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朝からギネス

25年まえ。ダブリン空港からホテルまで乗ったタクシーの運転手が、
ギネスは世界最高のビールさ、パブで飲むギネスはうまいぜ、
と盛んにすすめる。

さらに、行きつけのパブの名前を書いたメモまでくれた。

アイルランドの国民的飲料ともいえるギネスを飲まずして、
この国を語れない。

さっそく醸造所を訪ねた。

ただようポップの香りにひかれ見学ルートをカット、パブにむかった。
朝10時すぎ、早や3組の先客が黒ビールを楽しんでいる。
朝からギネスか。

さっそく「パイント、プリーズ」。
これぞ本場ものと、じっくりじっくり、味あう―生ぬるい、漆黒の色、にがい味に当惑……
だが、クリーミーな泡のせいか、喉になじんでくる。

古今東西、朝酒は利く。

醸造所のパブ          1998


栗毛と黒髪の女の子が僕にむかってグラスをかかげ、にっこり。
こちらも応える。
気分がいい。目がうるんできた。

ひげの老人ふたりがグラスをお代わり。
朝から二杯か。

旅を始まったばかりだ、飲みすぎは禁物と一杯で打ちどめ。
が、その昼にギネスをまた飲んでしまった。
漆黒ビールに取りこまれたか。

昼と夜、先ずはギネス一杯と、ほろ酔いアイルランドの旅となった。

ケルトの遺跡                   1998


アイリッシュ・ジョーク「酔っぱらいネタ」をひとつ。
  
医者「うーん、君の病気の原因がはっきり分からん、飲みすぎと思う……」

患者「気にすんなよ、先生が素面のときに、また来るから」


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