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読書162 『若葉荘の暮らし』

   畑野智美著

感染症の影響を受け、望月ミチルのアルバイト先の飲食店の売上が激減。バイト代が減ってしまったミチルは家賃の安い家に移ることを余儀なくされる。
そんな彼女にバイトの取引先の知人が紹介してくれたのが、40歳以上独身女性限定のシェアハウス「若葉荘」だった。

不安を抱えながら若葉荘の門を叩いたミチルだったが、管理人・トキ子さんに出会い、ここに住むことを決める。

ミチルと同世代や50代60代の住人たち。何かに傷つけられ、それぞれに重荷を背負いながらも、たくましく生きる。
若葉荘で暮らすうちに、ミチルは自分の幸せを自分軸で探す術を身につけていく。

就職難や結婚観、世間の常識、感染症による緊急事態宣言など、生きづらい世の中を描いていますが、若葉荘に転居して、ミチルが変わっていく様子がとても気持ちがよかったです。

「Yes 」「No」を、はっきり言えることは、うらやましくもありますが、それは、自分を大切にすることにつながると思います。なので、ちゃんと言えるようになりたいです。

バイト先でも、日々さまざまな人間模様があり、共感があれば嫌な印象もありました。嫌なことには、ちゃんとミチルの考察が丁寧に書かれていて、それはそれで妙に腑に落ちます。

『神さまを待っている』で、女性の貧困についてご自身の経験をもとに描かれた畑野さん。ミチルの前職のくだりでは、厳しい現状も描かれていました。

人との関わりの中で、気づくものがたくさんあり、自分にとって「必要なもの」「いらないもの」をどう処理していくかについて、考えさせられる作品でした。

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