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退職の意思を告げたその日から書く(はずだった)note

すっかり忘れていたのですが、今日、12月9日。
私事ながら、退職を決意してちょうど半年が経ちました。
決意した日から書き始めてそのままになっていた下書きがあったことを思い出したので、これを機に引っ張り出してみることにします。

以下の3日分は、それぞれの日に書いた"日記"。
最後だけ、今日になって書き加えたものです。
こっ恥ずかしく生々しい表現もあるけれど、あえてそのまま残します。
誰かの参考や、後押しになれば幸いです。

<参考までに、とても簡単な自己紹介>
東京の大企業に新卒入社し、システムエンジニアとして5年半勤めました。
入社1年目で「この仕事は合わない」と思いながらも、異動を経て、最後のチームでは3年間社内SEとして従事。
システムの拡張とともにチームは増員され、古株になりつつあったころの話です。
いわゆるブラックな側面はなく、個人的な「やりがい」を除けばとてもいい環境だったと思います。

ちなみに、退職直後に書いた記事は以下。
こんな時代だけど、退職しました。
https://note.com/taisuke_ozaki/n/n0412ddc96028

2020年6月9日

半期ごとにやってくる上司との面談。今回はビデオ通話形式。
冒頭、僕は少し明るめに切り出した。
「今期の目標を立てるにあたり、お伝えしておきたいことがあるんですけど」
上司は「今期はこういうことをやりたい!」を期待していたんだと思う。
「9月末で、退職させてください」
まさか「辞めたい」なんて、しゃべっていて自分でもびっくりだ。
「タイミングを考え直すべきじゃないかと思うよ。」
上司の真っ当なアドバイスを振り切って、ここでの仕事は、9月までと決まった。
これでいいという根拠なき確信がある。
いまこそだ。いまだからこそ、なんだ。

2020年6月10日

昨日まで毎朝のように感じていた「しんどさ」が、きれいに消えていることに気づいた。ここでもう頑張らなくていい。認められようとしなくていい。心が軽かった。
どう見られているか?自分がほんとに必要なことは何か?
いらないものを削ぎ落としたら、本当に楽になった。

2020年7月3日

部署内で退職が周知され、正式に引継ぎが始まった。残り2ヶ月。
今日は、正式な退職手続きも始める。
これからは、引継ぎが主たる業務になるはずだ。
いる間に終わらせるべきもの、引き継ぐべきもの……引継表も一筋縄では行かない予感。
やはりどこかで誰かに、負担やストレスをかけることになるだろうけれど、そんなことを憂いていても仕方ない。
今やれることは、立つ鳥跡を濁さず、残すべき情報を残し、整理すべきものを整理して渡すことだ。
せめてもの恩返しのつもりで、着実にやっていこう。
荷降ろすことで見えてくる、5年半の”戦果”もあるはずだ。

――あらかじめ書いていた文章は、ここまで。

2020年12月9日

結局、予定通り9月末に退職。2ヶ月ほど経ち、こうして振り返っている。
引き継ぎを僕が塩漬けしたり、牛歩のように進めたりしたせいで、最終出社日まで慌ただしかった。
引き継ぎに3ヶ月の期間を取ったが、終わる仕事へのモチベーションを保ち続けるのは、なかなかに難しかった。
同僚、特に僕より後に加わったメンバーには申し訳なかったと思う。
時勢のせいもあり、多くの方とは顔を合わせることなく、新卒から5年半勤めた会社を去った。

しかし今振り返ると、半年前までの自分は、もはや”病んでいた”。
在宅勤務という環境の変化、自分の年齢とキャリア、チームが大きくなる中での立場や仕事の進め方……とにかくいろんなことを考えては、悩みまくっていた。

あの時、切り出しておいてよかったと思う。今日の時点で、強く実感している。
面談の日に言えていなかったら、そこからさらに数ヶ月は悶々としていただろう。身が持たなかったんじゃないだろうか。
それから、退職を決めたのはもちろん自分だが、友人の後押しや同僚のお力添えがあってこそ、なんとかなった。
ありがとうございました。

結局、あの会社での「5年半の"戦果"」とはなんだったのか。
その答えはまだ出ていない。もう少しかかりそうな気がする。

とにかく今は、ひたすら着実に歩を進めるしかない。
今はフリーランスとして少しずつ仕事を再開している。
「書く仕事」が主だ。プログラムコードではなく、文章や脚本を書いている。
まだ貯金を切り崩すばかりで、ほとんど無職みたいなものだけれど。
答えはきっと、そのうちに出てくるだろう。

6月に考えたような「根拠なき確信」は、もうない。
でも、なんとかできそうな自信なら、少しだけ。

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