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「成長できる」に惹かれる若者たちよ。その意味を分かっているか。

挨拶

こんにちは、採用コピーライターのオヤマダです。
仕事に意欲的な若い人材を集める魅力ワードとして「成長できる」というものがあります。SEO的な使われ方をされているワードのため、本当に成長できるかできないかは関係なく、求人広告や採用ホームページに使われている状態ではないでしょうか。しかし、人と企業の橋渡しとなる仕事を20年近くやってきたおじさんとしては、若者たちに言いたい。

安易に「成長」に惹かれるな、と。

今回は、なんとなくカッコイイ言葉「成長」について、仕事探しをしている若者に向けてちょっとお話をしてみます。

「成長」とは何なのか

辞書で調べてみると、「人や動植物が育って大きくなること。能力的にこれまでできなかったことができるようになること」という意味らしいです。なるほど、納得できる答えが辞書には載っているものですね。

で、

「成長したい!」と思っている若人たちに僕は問いたいことが一つあるのです。上記にある「これまでできなかったことができるようになる」というところが「成長」に惹かれるポイントだと思うのですが、あなたは「何ができるようになりたいのか」、その答えを自分で持っていますか。

もし、答えを持っていないとしたら、これから大きな損をする可能性が高いです。

そして、もう一つ大切なことを教えておきます。

求人広告や採用ホームページに「成長できる環境があります!」と書かれていても、会社があなたにしてくれるのは、自分の会社のために効率よく働けるようにする「成長」でしかありません。

だって、義務教育の学校じゃありませんから、あなた自身のために、時間とお金をかけて教育をするわけがない。自分の会社の利益のために、都合よく働けるように訓練するのが、会社がいう「成長」であるということを知っておいたほうが良いと思います。

「仕事に就く」とは何なのか

いろいろな意見があると思いますが、僕は「部活に入る」と同じように考えていいかなと思います。

どういうことか。自分が興味がない部活には入らないですよね。興味がある部に入部して、興味がある活動をする。運動系なら筋トレをして練習をして大会でいい成績を出すことを目指す。文科系なら勉強したり練習をして発表会で成果を出すことを目指す。「仕事に就く」も部活選びとかなり似ている話です。

ここで大切なのは、部活選びの場合、「自分はどうなりたい」というイメージが入部する前から明確であるという点です。ところが、仕事の場合、「自分はどうなりたい」というイメージが明確じゃない場合が多い。成長と聞いて、何ができるようになりたいのか?という質問をさっきしました。

答えがすぐに出なかった人は、「自分はどうなりたい」というイメージも本当はよく分かっていないんじゃないでしょうか。

でもね。イメージを持っている人のほうが珍しいと思うんですよ。多くの人がそんなイメージを持っていないと思います。偉そうなことを書いている僕も、そうでした。

ただ、考えなくていいことではないと思います。

なぜなら、就職するということは、会社の利益のために都合よく働けるよう訓練されることであり、会社のために強制的に成長させられることでもあるわけです。

最初は、会社が敷いてくれたレールに乗って、訓練を受けてみてもいい。それで身につく知識・スキル・経験はありますから。でも、身についた知識・スキル・経験が本当に自分が欲しかったものなのかは、定期的に考えてみたほうがいいと思います。

でないと、自分の意志ではなく、誰かの意志で誰かの都合のいいようにカスタマイズされた人生を送ることになるからです。先に書いた大きな損をするとは、こういうことです。

受身の「成長」は誰かに利用される

「成長」には「自分はこうなりたい」というイメージと意志が必要です。水泳用の肉体改造をしたいと思ったら水泳部に入るものじゃないですか。サッカー部には入らないですよね。水泳部もサッカー部も筋トレや練習を行ないますが、サッカー部の練習メニューでは水泳向けの肉体改造は出来ないわけです。

このように、「自分はこうなりたい」というイメージと意志を持てると、自分が何をやらなければならないかが見えてきます。

それは、転職かもしれませんし、社内異動かもしれません。イメージと意志がないと、大きな流れに流されていくことになり、時間が経つにつれて、自分の力で人生を切り拓けなくなってしまいます。

つまり、何が言いたいかというと、なんとなく「成長」という言葉に惹かれているばかりだと、誰かに利用されるだけの人生になりかねないということです。でも、誰かに利用された上での成長が、自分の「こうなりたい」という道になることもあります。

やってみないと分からないことがある。そして、自分に問いかけてみないと見えてこない答えもある。おじさんはそう思うわけです。

さいごに

いろいろ長々と語ってきたわけですが。

「働く」って、よほどの大富豪か地主さんでもなければ、誰もがやらなければならないことであり、1日8時間、1日の1/3の時間をそれに費やしていくわけです。だったら、嫌な仕事をイヤイヤやるよりは、自分で決めたことや性に合っていることをやったほうが、心の健康にいいし、自分を助ける武器にもなるのではないでしょうか。

この記事が、若者の「働く」や「成長」を考えるキッカケにちょっとでもなってくれたら幸いです(笑)

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