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読書196 『赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。』
青柳碧人著
赤ずきんは、森の奥に住む猟師の家へ、クッキーとワインを届けに行く途中でした。
キツネと黒猫と三毛猫が、大きな袋を下げてどこかへ行こうとしているところに遭遇しました。その大きな袋の中から、男の子の叫び声がするではありませんか。黙らせようとしたキツネが、袋を叩いた拍子に、袋から腕が飛び出しましたが、キツネたちは気がつかずに、行ってしまいました。
袋から飛び出した腕が、紙とペンを使って、赤ずきんに事情を説明します。腕の持ち主の名前は、ピノキオというそうです。
どうやら「親指一座」のサーカス団にだまされて、家に帰らせてもらえなくなり、やりたくもない芸をやらされている。「親指一座」から逃げ出したが、キツネたちに連れ戻されたのだということでした。
【その女性を見て、顔に塗りたくったお化粧でごまかしてはいますが「たぶん四十歳は超えているわね」と、シビアな赤ずきんでした】
といった調子で、クセもアクも強すぎるキャラクターが次々と登場します。そして、赤ずきんが行く先々で、事件が起こってしまうのです。
「おやゆび姫」「白雪姫」「ハーメルンの笛吹き男」「3匹の子豚」の童話をベースにしたミステリー連作短編集で、ピノキオの身体を取り返すために、旅は続きます。
「赤ずきんシリーズ」の二作目のようです。
最後には、大切なことを含んだ教訓になるような言葉で括っていました。
「童話の世界に何てことを」と、思われる方もいるかもしれませんが、私は誰もが知っている物語をモチーフにしていることで親しみが持てて、さらにキャラクターのあまりのギャップにも楽しませていただきました。
青柳さんの本は、家庭教師の話と学生寮の話のを読んだことはありましたが、サクサク読みやすかったです。
この「赤ずきん」は、他のシリーズも読みたいです。余裕があれば「むかしばなし」シリーズまでいけたらいいなと思っています。
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