アウトワード・バウンドに参加したい!!

アウトワード・バウンドって聞いたことありますか?
10日間かけて、ロッククライミングや沢登りなどの試練を通じて、心身ともに健全になって、内なる強さやアイデンティティを築く、という冒険プログラム。

アウトワード・バウンドの冒険教育プログラムは、イギリスの海運業で働く船乗りが、第二次世界大戦中の北大西洋で生き残るためのトレーニングが始まりでした。
1941年、イギリスのある海運会社ではドイツ軍の攻撃で多くの商船を失い、多くの船乗りが命を落としました。救命ボートに乗り込み、命拾いをした船乗りもいましたが、驚いたことに若い船乗りの生存率は、体力的にも劣る年配の船乗りの生存率よりも低かったのです。ローレンス・ホルト(海運会社の社長)はドイツ生まれの教育者、クルト・ハーンにこの事を伝えました。
ハーンは、若者には経験が足りないがゆえにいざという時、肉体的にも精神的にも追い詰められた時に自信が持てず、簡単にあきらめてしまっていると考えました。年配の船乗りには、救命ボートで大海原をさまようという厳しい状況で生き残るための十分な経験と、その経験に裏打ちされた確かな技術や知識、そして何よりも「内なる強さ」を持っていたのです。
ハーンは、この問題を解決しようと、若い船乗りが危機に直面した時、より的確に、強い気持ちをもって対処できるようにトレーニングするため、世界初のアウトワード・バウンド・スクールを設立しました。
彼のトレーニングは、強靭な肉体や様々な技術を身につけるためだけのものではなく、自分や仲間の命を守り、絶対に生き残るという強い気持ちを持つための、野外体験型の教育プログラムでした。
このような始まりから、戦後アウトワード・バウンドは、様々な対象者に開かれた青少年教育プログラムとして世界中に広まっていきました。現在、世界33カ国に、約220箇所の拠点があり、1年間で25万人を越える方が、アウトワード・バウンドのプログラムに参加しています。

若いやつのほうがいっぱい死ぬって直感的におかしくない?
ということで、

1、冒険心溢れる好奇心
2、折れない精神力
3、不屈の探求心
4、自己信頼 (自立と責任)
5、社会・環境・人への思いやりの心

を育むプログラムがアウトワード・バウンド。
コンセプトが天才のそれ。

“It is the sin of the soul to force young people into opinions – indoctrination is of the devil – but it is culpable neglect not to impel young people into experiences. “
「大人が子どもたちに考え方を強いるのは間違っている。
しかし、経験を強いるのは義務である」(クルト・ハーン)

いやもう、さすがやで。

ザーレムの七箇条

1.子どもたちに自己発見の機会を提供すること
全ての少年少女たちはその内に崇高な情熱を持っており、しばしばそれは奥深く隠れていて、終生認識されないことすらある。教育者たるものはそれを精神分析的手法などによって、発掘しようなどと努々考えてはならない。それらは子どもたちひとりひとりが様々な活動や経験に深く関わっていく時に、自ずと顕されてくるであろう。
ひとりの子どもが“自分へと”到達しようとする時、そこに我々は喜びの叫びを聞き、最も根源的な部分からの幸福の表出に心踊らされることであろう。

就活生とかのメンターは、ES書くためについついコミュニケーション技術ですべてを引き出しちゃうけど、魅力を引き出すことはできても、真の情熱をコミュニケーションで発掘「しようなどと努々考えてはならない」という。
学生が本当に熱中する経験を提供して、その中に立ち現れる自分の価値観や軸に気づくほうが、良いんだろうなと思う。
何に熱中するか、何がその人にとっての冒険かは、人によって違うんだけどね。

どんな活動にせよ、熱中や没頭こそが人生の黄金の1ページをつくる。

2.子どもたちに勝利と敗北とを味わわせること
生徒に絶えること無く成功の経験を与え続け、彼の内に個性と才能が開花することを待つのも可能であろう。そして、彼に幸福な気持ちを与えることもできるかもしれない。しかし同時にそのとき教師は、その子どもが人生の戦いにおいて失格者となるよう運命付けることになる。ザーレムの教師たる者は子どもたちの強さと共にその弱点をも見出さなくてはならないと信ずる。生徒をして失敗する可能性のあるような活動に取り組ませよ。
そしてその失敗を隠し立てしてはならない。彼に敗北を克服することを学ばせよ。
3.子どもたちに、公共の益のため無私となる機会を提供すること
年の若い者にさえ共同体にとって決定的に重要であるような課題に取り組ませよ。そしてその初めから彼らに宣言せよ。
『君は乗客ではなく船員のひとりである。我々は君達に、それが怠慢に行われるならば国家をも揺るがす恐れのあるような責務をも委ねる』

共同体にとって決定的に重要であるような課題。なんだか、入ったばかりのメンバーにJobカフェの司会を任せた去年のことを思い出す。

4.沈黙の時間を与えること
クェーカー教徒達の偉大な伝統に従え。今日ある世代の者たちが先達たちの静寂と黙想との習慣を自分のものとしない限り、彼らは破壊的で神経を衰弱させるような文明社会によって瞬く間に、そして未熟なままに蝕まれてしまうであろう。

これ日本でいうと禅、今の言葉で言うとマインドフルネス瞑想か。
「静寂と黙想との習慣」やってますか?

「破壊的で神経を衰弱させるような文明社会」ってデジタルでますます加速していて、神経過敏な人(偏見でいうと、一橋大学みたいな人)が増えているので、この示唆は時代を越えてますます重要になっている。

5.想像力を育むこと
子ども達の想像力を呼び覚まし、それを用いる場を提供せよ。さもなくば、それらはあたかも使われない筋肉がそうであるよう、退化してしまうであろう。その場、その時に重くのしかかってくる誘惑や刺激に打ち勝つ力は、今この時に身につけるのでなければ後の人生においても得ることはできない。そしてその力を得るための鍵は、自分の将来における計画や希望、そして恐れをどれほど今この時に明確に想像できるかどうかにかかっている。
自分を甘やかす者が往々にして持ち合わせないもの、それは未来へのビジョンである。
6.競合、競技に重きを置くこと。しかしそれに支配されないこと
競技者たちが常に表彰台に上がれてしまうのなら、彼らはもはや困難を学ばない。挑戦者がその栄冠を逃す時、まさにその時に、彼の人間としての尊厳が回復されるのである。
7.富と権力とを受け継ぐ家庭の子らを、生きる力を剥奪するような“特権”から解放すること
彼らが、日々の生活を送るのにさえ困難を覚えるような家庭の子ども達と共に、心躍る学校生活を分かち合えるようにせよ。
ほかのどんな学校にも創り上げることができない我々の伝統。それは学生の3割が、簡素なだけでなく困難な生活を送る家庭から来ており、そのような環境の中で厳格かつ喜びにあふれた自己訓練の時が全学生に享受されるということである。

めっちゃ参加したい。リーダーシップ教育する上でめっちゃ糧になりそう。



あなたにとって素敵な1日でありますように!