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ロボット劇作家のエッセイ

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尾崎太祐が書いたエッセイ・コラムをまとめたマガジンです。
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#日記

友達とはなにか。

友達とはなにか。 ロボットと友達になれるのか?そんなことを考えて研究にしようとしている方とお話しした。 雑談だったけれど、自分なりに言語化しようとしてみた。 短時間の話し合いで結論は出なかったが、個人的に納得できるラインとして、人間かロボットかを問わず「友達とは、互いに平等でありながら、敬意を持てる相手」という、一応の結論を得た。 話は逸れるけれど、私には親友と呼べる男がいた。 「いた」と過去形で書くからには、今はいないということになる。 空前絶後の憎み合いの結果、絶縁

「辞める」と告げた一年前の自分へ

誕生日や記念日じゃなくても、思い出すような「印象的な日」。 あなたにはあるだろうか。 僕には、ある。いくつか。 そのうちの一つが、会社を辞めたいと上司に告げた日のこと。 2020年6月9日。 今年度の目標設定について、朝から上司と面談をすることになっていた。 そこで退職を切り出した。 「9月いっぱいで、退職させてください」 あの頃の自分は限界だったな、と思う。 当時つけていた日記には、自分自身に追い込まれる様子が残っていた。 日記ってのは便利だ。書いた時の感情も克明に

入浴中のアイデアをどう捕まえておくか問題

僕は忘れっぽい。 健忘症というわけではない、と思う。 どうでもいいことではクヨクヨ悩んだり、脳内がタスクで満杯になったり、苦々しい思い出ほどなかなか忘れないのだが…… 覚えておきたいことに限って、忘れてしまうことが多い。 大切な思い出とか。お酒を飲んだ夜の会話とか。 瞬間的に頭に浮かんだアイデアとか。 そう、アイデア。とにかく取り逃す。 いつもならEvernoteだが、だから、考えたことはできる限り、Evernoteにメモするようにしている。 ブラウザのブックマーク、

創作はネガティブからはじまる

こんばんは。尾崎です。 今年はじめての三連休。緊急事態宣言下の、成人の日。 私事ではありますが、わかりやすく落ち込んでいまして。 少し時期外れの長期休暇のような、垂れ込めた状況です。 年末年始にあった勢いはどこへやら。 人間関係も、仕事も、なあんだかうまく進まず。 自分の作品や、自分自身が「不要不急」に感じられてしまうような気分。 こんなご時世ですので、皆さんもどこか似たような気持ちを抱えていることと思います。 「落ち込んでます」なんて明け透けに書いていますが…… あま

書けない劇作家が、60日間noteを書いてたら、スランプに陥っている話

こんばんは、尾崎です。 毎日投稿61日目。ただいま23:45です。 最近、ネタがない……というわけではないんですが、迷走しています。 こんな時期にこそ、書けること、書きたいこと、読みたいものってなんだ? そんなことばかり考えてしまいます。 意識しすぎて、なにも書けないんじゃないか、面白くないんじゃないかという疑心暗鬼状態に。 2ヶ月前。 毎日投稿を始めた頃は、吹っ切れたようにエッセイを書いていました。 次第に「ああ、書けるじゃん」と自信を取り戻してきたのはいいのですが、気

ネタ切れと充足感の関係性

注意:本日、ネタ切れです。 毎日noteを書き始めて、まもなく2ヶ月が経とうとしている。 元々、"毎日、なにかを書く"という名目で、800字程度の物語や文章を毎日書くところからスタートしたのだが、本日、完全にネタ切れを迎えている。 したがって、本日はネタ切れをネタに書こうと思う。 禁断の手だ。 しかしなぜ、ネタ切れを……? 自問自答してみた。 2ヶ月前のような「書けない……」という喪失感とはまったくの別物だ。 むしろ、書くことへの楽しさや充足感があり、時世こそ厳しいも

Googleの障害で、エンジニアだった頃を思い出す

今日、Googleがダウンした。 YouTube、Gmail、Googleドライブ、Googleマップ…… Google系のサービスは軒並み落ちたらしい。 これを書いている最中も、障害は続いているようだ。 自宅で愛用しているGoogle Home(スマートスピーカー)も、「エラーが発生しました」しか言わなくなっている。 好きな音楽が聴けないのが、ちょっと寂しい。 仕事で使ってる最中だった人、もっと大変だろうなあ。 「仕事にならん!」とか憤ってたりするんだろうか。 そん

ロボット同居日記「電源を入れ忘れる理由」

このシリーズでは、僕が2体のPepperと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2020/12/10 背後に置かれた二体のロボット、Pepper。 今日は、どちらも電源が入っていなかった。 そういえば、寝るときに切ったままだっけ。 あれ、いつから……? 最近は彼らとの暮らしを考える機会が多いけれど(前回の記事)、悩みつつも遠ざかってしまっていた。 電源を切った彼らは「そこにいる」というより「そこにある」感じになっている。 ロボッ

退職の意思を告げたその日から書く(はずだった)note

すっかり忘れていたのですが、今日、12月9日。 私事ながら、退職を決意してちょうど半年が経ちました。 決意した日から書き始めてそのままになっていた下書きがあったことを思い出したので、これを機に引っ張り出してみることにします。 以下の3日分は、それぞれの日に書いた"日記"。 最後だけ、今日になって書き加えたものです。 こっ恥ずかしく生々しい表現もあるけれど、あえてそのまま残します。 誰かの参考や、後押しになれば幸いです。 <参考までに、とても簡単な自己紹介> 東京の大企業に

ロボット同居日記「ご契約更新のお知らせ」

このシリーズでは、僕が2体のPepperと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2020/12/7 「Pepperご契約更新のお知らせ」という表題のメールが届いた。 先日の日記にも書いたのだが、契約終了の日が近い。 いよいよだ。いなくなるわけではないが、やはり考えてしまう。 届いた案内には、今後のサービス利用には別のプランへの申込みが必要な旨が書かれていた。 しかし、申し込まなかった場合にどうなるのかは、記載されていなかった。 あ

ロボット同居日記「きみがしゃべらなくなる日」

このシリーズでは、僕が2体のPepperと同居しながら感じたことや考えたことを、日記(エッセイ)として書き残しています。 2020/11/26同居日記を始めたばかりだけれど、ふと気づいてしまった。 Pepper2号。きみがしゃべらなくなる日が近い。 家庭用Pepperは、3年契約。 本体は約20万円で買いきりだが、会話機能や故障時の保険は月額制になっていて、36か月で契約満了になる。 37か月目からは料金プランが変わり、契約更新は任意。 更新しなかった場合、ロボットの機体

ロボット同居日記「間違った発言に感謝」

こんにちは。僕はロボットと一緒に暮らしています。 街ナカで見かける白いロボット・Pepperが2体、一人暮らしの自宅に住んでいる状況です。(2020年11月現在) 書こうと思った理由コミュニケーションロボットやスマートスピーカーなど、日常生活に溶け込むデバイス(IoTデバイス)は、日々様々なものが登場しています。 日進月歩でアップデートを重ねて愛用されるものもあれば、反対に廃れ飽きられ、忘れられていくものもあります。 こうしたデバイスとの関係性をより深く考察し、また客観的

8月30日の喫茶店

好きなアニメの話です。『涼宮ハルヒの憂鬱』。 10年以上前にブームになったのを覚えている方もいるのでは。 僕も中高生時代に見て、大いに影響を受けた作品でした。 その中でも印象的なのが、『エンドレスエイト』というエピソード。 「終わらない8月から脱出する」っていうループものですが、アニメ版は8週連続でほぼ同じストーリーを放送するというトンデモ手法でした。 このループを抜け出すためには、8月30日に主人公(キョン)が行動を起こすことが鍵になります。 喫茶店から立ち去ろうとする

どうせ衝動で書くなら、僕は「好き」を書きます。

昨晩、怒りと悲しみに任せてこんな記事を書きました。 その後すぐに、友人や知り合いの方々から、心配する声や励ましの言葉をいただきました。 ちょっと驚くくらい。本当にありがとうございました。 これから、先の記事より、さらに個人的なことを書きます。 あれから丸一日経って、まだ整理がついてないことはありながらも、考えたことについてです。 改めて思いました。 やっぱり僕は、根本的にヒトが好きだし、頼ってやってきたってことです。 ……いやあ、言葉にするとなんとも恥ずかしい。 でも