Takaaki Nishikawa 西川貴章

早稲田大学 創造理工3年。土木のこと、人生のこと、人類のこと

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「ゆたかさ」をあきらめたくない

ゆたかさは必要なのか?いつからだったのだろう。「こころの豊かさ」という、なんとも扱いづらい単語が登場して、物質的な豊かさと対立して語られるようになったのは。 「こころの豊かさ」を問い、暫定的な答えを出すことは、目標の喪失と再設定なのだろう。初めから「どうしたらこころの豊かさが得られるのか?」と問う人は、おそらくいない。それまで自分なりに豊かな人生を追い求めて、何らかの理由で挫折して、それまでの目標を喪失してはじめて直面する問いである。 時は第一次世界大戦。 人類は、目を

    • AI時代をどう生きるか

      共同体感覚の範囲で社会を考えよう私たちは、5000年、10000年を見据えて、 どんな社会を作って次の世代に引き継ぎたいだろう? まずここから出発することにしよう。 なぜなら、人間である限り、人類の運命に多少とも責任があるからだ。 人間は社会的動物であって、人間関係の中にあってはじめて、その人間関係の結節点としての自分が立ち現れる。世界から独立した自己の魂などというものは初めから存在しない。だから、自分を考えることは、とりもなおさず世界を考えることだ。 人の至誠は他の人に

      • 土木弁論大会「有馬優杯」ーなぜ今、弁論なのか

        土木学会の弁論大会「有馬優杯」が9月21日に行われます。 個人的には、この大会には3つの意義があると感じています。 1つは、土木弁論大会の目的でもある、土木を語り継ぐということ。 この時代の人間が、土木や土木技術者について自分のことばを紡ぐこと自体が、後に続く人にとっては価値があります。 2つ目は、土木業界の外にいる弁論家を土木広報に巻き込むこと。 そもそも土木は、人々の生活、安全や経済発展の原動力であって、その受益者は土木業界の外にいる一般の人々です。土木広報は土木業界

        • 経験学習と経験過学習、構造主義、多モデル思考

          今日の記事のあらすじ 近年の教育界では経験学習が持て囃されているが、経験過学習はむしろ思考の硬直化を招く。いかなる思考枠組も完璧ではありえないのに、学習が進むほど現状の思考枠組の盲点が見えなくなるからだ。この場合、複数のモデルを組み合わせることで、柔軟な思考を保つことができる。そのためには、読書などを通じた大量の代理体験を生涯にわたって継続的に得て、多様な文化やコミュニティに共感的に接する機会を持つことが重要だ。 経験過学習の罠一般的に、経験と学習のバランスは大切とされてい

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          修士の抱負:Master Everything!

          学部4年間の振り返り当初の目標とその目的 僕は、成長目標を持っている。 その意図は、第一に、目標が行動選択の判断基準になること。第二に、経験学習を行う上で、目標があると行動を振り返りやすいことである。 僕の学部生としての成長目標はこうだった。 Major in Engineering, Minor in Everything. (工学専攻、全学副専攻) その意図は、「人類のあらゆる分野において、教授や経営者といった最先端を切り拓く人々と対等に話し、有意義で生成的な対話

          修士の抱負:Master Everything!

          麻布OBオケを終えて

          一生の思い出 演奏会から10日経って、やっと気持ちが文章になる気がしてきた。 そもそも僕にとって、麻布OBオケは特別な存在だ。2年前の悲愴の、あの場が一つの生命になったような不思議な感覚。そのあとの校歌では、涙を流しながら大きく口を開けて歌うおじいちゃんの姿。「ああ、この歌にはたくさんの人の青春が込められているんだ」と思ったのを今でもありありと覚えている。目を閉じればいつでも、あの瞬間の映像がよみがえる。 生きる喜び「サントリーホールで第九をやる」と初めて聞いた時は2019

          麻布OBオケを終えて

          【本紹介!】「金持ち文学」って知ってる?

          金持ち文学とは 「富裕層やウルトラ富裕層から無作為に10人を選び、その人の自宅やオフィスの書斎や書棚を見せてもらえば、少なくとも7人の本棚に、私が金持ち文学と呼ぶ本が並んでいることだろう。『思(途中略)など、長年読み継がれてきた古典的な本である。もし貧乏な人を10人選び、その人たちの書棚を見せてもらっても、そのような本はどこにも1冊もないだろう。それは偶然ではない。必然なのだ。」(ダン・S・ケネディ、『富裕層マーケティング』(112頁)の『勝ち組と負け組の本棚』) 「プロ

          【本紹介!】「金持ち文学」って知ってる?

          アウトワード・バウンドに参加したい!!

          アウトワード・バウンドって聞いたことありますか? 10日間かけて、ロッククライミングや沢登りなどの試練を通じて、心身ともに健全になって、内なる強さやアイデンティティを築く、という冒険プログラム。 アウトワード・バウンドの冒険教育プログラムは、イギリスの海運業で働く船乗りが、第二次世界大戦中の北大西洋で生き残るためのトレーニングが始まりでした。 1941年、イギリスのある海運会社ではドイツ軍の攻撃で多くの商船を失い、多くの船乗りが命を落としました。救命ボートに乗り込み、命拾い

          アウトワード・バウンドに参加したい!!

          時間を何に使うか?

          セネカへ。 僕は今日、有馬さんのお誘いで、1~2分の即興スピーチをする集まりに出席した。 もらったお題は、「今年は衆議院選挙ですね。そこで、立候補されるあなたの公約を教えてください。」 そして、なにも言えなかった。 うまいこと言おうとして、出てきたいくつものテーマは、どれも1時間あっても足りないような大きな社会課題の数々だった。 極端な政策を言ってみて笑いを取ることもできただろう。 まじめに価値観を問うこともできただろう。 しかし、1分で語れるなにものも、僕の口からは出

          時間を何に使うか?

          早稲田ラグビーの熱さ

          先日、早スポにいた友達から早稲田ラグビーの話を聞いて、熱く生きよう、と思った話。 僕の好きな選手に、法学部の坪郷 智輝という選手がいる。 彼は、高校時代は野球部で腰を痛めて補欠選手だったものの、早稲田のラグビーでスタメンを張っていた兄にあこがれて、大学からラグビーを始めた。 「ワセダの選手が観ている人に勇気を与えたということにも魅了されて、僕もそっちの立場になって、観てくれる人たちに勇気を与えたい」 必死の努力が実って、4年生にして晴れて1軍で出場。 選りすぐりの選

          早稲田ラグビーの熱さ

          ぐっすり寝るための寝具へのこだわり

          寝る前に「寝ること」について考えていたら、ちょっとだけ思ったことがあったのでシェア。 以前はなかなか寝付けなかった僕が、ここ数年は結構安定して眠れていることに気付いた。よく眠れた日は、日中のパフォーマンスも高い。僕が多くのプロジェクトを抱えてうまく回るかどうかは、割と僕のパフォーマンスにかかっているので、ぐっすり寝ることは死活問題なのだ。 睡眠∝生活習慣×寝具さて、睡眠は、生活習慣と寝具に大きく依存する。 僕は生活習慣にも寝具にもかなり強いこだわりがある。 生活習慣では

          ぐっすり寝るための寝具へのこだわり

          旅に出て、人生のハンドルを握る

          地域経営ゼミに、社会起業家の友廣裕一さんがいらっしゃった。 早稲田大学商学部を卒業後、日本中の地域でたくさんの事業を立ち上げ、携わっている。一般社団法人つむぎや 代表理事/リソース・コーディネーター。合同会社シーベジタブル共同代表、まちライブラリー理事、コミュニティナースカンパニー ディレクター、などなど。 「人との出会いによってのみ、人間は本質的に磨かれる」 そんな友廣さんの原点は、旅だったそうだ。 自分の人生のハンドルは、自分で握れ 大学時代は、時間があるはずなの

          旅に出て、人生のハンドルを握る

          受験生へ

          いま不安な受験生は、そりゃ不安だよね。もっと賢くなれ。もっと強くなれ。それだけが自分を不安から解放してくれる。来年3月以降、悔いの残らないように。 でも、実は僕が本当に心配していて、メッセージを届けたいのは、「いま不安じゃない受験生」だ。 より正確に言えば、本当は不安なのに、自分の不安を抑圧して、無かったことにして、現実逃避に走っている受験生だ。 僕は、2回受験を経験した。2回とも、反省点たっぷりの受験生生活だった。 身に迫るような不安を感じられている時点で、そのステー

          壺の中に世界を持て

          いつものように目白庭園を散歩すると、輝くような青葉に奮い立つような希望を感じる。 でも、それだけじゃないことも知っている。生命の尊さとか悲しさとか、梅雨への予感とか、そういう交響曲の第一楽章のような衝動が、この季節にはある。 さて4年生になり、「地域を経営する」というプログラムを履修した。 地域経営ゼミの19期生だ。 その担任の友成さんが「タコつぼの中のタコ」という話をされた。 タコは軟体動物なので、身を守るために硬い岩場に身を隠す習性があり、タコつぼにも自分から進んで入

          壺の中に世界を持て

          21世紀の社会を読み解くコツ

          土木広報はまだまだ黎明期?「土木の魅力を発信したい」という思いを持った若手土木技術者が増えている。 Doboku Labでも、土木の魅力や面白さが土木業界の外に伝わるためにはどうすればいいか、という話題は頻繁に発生する。 しかし、土木広報のこれまでの敢闘にも関わらず、相変わらず土木の認知度は低いと言わざるを得ない。 土木は河川にも関わっていると言うと、「土木で河川??なぜ??」と言われるのがまだまだ現状である。 何が起こっているのだろうか? その前にこういう社会情勢を分析

          21世紀の社会を読み解くコツ

          信念

          信念を貫くことは賞賛される。信念がなかったら達成されなかっただろう偉業も多い。 自分の意見にこだわることと信念を貫くことを混同する人も多いが、実際は全く違う。 むしろ、立派な人は自分の意見にこだわらずに、人の意見に耳を傾ける。 全て信念は自覚から生まれる。 迷ったら「自分はこういう人だよね」に立ち返る。 キリストだったら「人々に思いやりをもたらす人」だし、 僕だったら「友達が困ったときに手を差し伸べる人」。 だから、それに見合うような行動を取ることが、信念を貫くことにな