくない。
ヨーロッパ人が食べやすいような味付け、具になっている。

ハズレのなさそうな、枝豆、たこ焼き、焼きそばを選ぶ。
あと日本酒。久しぶりだ。

徳利で出てくるみたい。
日本酒を飲みたい人の人数分、大徳利を頼もうとしていたので頑張って止める。
2人で大徳利1つで充分。

焼きそばのソースが甘すぎる。
枝豆、たこ焼きは完璧。

日本酒も、まぁ。よしとする。

やっぱりスペインにいるんだからスペイン料理の方が美味しい。

でもみんな喜んでるからOK。

¡todo bien!

楽しく食べて、21:30を過ぎた。
宿がここからだと2kmぐらい離れているので先に帰る。

§32-4 最後に

帰る前に、もう一度大聖堂を見に行く。

やっぱりすごいな。

歩いていると、カンくんに遭遇。
米が食べたくなったので中華料理屋に1人で行ってきたとのこと。

彼の方が10歳ぐらい若いけど、楽しく話してくれる。

エンジニアやってるよ、プログラミングとかするよって言ったら、
「僕も大学でハードウェア系のエンジニアの勉強してます」って言ってた。

「どうしてら何がきっかけでカミーノに来たの?」
と聞かれたので、

韓国の俳優がアルベルゲを運営する番組を見たんだよ。
いろんな国の人と会って交流するの楽しそう。

そう伝えたら、

「僕も全く同じです!同じ番組見てカミーノ行きたいと思った。いろんな人と会いたいというのも同じです。」

とのこと。

同じ理由の人がいるとは思わなかった。

いろんな国の人と会って交流して、世界一周したような気分になったよ。

わかるわー。

なんて話しながら宿に戻る。

結局1人も日本人に会わないまま、僕のスペイン巡礼は終わった。

終わりました!!

足は疲れているけれど、特別身体の不調もなく。
パンツを1枚なくしたぐらいで。

安全に、快適に。
ちょっと語学力も向上(?)して。

頑張ったのかな。
歩いたら着いたって感じだった。

欲しい時に欲しいもの、情報、助けてくれる人に出会えた。
準備されていたかのように。

カミーノマジックですね。

今まで何かをやり切ったことない人生で、初めてやり切ったことです。

ビルバオからサンティアゴまで、
いや、去年のイルンから、助けてくれた全ての人に感謝を。

快く送り出してくれた日本の友人たちにも感謝です。

ありがとう。歩き切ったよ。

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