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MBA必読書50冊を1冊にまとめてみた②:新商品が普及する時の「大きな谷」をどう越えるか?キャズム理論について

読書ノート(87日目)
さて、今日もこちらの本を
紹介していきたいと思います。

本書では、ビジネススクールでMBA修了
する際に必読と言われる50冊を1冊に
要約してまとめて紹介してくれている。
最近の言葉で表現するならば
「ファスト読書」と呼べるビジネス書

大きな章は以下の6つ
①戦略
②顧客とイノベーション
③起業と新規事業
④マーケティング
⑤リーダーシップと組織
⑥人

これらを5回に分けて
簡単ずつでも紹介できればと
思っています。

さて今日は②顧客とイノベーション
ついて、個人的に興味深かった1冊です

マーケティングの世界でキャズムというと
主に、新商品やサービスが普及する際に
初期市場からメインストリームに移るときに
スムーズには普及せず、深い溝や大きな谷を
越える必要がある
というキャズム理論が有名かと思います

本書では、
・なぜキャズムが発生するのか?
・どうすればキャズムを越えられるのか?
という疑問に答えてくれる、そんな内容です

https://www.onemarketing.jp/contents/chasm_re/

キャズム Ver2.0 ジェフリー・ムーア
・新商品の普及段階を示すテクノロジー・ライフサイクルで
 あなたがどこに位置する人かを見極める質問とは?
 →「あなたは、電気自動車をいつ買いますか?」

「わけの分からない車には、絶対乗らない」人は
 新しいテクノロジーに興味を示さない「ラガード」
「今のガソリン車が不便になったら買う」人は
 「レイト・マジョリティ」で追従者
「電気自動車の充電ステーションが街中にできれば買う」人は
 現実主義者で「アーリー・マジョリティ」
「誰も乗っていない時に買う」人は
 「アーリー・アダプター」の先駆者や「イノベーター」の革新者

・一番大きな隙間は、アーリー・アダプターとアーリー・マジョリティの
 間にあるキャズム(大きな谷)
・キャズムがあるのは、アーリー・アドプターとアーリー・マジョリティで
 は考え方と行動が正反対だから
アーリー・アダプターはリスクを好む
 
誰も乗っていないから差を付けられると考え、自分が納得すれば
 自宅に充電ステーションを作ってでも電気自動車を買う
アーリー・マジョリティは、逆にリスクが大嫌い
 
「電気自動車は危険かもしれない。それに駐車場や普通の
  ガソリンスタンドで充電できないのは不便」と考える。
 電気自動車が安全だと分かり、電気自動車用サービスが充実してから、
 やっと検討を始める

・新商品普及にはこのキャズムを越えることが必須で、やることは2つ
・一つ目は「ホールプロダクト(※)」を用意すること
 ※顧客が必要とするすべてを提供する製品やサービス
・例えば、電気自動車の場合は、ガソリンスタンドや自宅の駐車場でも
 充電ができ、街の自動車整備工場でも修理や整備ができ、
 イエローハットで専用パーツも買えるなど、
 これら全体が揃ってホールプロダクトと呼べる
・アーリー・アダプターはホールプロダクトがなくても独力で何とか
 してしまうが、アーリー・マジョリティは面倒な事はやらない
・そしてアーリー・マジョリティ以降の顧客は全体の84%と市場は大きい
・つまり、ホールプロダクトが無い限り本格的に普及はしない

・二つ目は、他のアーリー・マジョリティの事例
・自分と同じタイプのアーリー・マジョリティが新商品を使うのを見て、
 初めて購入を考え始める。そのためにアーリー・マジョリティの
 ユーザー事例をつくること。
・アーリー・マジョリティのユーザー事例をつくるには
 「お金はかかってもいいから何とかしたい」という
 「顧客の痛みの大きさ」を基準にして市場を徹底的に小さく絞込み
 その小さな市場のすべてのアーリー・マジョリティを取り込み、
 市場を制覇する。そして、その経験と実績を活かし他市場に広げていく。
・例として、企業向け文書管理システムのドキュメンタムの普及。
 同社が注目したのは製薬業界。
・製薬業界は新薬認可申請業務に「大きな痛み」を抱えていた。
 申請書類だけで25万~50万ページを作り、1日1億円の費用と
 数カ月間もの時間が必要だった。さらに申請が遅れるとその期間の
 新薬特許収入も喪失してしまうという「解決したい痛み」を抱えていた
・ドキュメンタムはこの制約会社の新薬認可の申請業務に徹底的に集中し
 専用システムを作って大きな成果をあげた。
 その後、製薬業界トップ40社中30社が採用し、
 製薬業界でのキャズムを一気に越えることに成功した

話題になった新商品や新サービスが
世の中に広く普及するかどうか
そのヒントになりそうなのが
このキャズム理論かなと思いました。

アーリー・アダプターはリスクを好み、
アーリー・マジョリティは安全性を好む。

非常に分かりやすくて納得感がありました

キャズムを越えるために
「お金はかかっても何とかしたい」という
顧客や市場を見つけ、
そこで徹底的に普及させるというのも
解決策として明快で興味深かったです。

ちょうど先日、社外セミナーで
電通の阿佐見 綾香さんが出演された
ヒットをつくる「調べ方」についての
公演に参加しました。
その中でも、新規事業であればこそ、
顧客がお金を払ってでも解決したいと
思う痛みのニーズ「Pain」
を見つけよ。
あったら良いな程度の「Gain」のニーズ
では、ニーズはあっても意外とお金には
ならないことが多いということを教わり、
PainとGainの視点でニーズを分けて考える
というヒントを得たばかりでした。

詳しくは
こちらの本に紹介されているようです

ということで、長年、積読していて
もやもやしていたキャズム理論の要点を
僅か6ページと超短時間で知ることができ
何だか凄く得した気分です。笑

ということで、今日はこの辺で。
次回は③起業と新規事業についてを
紹介したいと思います。

それではまたー!😉


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