部下をやりこめる上司 VS 部下を推せる上司
こんにちは、採用コピーライターのたいすくです。
「メンバーの出来が悪くて、腹が立ってしょうがない!」という相談をよく受けます。何度も同じミスをくり返し、フォローのために自分の時間を奪っていく。そんなメンバーのことを「あの野郎…!」と思っていたことが、若い頃の私にもありました(反省)。
ただ、私の経験を踏まえて言わせていただくと、
部下が何度も同じミスをくり返し、フォローしなくてはいけないのは、上司のマネジメントに問題がある場合が9割です。
今回は、若いリーダーがメンバーのパフォーマンスを最大限引き出すために何をすればいいかというお話をします。メンバーの扱いに困っている方の参考になれば幸いです。
ミスには必ず理由があると思っていないか
「ミスは本人の気が緩んでいるから、プロ意識が欠けているから発生する」と思ってはいないでしょうか。激詰めして、本人に考えさせて原因を特定し、本人に意識させればミスはなくなる、と思ってはいないでしょうか。
その対応で無くなるミスもあります。
しかし、無くならないミスもあるでしょう。それを「また本人の気が緩んでいるから」「プロ意識が欠けているから」と考えるのは暴論です。ミスには必ず理由があるというのは間違っています。理由がないミスもこの世の中には存在するからです。
本人にも原因が分かっていないミスに対して、プレッシャーをかけて、無理やり原因を言わせて意識させても、そのミスはなくなりません。なぜなら、本人は因果関係を自覚しておらず(納得していない)、その場を逃れるためにとりあえず話した内容だからです。
本人はこれまで以上に「ミスしないように!」と考えて業務にのぞみますが、ミスをしないように意識することで、逆にミスを誘発させてしまう。そしてまた上司の激詰めにあい、本人もどうすればいいか分からないと悩んでいることってあるのです。
このような時、リーダーはどうすればいいのでしょうか。
リーダーは誰よりもメンバーの味方であるべき
ミスばかりしてフォローのために自分の時間を奪っていくメンバーのことを「腹が立つ存在」「ムカつく存在」と思っているなら、あなたはリーダー失格です。
なぜなら、リーダーは「誰よりもメンバーの味方」であるべきだから。無条件で味方であるべきと言っても過言ではありません。
リーダーの役割は、「事業活動で成果を出すこと」です。そのためには、チームメンバーのパフォーマンスを引き出さなくてはなりません。成長を促す必要もあります。ストレスがかかる行為を求めます。それでも部下に付いてきてもらうためには「尊敬」と「信頼」が必要です。
尊敬もしていないし、信頼もしていない上司に、人は会社にいる以上、形式的に従いますが、本心では従わず距離を置くもの。反対に、尊敬と信頼がある上司には心から付いてきてくれるものです。では、尊敬と信頼はどうやってメンバーの心の中に生まれるのか。
「誰よりもメンバーの味方」として上司が自分のためにやってくれたことの感謝が、尊敬と信頼を作っていくと私は考えています。
「このようなメンバーへの働きかけは必要ない。一人前のプロならば、無条件に自分のやるべきことを遂行すべき。甘やかすべきではない」という考えの人もいます。私の周りにもいました。しかし、このような人たちは実際メンバーに多くの退職者を出していましたし、信頼もされていなかったので、私は自分の考えが正しいと思っています。
メンバーのことをどこまで知っているか
リーダーが「誰よりもメンバーの味方」になるために、最初にやらなければならないことは、「メンバーのことを知ること」です。
正確には、メンバーの価値観を知る必要があります。
なぜ、価値観を知る必要があるのでしようか。
人間という生き物は、自分の中に「これは世の中的には常識だろう」と思っていることが沢山あります。しかし、その多くは他の人と認識がズレています。例えば、「プロフエッショナルとは?」という質問。誰もが同じ答えにはならないはずです。同様に、「仕事とは?」「成長とは?」「キャリアとは?」といった質問も、それぞれ違う答えが出てくるでしょう。
なぜか。
それは価値観が人それぞれ違うからです。価値観とは、その人のこれまでの人生の経験で培われていくもの。裕福な家庭に生まれ、お金に一度も困ったことがない人の「仕事とは?」と、貧しい家に生まれて、人生の大半を飢えと劣等感にまみれて生きてきた人の「仕事とは?」が、同じ答えになるはずがないのです。
だからこそ、
メンバーの価値観を知る必要があります。そしてそれは、自分としては「幼い」「拙い」「浅い」と思うような答えだったとしてもいいのです。否定する必要も、矯正する必要もありません。現時点でのメンバーの価値観はそれなのですから。メンバーの価値観を受け入れることが大切なのです。
人間は、自分の価値観で物事を見て判断してしまう生き物です。リーダーから見てメンバーの言動が「ふざけている」「真面目にやっていない」ように見えていたことも、メンバーの価値観を知ることで、まったく別の見え方になることも。
「メンバーのことを知る」とは、そういうことです。
人は自分を認めてくれる人のことを嫌いになれない
リーダーの役割である「事業活動で成果を出す」ためには、メンバーにやる気を出させる必要があります。そのためには、目の前の仕事をメンバーにとって「他人事」ではなく「自分事」にしなければなりません。
これを「動機付け」といいます。
そして、動機付けを行なうにはメンバーの価値観の把握がポイントとなります。なぜなら、価値観を把握するということは、メンバーに何を言えばヒットするかが分かることでもあるからです。そして、できたこと・前進したことは言葉に出して褒めるべきです。メンバー自身に自分が出来ていることを自覚させること、何が欠点で何をすれば克服できるかを示すこと。それが、メンバーを仕事に対して前向きにさせ、自信をつけさせます。すると、原因のないミスもなくなります。
マネジメントの極意は、職場での自己肯定感です。
人は、自分のことを分かってくれる人・認めてくれる人のことを嫌いになれません。「誰よりもメンバーの味方になる」ということは、メンバーに媚びることではなく、職場でのメンバーの自己肯定感を高めて、職場での居場所を作り、成果を出すために必要なプロセスだと私は考えています。
部下に憎しみを覚え、「敵」認定してしまうことは、マネジメントを放棄していることと同じです。
部下をやりこめる上司
指導と称して、部下をやり込めることを楽しんでいるリーダーがいました。ストレス発散のために自分の立場を利用した、ただのパワハラです。そのリーダーはメンバーにダメ出しはするけど、褒めることは一切しないことでも有名でした。
要望度が高かったから?いいえ、違います。ダメ出しをしていれば、自分が優位な立場にいられるからという理由でした。
自分に自信のない人間は、他人を認められません。他人を認められる人間は、他人からも認められる人間になれます。
リーダーがメンバーを成長させるためにも、リーダー自身のためにも、自己肯定感というのは、結構大切なことなのだと思います。
参考文献
仕事における自己肯定感を高めるための本はいろいろ出ていますが、こちらの本は、今の職場で上手くやる方法だけでなく、どんな職場が自分には向いているのかを知る方法も書かれているところが特長です。「〇〇するべき」という内容の多いリーダー本よりも、マネジメントの上でメンバーの個性を上手く活用していくヒントが書かれていると思いました。
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