応用編〈7〉 やりとりする
問題を解く前に・・・
玉や点数が行ったり来たりするけど、消えたり増えたりしないで、結局全員の損得を足し算すると0、という状況を「ゼロサム(ゲーム)」といったりします。
今回は、誰かが得したら、誰かがその分村をする、という「ゼロサム」の問題。(ちなみに、ゼロサムを日本語では零和(レイワ)といったりします。零和のことを知っていた人は、新元号の発表を聞いたとき「え??」ってなったかも。)
やっぱり問題文をしっかり読みましょう。その時大切なのは
何が偶然として起こるのか?
ですね。
(1)・・・
1枚袋からカードを取り出し、“戻さずに”もう一枚取り出す、ということですね。
(1)はどういう状況だか、問題文を正しく読み込めているかどうかを確かめる問題です。
ここまでイメージできれば、1のカードは袋の中に残っているはずなので、答えは 1 だというのが分かりましたか?
(2)・・・
操作①~③で、袋から2回カードを取り出すワケですから、表をかいてみましょう。「戻さずに」2回目ひくのですから、表はこういうことになりますね。(基礎編7)
というわけで、すべての場合の数は 12 になりますね。
さて、上の表には、1回目が終わった時、AとBの箱にはいくつはいっているのか、(Aの箱の中の玉の数),(Bの箱の中の玉の数) の形で、それらの状態がわかるように書いておきました。2つの箱の玉の数をたし算したら10,というのは大丈夫ですか?
その上で、2回目それぞれのカードが出たらどうなるかというと
ということになります。問題文の「箱Aに入っている球の個数と箱Bに入っている球の個数が同じになる」ということは、「箱Aに入っている球の個数も箱Bに入っている球の個数も5個ずつ」ということですから、あてはまるのは下の3通りとなります。
ですから、答えは 3/12 = 1/4
答え
問題を解いた後で・・・
表には、AとBの箱の中に入っている玉の数を両方書きましたが、「併せて10個」という関係は変わらないので、Aの箱の玉の数だけ表に書く、というやり方で、省エネする、というのももちろんアリです。
いろんな問題を解いていると、省エネをする方法、うまく手抜き・ズルをする方法が見えてくることがあるので、「問題をいっぱい解きなさい」といわれるのですが、ただひたすらに問題をいっぱい解いても見えてくるわけでもない、というのが難しいところですね。できる人、わかっている人には何気ないテクニックだったりもするので、用意されている答えにはそこら辺が表れていないこともあります。教えてもらいながら、「ちょっと今何やったの?」と突っ込めると一番いいのですが、そんな突込みができないあなたのために、(わかっている人にはまどろっこしく感じても)わざと1つ1つ丁寧に書く、ということを心掛けてnoteに載せていっています。
類題
神奈川県追試験2023、高知県A2023、三重県前期2022、宮城県2021、神奈川県2021、大阪府C2020、高知県2019、大阪府2016C、宮城県2012B、山口県2012
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