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高知県|公立高校入試確率問題2019

 下の図のように,さいころの1から6までの目が1つずつ表示された6つの箱がある。それぞれの箱の中には,表示されたさいころの目と同じ数の玉が入っている。大小2つのさいころを同時に1回投げ,それぞれのさいころの出た目の数によって,箱の中の玉を移動させる。このとき,下の(1)・(2)の問いに答えなさい。ただし,さいころはどの目が出ることも同様に確からしいものとする。

(1) 大きいさいころの出た目と同じ目が表示された箱から玉を1個だけ取り出す。その取り出した1個の玉を,小さいさいころの出た目と同じ目が表示された箱に入れる。このとき,次の①・②の問いに答えよ。
① 空の箱ができる確率を求めよ。
② 6つの箱のうち,入っている玉の数が同じ箱が3つできる確率を求めよ。
(2) 大きいさいころの出た目と同じ目が表示された箱から玉をすべて取り出す。その取り出したすべての玉を,小さいさいころの出た目と同じ目が表示された箱に入れる。このとき,6つの箱のうち,入っている玉の数が同じ箱が2つできる確率を求めよ。

分類:応用〈7〉やりとりする(ゼロサム)

(1)は、‥という事はどういう事?の問題

 この問題のアプローチとしては、2つ考えられます。一つは、大小2つのさいころによって起こる36通りについて、それぞれの結果を調べて網羅した上で、そこから条件に合う場合をチェックしていく方法。他の問題では,だいたい、この方式で表をかいちゃおう!と進めてきました。
 ところが、この方針で表をかこうとすると、例えばこんな感じになってしまいます。

 ウ~ン、さすがにこれはちょっと・・・?

 作戦のもう一つは、その条件はどんなサイコロの目が出れば実現するのか、と読み替えて列挙する方法。条件から迎えに行く、とこのnoteでは表現しています。

 問題文の状況が起こるのは、どういうサイコロの目が出るときか、条件を読み替えることができるかどうかを試す問題とも言えます。

①は,ちょっと立ち止まって考えて。

 ①は、さっそく早とちりしそうな問題です。「大きいさいころで1の目が出れば、1個取り出すので1の箱は空になるので、大きなさいころで1の目が出る確率を求めればいい」・・・で、$${\dfrac{1}{6}}$$と求めると「うまくひっかかった」ということになります。小さいさいころでも1の目が出てしまったら、せっかくからになった箱に,結局玉が戻ってきます。
 というわけで、空の箱ができるのは、大きなさいころで1の目が出て、かつ、小さいさいころで1の目が出ない場合、つまり(大,小)の形で書くと、(1,2)(1,3)(1,4)(1,5)(1,6)の5通り、ということになります。その確率は$${\bm{\dfrac{5}{36}}}$$

②は・・・

 実は,大きなさいころの目からちょうど2小さい数が小さいさいころの目であるときに、入っている玉の数が同じ箱が3つできます。(6,4)(5,3)(4,2)(3,1)の4通りです。このことに気づくと早い。
 その確率は、$${\dfrac{4}{36}=\bm{\dfrac{1}{9}}}$$ということになります。

(2)は1つ1つ考えてみましょう。

 大きいさいころで1の目が出るとき、2の目が出るとき・・・で考えてみることにします。
●大きいさいころで1の目が出るとき
 小さいさいころで2の目が出ると、3個の箱が2つできる
 小さいさいころで3の目が出ると、4個の箱が2つできる
 小さいさいころで4の目が出ると、5個の箱が2つできる
 小さいさいころで5の目が出ると、6個の箱が2つできる
●大きいさいころで2の目が出るとき
 小さいさいころで1の目が出ると、3個の箱が2つできる
 小さいさいころで3の目が出ると、5個の箱が2つできる
 小さいさいころで4の目が出ると、6個の箱が2つできる
●大きいさいころで3の目が出るとき
 小さいさいころで1の目が出ると、4個の箱が2つできる
 小さいさいころで2の目が出ると、5個の箱が2つできる
●大きいさいころで4の目が出るとき
 小さいさいころで1の目が出ると、5個の箱が2つできる
 小さいさいころで2の目が出ると、6個の箱が2つできる
●大きいさいころで5の目が出るとき
 小さいさいころで1の目が出ると、6個の箱が2つできる

 全部で12通りありますので、その確率は$${\dfrac{12}{36}=\bm{\dfrac{1}{3}}}$$

(1)①$${\bm{\dfrac{5}{36}}}$$ ②$${\bm{\dfrac{1}{9}}}$$ (2)$${\bm{\dfrac{1}{3}}}$$


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