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暇は贅沢

最近自分の思考を観察していると、気づいたことがありました。
それは

隙間が空くと、思考が話し始める

ということ。

本来であれば、暇というのは贅沢な時間であっても良いのです。
暇があることを罪悪のように感じる必要はありません。
暇をただ堪能し、くつろいでいれば良いのです。
のんびり優雅にできることを、ありがたく感じていれば良いのです。

しかし、僕は大人になっていく過程で、ダラダラしていると怒られるという経験をしました。
これをお読みになられている人の中にも同じような経験をされた方も多いのではないかと思います。
「頑張って働いてこそ、立派な人間」という不思議な観念を、みんなが採用していたような気がします。
「時は金なり」でしたからね。
だからそれが自分の普通になり、世の中の普通になり、「忙しい=良いこと」みたいな設定の基に時を過ごしていたように思います。

しかし意識や思考を観察していると、「暇はいけないこと」というような価値観や概念は、ただ自分が採用していただけだということがわかってきます。
子供の頃に、親や身の回りの大人にそういったことを言われているものだから、気づかないうちにそれを自分のものにしている場合がほとんどです。
でもこの世の中に、全ての人に共通する常識や普通など何1つありません。

ドローイング#28

ここのところ、僕はアーティストとしての活動はいろいろとしているのですが、かなりゆったりとした時間の中で過ごすことができています。
だからふとした時に、
「あのときああしておけばよかった」
「あのときのあれがああだったら」
「もっとあれをやれ、これをやれ」
などと思考が話し掛けてきます。
随分その声も小さくなっていっていますが。

以前であれば、そういった思考の声に耳を傾け過ぎて、後悔や焦りの中で1人で苦しみを味わっていたかもしれません。
しかし、思考の声はただの思考の癖であると知った状態でそういった声が聞こえてきても、「頭がまた気にしてもらいたいんだな」という理解で、聞き流せてしまいます。
過去それが起こったのなら、それがそのとき起こっただけであり、それがその時の正解なのです。

暇を感じると思考が話しかけてくる、というのは僕はまんざら嘘でもないと思います。
なぜなら何かに夢中になっている時は、思考は話しかけて来ませんから。
そういうときには思考はゆっくりお休みされているんですね。
無我の状態。

だから暇を堪能したいときには、僕は行動よりも感覚に焦点を合わせます。
ダラダラしているときの緩まりを感じてみるのです。
感覚は思考よりも強力なため、そこに焦点を当てていると思考の声は聞こえなくなります。
感覚にサレンダーすると言ってもいいかもしれません。
瞑想するときは、よく呼吸を意識することを薦められますが、それもまさに感覚に焦点を当てることだと思います。
呼吸に集中することで、体も緩まり、思考も休まってくるんですね。

ドローイング#14

僕のnoteの記事も、責務では書かないようにしています。
だいたい週1ペースくらいで出したいとは思っていますが、無理せず、気が向いた時にだけ手を付けたいと思っています。
その方が僕が伝えたい感覚が伝わると思いますから。
頑張りや辛さを伝えたいわけではありませんからね。

僕は特に去年からは、タガが外れたように、あらゆるアートに着手してみています。
そして生み出す量も倍の倍くらいになっています。
以前の僕なら、どこにそんな時間もエネルギーもあるのかと不思議に思うくらい。
正直な話、やる気が起こらない時には何の行動もしていません。
だいたい毎日昼寝をしていますし。

責務で動いている時には、「やりたくないのに、やらなきゃ」に意識が向いています。
つまりそこに時間もエネルギーも注ぐことになるのです。
時間はなるべく自分が素敵だと感じることに費やしたいですよね。
また、責務によって動いた時の成果は芳しいものであることはあまりありません。

しかしピンと来たときに行動すると、なぜか時短でかつ想像を超えるものができたりします。
僕はそちらの方がやっていて面白いので、それを徹底してやっています。
不満なまま行動するより、ルンルン気分でやっている時の方が、全てのパズルのピースがきれいにハマる感覚があって気持ち良いです。
自分で実験を繰り返して出た自分なりのアンサーです。

ドローイング#30

もし、少し時間が空いた時や、料理している時、シャワーを浴びたり、電車に乗っている時、思考の声を聞きがちな方は、ゆったり気分に集中してみるのはお薦めです。
過去に僕は料理をしながら、つらつらとあれやこれやを考えるパターンがありました。
それを、料理できるありがたさや、料理していることにくつろぐようにしていると、良い気分で時を過ごしていただけなのに、不思議といつの間にか料理ができてしまいます。
感覚を大切にすることは、人生の限りある時間を大切にすることでもあるような気がします。
「あいつはああ思っているに違いない、ムカつく」とか「今こうなってないから人生終わり」など、思考の創り出すドラマに夢中になりたい方もいるかもしれませんが(笑)
それはそれで貴重な時の過ごし方でしょう。

自分の意識に目を向け始めて、僕はとても創作活動が拡大し、生きること自体にも清々しさを見出せるようになりました。
そういった経緯もあり、ここでの僕の発信は特にクリエイターに向けたものです。
しかし、そのような活動をなされていない方も取り入れられる要素はあるはずですので、使えそうだなと思ったものはぜひ使ってみてください。
役割はみんな違えど、みんな人ですからね。
みなさまの実験結果のご報告をお待ちしています(笑)

今回もまた皆さまにここでお逢いできてうれしく思います。
また次回お目にかかれることを楽しみにしています。

太陽

追記
毎日昼寝しているというのは本当です。

岡本太陽ウェブサイト
OpenSeaでは日々のドローイングを展示販売しています。

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