酒を初めて飲んだのは高校2年の時である。
家族旅行でどこかに行った際、レモンサワーだかグレープフルーツサワーを風呂上がりにのんだ記憶がある。当時の自分にとっては禁断の味。とても美味しかった。
きっかけは、当時片思いだった人とのケータイメールのやりとりで、お酒を飲んだことが書かれていたから。
可愛いな当時の鈴木は。
高校3年にもなると、文化祭の打ち上げや卒業旅行で周りはガンガン吞んでいた。
通っていたのが埼玉の北部にあるど田舎の方の高校だったからかもしれんが、ビールを飲んでいる同級生を見て、よくこんな苦いのを飲めるなぁと感心した。

大学に入るとそれなりに吞むようになった。
しかし、ビールは苦くて飲めないので当初はサワーばかり吞んでいた。
安い学生向け居酒屋の生グレープフルーツサワーや生レモンサワーがやけに美味しかった記憶がある。
大学1年の時にあった親類との法事で、ついにビールを飲めるようになった。
それまでは発泡酒との違いでさえよくわかっていなかったのだが、呑めるようになると味の違いは明確だった。これにより、酒の幅が大きく広がった。
大学時代は吞まれることもそれ相応にあったと思う。
が、失敗と経験を重ねて、酒に対して向き合うようになる。
適量を覚え、楽しく酔うことを覚える。
お気に入りはアメ横の立ち飲み屋界隈。街全体が酔っ払い。
そこにいると、吞んでないときから、酔っ払っているような感覚にさえなる。

社会人の1年目~3年目では、週に3回ほど飲んでいた。
蔵前に住んでいたときは「行きつけの店」を作りたく、顔を覚えてもらったのだが常連と喧嘩をしてものすごく不愉快な気分になってからそれ以来行っていない。味と価格は良かっただけに残念である。
会社での吞み会では当時の上司が酒に強く、そのペースに巻き込まれ潰れることが増えた。「吞みにケーション」は普段からのコミュニケーションや信頼関係があるから楽しく飲めるのであって、皆無な状態やマイナスになっている状態で吞んでもお互いが不幸になると悟った。それまでは週に3回(金・土・日)に吞んでいたのだが、広島に行って毎日飲むようになる。

営業でのストレスが原因である。
仕事が終わって、会社のそばで1本買って飲みながら帰って、飲み終わったら途中のコンビニでまた1本買って歩きながら家帰ってとか。そんな危ない飲み方もしていた。
よくアル中にならなかったものだ。
ボトルキープを初めて入れたのも広島が最初である。角ハイボールで流し込む鉄板料理は至福の味である。
そして、その鉄板焼き屋での店長や、常連客とのコミュニケーションが自分のすさんだ心や仕事への癒やしとなっていった。
この空間が無ければ、鈴木は完全に壊れていたかもしれない。メンタル的に完全にやられていた。

広島から戻ると、新たに行きつけの店を作ることはなくなった。
というか、これ以上の店を見つけられなかった。
広島から最初に引っ越した先の浦安にて、24時間スーパーが近所にあったこともあり、つまみを作る、買ってきての家吞みの頻度も増えていった。
ここ最近のお気に入りは芋の水割り、ハイボール、ビールは糖質を気にして糖質オフの発泡酒に最近切り替えた。味は悪くない。
ビールと言えば、一時期キリンホームタップを利用していたときもあった。
工場直送のビールが月に2回(1リットル×4本)届けられ、専用のビールサーバーを利用して吞むのである。月額料金がビールサーバーのレンタル料も含めて7500円~(税抜き)
ビールの単価で考えると、350ミリで625円(税抜き)。大体3倍の値段である。
家の中で、美味しい生ビールが呑めるという貴重な体験が出来た。
普段使いには利用できないとなり、解約をしたがもう少し値段が安くなればまた利用したい。日本酒は、祖父や叔父としか吞まない。
叔父が日本酒が好きで、よく美味しいお酒を持ってきてくれるのである。
が、正直1万円超えると酒の味は同じに感じるのである。
モノには適正価格というものがあるのだ。

外で吞むときの今のスタンスは、気になった店があれば入って吞む。
当たりもあれば外れもある。これが非常に面白い。
ギャンブルはやらないからわからないが、入るまでのドキドキと緊張感。
ビールとお通しを食べたときに感じる「当たり」か「外れ」か。
美味しい店に当たったときの興奮は何物にも代えられない。

最近は、普通のチェーン店でも呑めるようになった。
一時期、チェーン店では吞みたくないような風潮が自分自身の中にあったけど、ある機会に「鳥貴族」に行って驚いた。安くてうまい。料金体系もわかりやすい。全国どの鳥貴族でも、同じ味が楽しめる。非常にいいことだなと思う。個人店にはないチェーン店の良さを改めて体感した。
職場の吞み会では5,000円~10,000円くらいになることが多いので、個人的に吞みに行くときは上限3,000円くらいを目標にしている。個人店でもチェーン店でも。
基本的にはふらりと立ち寄る一人酒。大体の店にはカウンターがあるので、そこで吞む。
家で吞むのとは異なり、酒場での独特の空気と喧噪が好きだったりする。

楽しい時間を過ごすためにも、今後とも酒とはうまく付き合いたいものである。

次回テーマ「嗜好と思考の変化」

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