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お客さんと築きたい関係性を考え抜いた結果、クラウドファンディングをやることにしました。

僕たちhaccoba(ハッコウバ)は、東日本大震災による避難で人口が一時ゼロになったまち「南相馬市小高区」に、2021年2月頃あたらしく酒蔵兼バーをつくります。それにあたり、Makuakeでクラウドファンディングを実施することにしました。
▼Makuakeプロジェクトページ(9月15日14:00頃公開予定)
https://www.makuake.com/project/haccoba/

もちろん「資金がカツカツだから応援して頂きたい」という切実な思いもありますが、どちらかというと僕たちがお客さんと築きたい関係性を考え抜いた結果行き着いたものなので、その思考の流れを素直に記しておきます。

日本酒には、宗教的関係のブランドしか存在しない

僕は学生時代、飲み手として日本酒を好きになってから、自然な感情としてお酒の「つくり手」のことをもっと深く知りたくなることがありました。

でも、日本酒は伝統産業で、それゆえに「酒蔵」や「お酒をつくる職人さん」をどこか遠い存在に感じていて、つくり手さんについて深く知ることのハードルが高いなーと思っていました。

半年ほど前に、僕が好きなブランドである「スマイルズ」の野崎さんの本を読んだとき、その構造を自分なりに理解することができました。

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この図は「ブランドとお客さんの関係性」を表していて、
・縦軸は、上下/ 並列の関係を示します
・横軸は、論理的/ 情緒的関係を示します
※本から図を引用させていただき、ブランドの部分はアレンジしました。

例えば Apple とかがわかりやすく宗教的関係のブランド。論理的判断というより、情緒的な「憧れ」に基づいて購買することが多い(自分もそう)。

この図に日本酒の酒蔵を当てはめていくと、おそらくほとんどの酒蔵さんが、「宗教的関係」(もしくは「規範的関係」)を志向しているのではないか、ということに気がつきました。伝統産業なので、ある意味当たり前かもしれません。
※僕が勝手に業界のトップランナーと認識している酒蔵さんを独断と偏見で当てはめております。

「haccoba」というブランドは共感的関係を築きたい

ものづくりをする者として、僕たちも最初は「宗教的関係」を目指したいと無意識に考えていました。やっぱり「憧れのブランド」になりたくて。

でも、ふと自分の原点に立ち返ったとき、むしろ新規参入するのであれば「共感的関係」の酒蔵をつくることにこそ意味があるのではないかと考えるようになりました。それに、つくり手である僕と立川は業界的に見れば "20代のひよっこ" なので、そもそも背伸びして「カッコつける」のではなく、あくまでも等身大でいきたいなと。

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・友だちがお酒をつくっているかのような親近感がある
・たまーに攻めすぎた味のお酒もつくっちゃうけど、それすらも愛おしい
・危うさもあるけど、その不完全性ゆえに「一緒に育てたくなる」アイドルのような存在

そんな酒蔵こそが、自分が求めていた存在で、だからこそ潜在的に求めているお客さんもいるのではないか、と勝手に思い込みました!笑

ただ、僕らとして「ものづくり」に妥協をするつもりは全くないし、阿部酒造の修行で一番の学びである「 "圧倒的にうまい酒をつくる" というプロフェッショナリズム」は常に心に秘めています。
中途半端なものづくりをしてしまったときの言い訳をしたいわけではなく、単純に自分がお客さんとして「こんな酒蔵あったらいいな」を形にしたかったのです。

クラウドファンディングのリターンに込めた体験設計

「ゼロからみんなで育てる酒蔵をつくりたい」 — いつからか、それが僕の口癖になっていました。

であれば、「酒蔵を立ち上げる前から成長を楽しめるような仕組みにしたいよね」となり、知り合い限定のFacebookグループやクラウドファンディングを実施することを決めていきました。

【一緒にブランドを育てる体験設計①】投票によるメインプロダクト決め
今回メインのリターンは、最初につくる「試験醸造酒」をお届けすることです。ただ、それを普通に飲んでいただくだけだと面白くないなーと思い、2種類お届けして、お好きな味の方に投票していただく。人気だった方を改良しながら僕たちのメインプロダクトしていけば楽しいのではないか、と考えました。

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【一緒にブランドを育てる体験設計②】成長を見守る!haccobaメンバーズ
もう一つ考えたことが、酒蔵が成長している "時間" をともにする体験をつくれないか、ということ。そんな発想から、最初の試験醸造から半年後の成長も楽しむことができる「haccobaメンバーズ(見守っていただく会員制度)」のリターンもつくりました。

さらに、「haccobaメンバーズ」ではクローズドなグループをつくって、レシピ開発(副原料選定)を一緒に行ったり、パッケージデザインを相談したり、リアルにブランドを一緒につくっていく仲間になってもらえるようにしました。
※楽しい仕組みにできるか、少し不安な実験的取り組みです。

資金の使途を公開します

クラウドファンディングを実施するので、応援いただく資金の使途も明らかにしておきます。

▼資金の使途
・店舗デザイン・施工費:1400万円
・設備費(醸造用+飲食用):900万円
・運転資金:300万円

概算ではありますが、上記資金を自己資金、借入、補助金、クラウドファンディングを駆使してなんとか集める、という感じです…!

haccoba スケッチ外観20200821

↑酒蔵のデザインスケッチ(©︎Puddle Inc.)

酒蔵を一緒に育てる仲間になってください!

長くなりましたが、僕たちの思いに少しでも共感いただけそうであれば、一緒に酒蔵を育てる仲間として、応援いただけると嬉しいです!
これからの成長で恩返しできるよう、死ぬ気で頑張ります。

▼Makuakeプロジェクトページ再掲
https://www.makuake.com/project/haccoba/

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