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読書195 『それは令和のことでした、』

    歌野晶午著

・彼の名は
母は、息子にも世間並みでない人生を強要した。

・有情無情
小学生の見守りボランティアは、思った以上にやりがいがあった。しかし、「明日から来なくていい」と言われ、困惑する。

・わたしが告白する!
姉がひきこもりになった。俺は姉のふるまいに、とても納得できなかった。

・君は認知障害で
東京の大学に行くが、2年で足が遠のき、ネットゲームに明け暮れる日々。

・死にゆく母にできること
母が入院したことで、実家と病院通いの毎日。忙しくて余裕がなくなり、つい、息子に声を荒げてしまう。

・無実が二人を分かつまで
炊き出しをしているところを、実際に見たのははじめてだった。その光景が頭から離れず、会社を辞めて炊き出しの行列に並ぶようになった。

・彼女の煙が晴れるとき
陽菜は心身の不調に見舞われ、自力でできることが少なくなっていった。父親は、トラックの長距離運転手で、家を空けることが多い。駒音は、陽菜の食事の準備をして仕事に行く。

・花火大会
去年、友だちと花火大会に行った。「来年もまた行こうね」と約束した。

連作ではない短編集です。

「彼の名は」「無実が二人を分かつまで」「彼女の煙が晴れるとき」は、思い込みってこわいです。っていうより、何でそう思っていたんだろう。これはミスリード?

「わたしが告白する!」と「死にゆく母にできること」は、「なぜこんなことをやってしまったんだろう」という、後味の悪い思いが残りました。

「有情無情」は、かなりつらくて、「もうこれ以上読めない」「もう、やめておこう」と思い、しばらく本を置いたままにしていました。それくらい強烈にしんどかったです。
で、1週間ほどして、続きを読みました。なので、後の「君は認知症」が、なおさら響きました。「君は認知症で」は、どうなることやらハラハラしましたが、ちょっとだけ「くすっ」となったり「ほっ」とする場合があり、そして、泣けました。

結局、最後まで読んだので、惹かれるものがあったのだと思います。
この作家さんの他の本も読んでみようかな。でも、刺激が強すぎて、エネルギーを消耗したので、ちょっと時間をあけてからにします。

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