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読書109 『大奥づとめ』 

   永井紗耶子著

 大奥と言えば、絢爛豪華な女の世界。上様のご寵愛を受けてお世継ぎを生むための理不尽極まりない、いじめや足の引っ張り合いが常にあるドロドロした印象を持っていました。

 『大奥づとめ』は、連作短編になっています。
大奥に上がるということは、家の名誉にあたり箔がつき、花嫁修行に勤める人もいるのだそうです。
また、仕事の内容もさまざまです。出世を望む人や、里に帰って結婚する人など(里へは戻れないと思っていました)6編の話からなります。

 位の高い人は「お犬様」「お猫様」を飼うことを許されているのですが、その事情と「お猫様」にまつわる話が印象に残りました。

 おすすめポイントは、それそれの仕事に悩みながら、人と関わる中で道がひらけて出世していく様子など、前向きな話が多いところです。

 永井さんの本は、源頼朝の娘の視点で書かれた『女人入眼』から二作目ですが、視点が素敵で、心情をうまく捉えておられて、身近に感じられるのでとても好きです。
芸に合わせて歌舞伎や着物、食にまつわるところ、はたまた力仕事まで。

 大奥の複雑な中の事情や仕事が、わかりやすく描かれていました。

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