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無観客スポーツ観戦の「投げ銭」はノイズになる

こんにちはTaiyoです。

プロスポーツにて無観客試合の開催が現実的に議論され始めていて、その収益化の手法に色々なアイデアが出始めています。

その中でオンラインでの「投げ銭」に注目が集まっています。

ただ私はスポーツにおける試合観戦への投げ銭には否定的です。

NewsPicksにて「未曾有のエンタメ危機をどう救うか?」と題して投げ銭を含むライブ配信のマネタイズについて興味深い議論がありました。全編視聴は有料枠ですがオススメです。

なぜ私がスポーツにおける試合観戦への投げ銭に否定的なのか、そもそも「投げ銭」とはコンテンツにどんな影響を与えるのか、そこを掘り下げてみます。

「投げ銭」とは

他の方のnoteにて、私がとても納得感があったものをご紹介します。

お二人のnoteを私の視点で要約すると

投げ銭とは、提供されたコンテンツに満足・応援したい気持ちを「投げ銭」として「後払い」するシステムである。

その趣旨からすると「投げ銭」への見返りは本来用意する必要は無いし、求めるべきでもない

ただし、現在オンラインライブ配信で流行している投げ銭は投げた側が配信者(コンテンツ提供者)に直接反応してもらう為の手段となっていて、投げた側は暗にその見返りを求める「課金」になっている

お二人とも、現在高収益を上げているオンライン投げ銭を否定しているものではなく、私もそれを否定するものではありません。立派なマネタイズ手法だと思います。

ただし、スポーツ観戦は提供されるコンテンツに大きな違いがあるので、投げ銭はスポーツ観戦における「ノイズ」になると考えています

スポーツ選手は観客を「見ていない」

今までのチケット販売モデルから無観客ライブをせざるを得ない興行として主だったものは、プロスポーツと音楽ライブ、舞台演劇などですね。

スポーツ観戦と、音楽・演劇の観劇で決定的に違うのは、選手や演者が「観客席に向いているか」です。それはそのコンテンツの本質的な部分を意味しています。

スポーツ観戦に導入しようと議論されている投げ銭モデルが、今のオンライン投げ銭モデルを前提にしているのなら前述の通り投げた側は暗にその見返りを求める「課金」です。

しかし、スポーツ観戦ではイラストの通り選手は観客の方を向いていません。これは単なる座席の在り方ではなく、スポーツ選手は「魅せるプレイ」は意識したとしても「魅せる」事を最優先にしてはいけないのです勝負こそが最優先です。それはもう目の前の対戦相手を見ていない事になり、本気の試合ではなくなり、結局観る価値のないコンテンツになってしまいます。つまり今の投げ銭システムは、選手同士のガチ試合を妨げるノイズになる可能性が高いのです

本筋からズレますので深堀りしませんが音楽・演劇でも同様で、投げ銭により特定の観客を特別視するようになれば同じように本質的なパフォーマンスのノイズになるはずです。その是非には言及しません。

試合以外のコンテンツにはドンドン投げ銭すべき!

投げ銭システムは悪だ!排除すべき!と言っている訳ではありません。

クラブ公式YouTubeチャンネルなどの「選手の生の声」でのライブ配信コンテンツの類はドンドン投げ銭狙うべきです。収益化は悪ではありません。

ファンにとっても自分の発言に憧れの選手が反応してくれるのは嬉しい体験であり、ちゃんと投げ銭に対する価値を提供していると言えます。

試合後に選手やコーチが忖度無しで試合解説してくれるライブ配信があれば私もドンドン投げちゃいます。

「岡田会計塾」はプロスポーツ選手の投げ銭成功モデル

これがスポーツ選手による投げ銭(課金)の成功モデルだ!と感じたコンテンツが最近ありました。

公認会計士Bリーガー、岡田優介選手による岡田優介会計塾オンラインです。

周到に準備されたコンテンツクオリティもさることながら、岡田選手は予定時間を延長して参加者からのチャット質問に丁寧に答えてくれていました。

そして、講義中に参加者を指名して発言させたりチャットの質問に回答する時に、岡田選手は必ず「〇〇さん」とその人の名前を呼んで回答していました

これ、セミナー登壇者が参加者との距離感を一気に縮めるテクニックなんですがオンライン投げ銭でも同じような事が行われてますよね。

おそらく岡田選手も過去のセミナーから経験的にその事を知っていて意図的に名前を呼んでいたと思うのですが、それこそ投げ銭(課金)システムに最も大事な演者と観客の「距離感」です

やっぱ公認会計士なのにバスケ上手な岡田先生はスゴいわ(笑)

いかがでしたでしょうか。マネタイズの手法はどんな可能性も否定せずトライしてみるべきとは思いますが、最大で唯一の商品である「試合」のクオリティを下げる(競技レベルと同義じゃないですよ)事だけは避けてほしいな、と。

私のこのnoteに満足したり応援したいと純粋に感じた方がいらっしゃったらどうぞ遠慮なく下にある【クリエイターをサポート】より「投げ銭」して下さい。ちなみに見返りはご用意しておりませぬ(笑)

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