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読書65 『とにもかくにもごはん』

   小野寺史宣著

子ども食堂を取り巻くひとたちの生きづらさと希望を描く。

午後五時開店、午後八時閉店。
亡き夫との思い出をきっかけに松井波子が開いた「クロード子ども食堂」は、月に二回、隔週木曜日に開店している。子どもは無料で大人三百円。

スタッフは、夫とうまくいかない近所の主婦や、就活のアピールの大学生他。
お客さんは、デートに向かうお母さんに置いていかれる小学生や、お父さんと二人暮らしの小学生。娘と絶縁し孤独に暮らすおじいさん他
娘と絶縁し孤独に暮らすおじいさん他。

みんないろいろあるけれど、あたたかいごはんを食べれば、きっと元気になれるはず。
           (案内文より一部抜粋)
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「午前四時 こんにちは 松井波子」「午前四時半 おつかれさま 木戸凪穂」というように、子ども食堂の営業や準備の時間に合わせて午後八時まで。スタッフやお客さんの十編からなる物語です。

子ども食堂をすることに至った経緯が、ターニングポイントになったと思います。ラストで奇跡が起こりました。

印象に残ったところは、押しつけにならないように、上からにならないように、無理強いしないように、子どもたちが「食べたいから来る」「来たいから来る」ことを望む波子の姿勢です。波子が言うように「してあげる」じゃなくて「私がしたいから」と、思えるようになりたい。そうあろうと思います。

さらっと流していましたが「子ども食堂なんかがあるから、親が手を抜くんだ」という人もいるそうです。
ちゃんと見ない人に限って、自分の憶測で言うんだなぁと、うんざりしました。

まだ、始まったばかりですが、波子があれこれ試行錯誤しながら、「クロード子ども食堂」が、みんなにとって、よりどころになっていく様子に、ホッとしながら、気持ちよく読むことができました。

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