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読書68 『おっぱいマンション改修争議』

  原田ひ香著
(文庫化に伴い『そのマンション終の住処でいいですか?』に改題)

天才建築家、小宮山が設計したデザイナーズマンション。その姿形から「おっぱいマンション」と言われている。
デザインも立地も抜群で、出来た当時はあこがれの住居と言われて雑誌の表紙にもなった。築四十五年の現在になっても、終の住処として入居希望者が後をたたない。
ところが、十年以上前に小宮山が亡くなり、ここに来て「おっぱいマンション」の重大な問題が発覚する。
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秘密を抱えていたり、学生運動の経験者だったり、何やら癖の強い入居者たちと、小宮山の娘、そして小宮山の右腕で事務所を引き継いだ現社長などなど、なんだかんだお腹に抱えながら、それぞれの人生や理想そして秘密をかけて、「おっぱいマンション」を建て替えるべきか残すべきかを紛争します。

なんでしょう。なんかこう、腹を探りながらというかずる賢いというか、嫌な感じはずっとあります。先が読めないし感情も読めないし。
ラストも全然スッキリしないのですが、そういう嫌な終わり方が、いらいらというか、嫌なんだけど最後まで気になって読んでいました。

どの人も心の中で吐露した感情が、妙に気になって惹きつけられました。
読み終わって「嫌なんだけどおもしろかった」というような、不思議な魅力を感じました。

印象に残ったところは、周りの人が毎回、先を見越して娘が困らないように根回ししているのに、娘がその苦労に気づかずに、ことごとくぶち壊すといったような、全くかみ合っていないところでした。
その天の邪鬼っぷりがおもしろかったです🤭

この本では、この先のことまでは書かれていません。もやもやが残ります。
迫ってきている崩壊か、何事もなく平穏な日々かについては、読んだ人によって違う結末にしたらいいということなのかなぁと、自分の中で勝手に膨らませて楽しめました🤭

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