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TRPG制作日記(292) アマテラスカードゲーム(ルールブック第五章)2

現在、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGのルールブック第五章を制作しています。

今日は、五章二節「アマテラスカードゲーム」の制作です。


ルールブック第五章『

アマテラスカードゲーム

 カードプレイヤーはアマテラスカードの妖怪を召喚することで、敵対者や他のカードプレイヤーが召喚した妖怪と戦うことができる。しかし、カードプレイヤー同士が妖怪で戦う場合には、妖怪を自由に召喚して戦うのではなくて、アマテラスカードゲームという正規戦を行うのが普通である。アマテラスカードゲームというのは、トレーディングカードゲームの一種であるターン制のデッキ構築型カードゲームである。カードプレイヤーは六枚のアマテラスカードをデッキに登録して、自分のターンに場に妖怪を召喚して相手カードプレイヤーに攻撃を加える。普通は五ゲーム制で、先に三回ゲームを制したカードプレイヤーが対戦に勝利する。アマテラスカードゲームには大会とランク戦を含む、主に勝利することでランクが変動する正規戦と、ランクには影響を与えないカードプレイヤー同士が自由に戦う自由対戦がある。また、アマテラスカードゲームは、神話世界の神々が遊戯により対立を解消したのと同じように、カードプレイヤー同士が互いに相容れない要求を設定して行われる対戦が存在する。要求を含む対戦は正規戦であり、勝敗の結果により敗者は必ず勝者の要求に応じなくてはならない。要求は事前に宣言する必要があり、後から宣言はできない。
 アマテラスカードゲームで賭けることが可能な要求には制限がある。生命と生活基盤、他人の財産、履行可能であるとは思えない要求、アマテラスカード自体を賭けの対象にすることはできない。また、対戦で要求を賭けることは契約の一種となる。そのため、互いの賭けの対象が等価値でなければ要求を賭けて対戦を行うことはできない。公平に見せかけた詐欺行為も同様で、結果が出た後で時間を遡り、同じような状況ならば再び同じような条件で対戦すると敗者が思うような契約内容でない限りは対戦結果は無効になる。相手が対戦を拒否できない状況、いわゆる強制による対戦で要求を賭けた場合には、自由意志が行使されていないと判断されて対戦の契約自体が無効になる。アマテラスワールドにおいては、互いの要求を賭けて対戦することは神聖な行為であり、自由と平等を満たしていなければ結果が祝福されることはない。賭けには品性が要求されて、非道な賭けは正規戦では許されていない。しかし、賭けの内容が公平であり、対戦が強制ではなく自由意志で決断されている場合には、アマテラスワールド自体が持つ機械処理により勝者の要求は必ず履行される。
 アマテラスカードが賭けの対象にできないということは、ただ対戦に負けて相手にカードを奪われる心配がないだけではなく、対戦中に他の妖怪に攻撃されることで、カードを破壊されたり召喚された妖怪が害されないことも意味している。アマテラスカードの妖怪達は神聖な存在であり、例え自分の妖怪であっても、もしカードプレイヤーがカードの妖怪を虐めているのが見つかれば非難されることは間違いないだろう。同時に、対戦自体が神聖な行為なので、カードプレイヤーは賭けもランク変動もない自由対戦であったとしても対戦を侮辱するような行為をしてはならない。アマテラスカードも、カードに封じられている妖怪も神聖な存在だが、珍しい存在ではない。アマテラスワールドでは誰もがアマテラスカードを保有しており、アマテラスカードゲームは原住民の子供達には誰もが知るありふれた遊戯である。しかし、誰もがアマテラスカードに封じられた妖怪を召喚できる訳ではなく、誰もが正規戦により要求を賭けることができる訳でもない。宇宙都市の高校生であれ人工知能であれ、妖怪を召喚したり、正規戦に参加したりできるのはカードプレイヤーとして正式に登録されたカードプレイヤーのみである。しかし、所有権は誰もが平等に保障されている。
 対戦でアマテラスカードの交換や奪取はできないが、例外として、七福神と管理者が主催する行事などでは、正規戦の報酬としてアマテラスカードをカードプレイヤーが手に入れることができる場合がある。また、対戦の賭けの対象としてではなければ、アマテラスカードを販売したり交換したり贈与したりすることが可能である。アマテラスカードの取り扱いとして禁止されているのは、所有権を持つカードプレイヤーの自由意志に基づかないカードの売買、交換、贈与であり、アマテラスカードゲームで交わされる契約の強制力によるカードの奪取である。実際、アマテラスカードを家族や友人に贈与したり、店に売却したり、店で購入することはアマテラスワールドでは禁じられていない。アマテラスカードはトレーディングカード(交換札)であり、交換自体は可能である。しかし、破棄には制限が定められていて、原則としてアマテラスカードは店に販売することが好ましい手放し方であるとされている。そもそも、カードは捨てても戻ってくるので森や川に破棄することはできない。

』ルールブック第五章


今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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