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あなたは、なぜ『学校の先生』という仕事を選んだのですか?

沖縄で『営業』と『教育』に注力しているTAISHIです。

今回のnoteは、学校の先生として過ごした7年間の気づきを書きます。
学校の先生になりたいきっかけは、子どもたちが好き、教育に携わりたい、使命感のある仕事がしたいなどたくさんの経緯があると思います。

今回書くことは『初心』が中心になります。
いま、学校の先生としてお仕事をしている方やこれから先生を目指す方にお届けします。

学校の先生になりたいと思ったきっかけ

小学校、中学・高校の先生ではなく、目指したのは専門学校の先生。
専門学校は自分で選択することはできる。

でも、クラスメイトや担任の先生は選ぶことはできない。どんな人が担任になるかはわからない。

たまたま自分がイメージする大人・社会人の理想像にあたるかもしれないし、ならないかもしれない。

わたしの場合はたまたま『憧れる大人』に出会えたことがきっかけで学校の先生を職業として選択した。

どんな部分に憧れたのか。

1.いつも笑顔でいるからクラスの雰囲気が明るい
2.指導するときは本音で言ってくれる
3.どんな話題でも受けとめて広げてくれる
4.授業でも行事でも笑いを取り入れる
5.常に本気。

真面目な部分とおちゃらける部分が程よくてなんだかついて行きたくなる存在。そんな存在に自分もなりたくて志願した。

そんな簡単に先生にはなれないのが現実

2年制の専門学校に通っていたので1年目の後半からは就職活動の準備。
企業によって募集時期が違う。毎年早めに求人をだすところは県内でも大手だったりする。

就職活動をスタートする前に担任の先生と面談があって、希望する職種や県外も検討しているかなどの確認がある。
その面談で『この学校の先生を希望する』ことを話をした。


返事はシンプルに『No』

その時の面談ではこう言ってもらえました。

高校を卒業して、専門学校の2年間で資格取得をした知識ある人が応募してくれるのは嬉しい。しかも卒業生が母校の先生だとさらに嬉しい。

ただ、どこの専門学校もタダ(無料)で通えるわけではない。

学校説明会に参加した高校生に興味を持ってもらい、ここでなら夢を叶えられそう!と自信を与えて、保護者の方々が安心して任せられると納得してはじめて入学願書につながる。

20歳で社会経験も積んでいない今の状況ではここで働くことはオススメしない。

仮に入学につながったとしてもその後の1年間の担任生活で社会経験がないことが負い目に感じる時がくる。

2年でも3年でも良いから経験を積んできなさい。その時になってもまだこの仕事に対する気持ちがあるならぜひ一緒に働こう!

残念な気持ちより、『いつでも待っているから修行してきなさい!』と応援してくれるようなメッセージとして受け取ることができたのもその先生の伝え方だったり、雰囲気の作り方だったのかもしれない。その面談のあとの就職活動は『静かに歩いていたら時給UPしたお話』に書いていますので良かったら読んでください。

先生になって3年目までは愚直に突き進んだ

20歳で専門学校を卒業して4年後の24歳には念願の専門学校の先生になることができた。もちろん母校の先生として。

この経験から1つ学ぶことができたのは『夢は諦めなければ叶えることができる』ということ。

学校の先生といえども組織人です。
先輩がいて、上司がいて、責任者がいる。

クラス担任と担当する科目、その他の制作物や行事の企画など、与えられたお仕事は率先して取り組んだ。

初年度は担当科目の勉強や、授業で使うメモノートなどの作成で家に帰るのも遅かった。クラスのイベントや学校行事も過去の資料を読み返したりの毎日で1日があっという間に過ぎていった。

そんな毎日を繰り返して3年目にもなると学校で行われるほぼ全ての取り組みを経験している状態になった。担当する科目のスケジュールや使用する教材の選択なども自分で見極めていた。

なぜ、3年も継続できたのか。
いま振り返ると、単純に『毎日が充実していた』から。
憧れの先生になるため、4年間追い続けて夢が叶った先生という職業に心から魅了されていた。まさに『夢中』状態。
例えるならスーパーマリオのスター状態が3年間続いているような感じです。

ベクトルが同じ素敵な相棒に出会った

4年目をすぎたあたりからは担当する科目を増やしたり、新たに取り入れたい授業をやったり、年間のスケジュールを組んだりと自分のクラスの方向をバシッ!と決められるようになった。

そして5年目には素敵な出会い。
後の相棒となる方で、その方は15年以上も先生をしているスーツの似合うベテラン先生。

グループ校で働いているのは知っていた。
一緒に仕事はしたことがなくて、教えている業界も違うので接点がなかった。

出会いのきっかけは毎年作り変えている学校のパンフレット制作。
合同パンフレットになることから打ち合わせをする機会が増えて意気投合していった。

同じ校舎で働くようになってからは教育に対する考え方や新しいことへの取り組みなどで意見が合致。

役職もついているのに全然威張っていない。それどころか謙虚さが溢れ出ている。文字も綺麗で手帳のメモ欄や黒板の板書をみても『先生っていう感じの文字』を書く。
知ったかぶりをすることもなく初めて聞くことは『知らなかった!』と話を引き出してくれる。
そして何より、このお仕事を心から好きで真っ直ぐに取り組んでいる。

学校内で行われる取り組みはベテラン先生とのツートップで取り仕切ることが多くなった。

学校の先生ってなんだかんだで1人でやることが結構多い。だからこそ意見を言い合えて、情報交換できて、信頼できる相棒がいると心強いしお互いに切磋琢磨できる。
何よりこのお仕事がもっと好きになる。

学校の先生のメリット

先生という職業で挙げられるメリットを抜粋してみました。

1.人前でのスピーチが上手くなる。
2.学生がいるので時代の流行りがわかる。
3.毎日勉強できる。
4.年間のスケジュールが把握できる。
5.卒業式で泣ける。

1.人前でのスピーチが上手くなる。

これは単純に場数です。
スピーチが上手くなるかは工夫次第ですが、教室ではもちろん、職員室でもスピーチはよくありますので、ある程度は上手くなります。

お仕事以外でも役に立ちます。
自分の子どもの保護者としての集まりで発表することや、披露宴などでスピーチをするときなども役に立ちます。

わたしは子どもの小学校の入学式で『新入生保護者代表あいさつ』をしたときに役立ちました。

2.学生がいるので時代の流行りがわかる。

学生に興味をもてるかどうか。
お仕事として淡々と日々の業務をこなしていくことは大切です。その合間に学生たちとの談笑する時間も大切です。

時代の流行りについていくべきだ!と言っているわけではありません。
スマホでもSNSでも人気のサイトやアプリでも、ファッションでも漫画でもアニメでもドラマでもなんでも良いので興味を持つ。

そうすると比較ができる。
昭和や平成と令和の違い、10代と20代の違い、男子学生と女子学生の違い。
時代に合わせた学生への対応の幅ができる。

流行を知っておくと得するのが『おッ!この先生しっている!』と学生たちのほうが興味を示してくれること。
ホームルームのちょっとした時間、授業中につかうフレーズなんかに流行を取り入れることで学生たちの『聴く耳』を刺激できたり、ちょっとした『先生への信頼』も育てることができる。

3.毎日勉強できる。

自分のための勉強より、人に伝えるための勉強が身になる。

まずは問題を解いてみる → できない場合は解き方を調べる → 解き方が分かったら解説を考える → 黒板に板書か、PCで資料作りかを選択 → ロープレする。

担当する科目の知識はもちろん、どうやって授業するかという組み立ても勉強する。知っていることと教えることはちょっと違うので『なぜこうなるのか?』をヒモ解いていく。

1、2年目の新人先生の場合は知識を中心に勉強して、ある程度の知識の蓄えができてくると次は伝え方や授業の組み立て方を工夫して、学生個々のレベルに合わせて解説方法を考えていって自分のスタイルを確立していく。

4.年間のスケジュールが把握できる。

毎年、1月中旬ごろから次年度の年間スケジュールを作成していきます。
(小中高等学校の先生が年間スケジュールを作成するかどうかについてはわかりません)

取得する検定の時期から逆算しての授業日数の確保、日曜・祝祭日の考慮、学校行事や夏・冬休みの日数調整などのスケジュールを作成するので年間の見通しができる。

年間の大きな見通しがたつと、授業日数がわかるので、1週間の時間割も作成できる。わたしは次年度が始まる前の3月末までに1年分の時間割も作成していました。
そうすると新年度が始まったときに年間のスケジュールをクラス全員に配布することができるのと、学生たちも年間のプライベートの予定が立てやすい。
また検定の追い込み時期になると1時限目ならぬ0時限目スタートだったり、7・8時限目の週があったりしても、1年分の時間割があれば切り替えもスムーズになる。

5.卒業式で泣ける。

この感動は毎年やってくる。
どれだけイヤなことがあったクラスでも、どれだけ悩まされたクラスでも、優秀なクラスでもすべてこの卒業式の1日のためにあったと言っても過言ではないぐらい。
1つの節目であり、ゴールでもありスタートでもある。

卒業式まえの学生たちにとって最後の登校日がある。
その日も特別な1日。
就職をしてすでに働いている学生、出社日まで余暇を過ごす学生、ギリギリまで就職活動を続けている学生、進学のために勉強している学生たちそれぞれが『学生』として最後に登校する日。

通いなれたはずの通学路が新鮮にみえて、学校が近づいてくるとなんだか緊張して、久しぶりにあうクラスメイトをみてもうすでにウルウルしたりして。

泣いたり笑ったり反省したりと一緒に過ごしてきた日々を思い返して、学生1人ひとりが成長していることを振り返る大切な最後の登校日。
先生にとってはこのクラスの最後の担任の日でもある。

『終わりよければすべて良し』

学校の先生のデメリット

先生を続けているとでてくるデメリットも抜粋してみました。

1.挑戦しなくなる
2.手を挙げない。
3.学生に伝えることと自分の行動が一致しない。
4.勤続年数と業界経験が反比例する。
5.インセンティブがない。

1.挑戦しなくなる

お仕事に慣れてきた先生たちが結構やりがち。
イベントだったり行事の担当になると最初にやるのは『昨年はどうだったか』という過年度資料の確認。
その次のアクションは『コピー』すること。
企画書や予算などの事務処理はほぼコピー。運動系のイベントの場合は種目やタイトルもほぼコピー。
担当割り振りもほぼコピーまたは『できそうな人・お願いしやすい人』に依頼。
そして担当のイベントが終了すると『やりきった感』をだしておわり。

そんな先生の場合、授業も毎年同じで使用する教科書も毎年同じ。
理由は『使い慣れているから』と言っているけど、本当は他の教科書を調べていないかもしれない。

いつの間にか挑戦しなくなった先生はあぶない。
思考を止めている可能性が高い。
ほんの少しの工夫、ほんの少しのアイデア、ほんの少しだけ『なぜだろう?』と立ち止まる先生であってほしい。

2.手を挙げない。

小学校の先生ってよく『この問題わかるひとー?』とクラスに問いかけてくれる。小学生たちもたくさん手をあげてくれる。
中学生や高校生になると先生の『手を挙げる』問いかけが減ってきて『名指しで指名』されることが多くなってくる。
大人になって社会人になると『手を挙げる』機会はもっと少なくなる。

学校の先生だからこそたくさん手を挙げてほしい。
研修での発表だったり、考えを述べる機会だったり、質疑応答だったり。

学校の先生だからこそ、『おバカな質問』、『そんなのみんな知っているでしょ』ぐらいの当たり前なことをたくさん手を挙げて話をする。
学生たちに『そんな質問もしていいんだ!』と手を挙げることは想像しているよりも気軽なんだよと知らせる。

3.学生に伝えることと自分の行動が一致しない。

『遅刻はダメでしょ』、『体調管理ができていない』と指導する学校の先生。
学校の先生になってから遅刻はしたことないんでしょうか。
風邪をひいたり、インフルエンザになったことはないのでしょうか。

『ハキハキしなさい』、『整理整頓ができていない』と指導する学校の先生。
学生以外の前でハキハキできていますか。
職員室のデスクや使用しているキャビネットは整理整頓バッチリですか。

『自主的に動きなさい』、『言われてから動かない』と指導する学校の先生。
自ら率先してアクションを起こしていますか。
上司から『あれはまだ?』と言われていませんか。

『服装がだらしない』、『言い訳するな』と指導する学校の先生。
自分が動きやすい服装だったり、見えないところでスリッパ履いていませんか。
学生たちに対して『大人の言い訳』していませんか。

学生たちが言うことを聞いてくれない理由はもしかしたら先生自身の日々の行動が信頼に値していないのかもしれません。

4.勤続年数と業界経験が反比例する。

専門学校の先生の場合に限ることかもしれません。
業界経験者が専門学校の先生になることはよくあります。

たとえば、IT業界にいた人がプログラミングの先生、税理士事務所にいた人が簿記の先生、保育士だった人が保育の先生

学校の先生を長く続けていると、先生としての勤務経験は増えていきますが、その業界の経験は増えません。現状について情報収集することはできても『生の声』は当時のままです。
平日は専門学校、土日はその業界で働いている先生がいるかもしれませんが少数です。

勤続年数が長い先生でいまもなお当時のお話を当たり前のようにしている方がいますが正直ヤバいと心で思っています。

専門学校と企業の出向制度が確立できたらいいなと個人的は思っています。
出向期間を設けて、その業界に学校の先生が期間中出向する。
導入のためには双方のメリットを具体的に検討しなければいけませんが、実現できれば学生たちにも還元できるものが増えますし、先生自身もレベルアップできて、企業としてはその学校からの新卒採用枠が固定化されて求人に困らなくなるかもしれない。

5.インセンティブがない。

これは専門学校の先生のあるある話ではないでしょうか。

部活動の顧問をしていても、朝や夕方の練習は基本的に業務範囲内。ただし土日祝祭日の大会は諸手当が出るところもあるかもしれません。

担当する科目の検定合格率がずば抜けて高くても逆に低くても上下するのは評価ぐらい。
クラスの人数によっては手当が変わることがあっても、1科目だろうが10科目担当しようが手当はない。
どれだけ目標達成しても基本的には年功序列で昇進。

大きな収入の柱が少ないということもわかっている。
3月末日の入学願書を締め切った時点で大きな年間の収入がみえてくる。
それ以外の収入の柱をたくさん作ることがベースアップにもつながるということを意識できない専門学校の先生って多い。
複業を推奨する動きに便乗して、教室の空き時間を自分のスクール運営に使用したり、ミーティングスペースとして使用できる日程をオープンにしたりと学校の先生だからこそ使える武器がある。

覚悟のない教育者になるな

専門学校の先生って結構なりやすいです。
専門の知識と経験があって、人としてちゃんとしているっぽいと判断されたらなれます。
そしてある程度の勤務年数を重ねたら知識も豊富でそれなりに学生を導いていけます。

どのお仕事にしてもそうですが、相手のことは置きっぱなし、放置しっぱなしになる人がいます。専門学校の場合でも同じです。
対象となるのは学生と保護者です。

学校説明会では素敵な言葉をたくさん伝えて、ニコニコして、参加者をもてなして、気持ちよく帰ってもらうことを目標にしている先生がいたとしたらおそろしい。

『学校説明会の印象が良かった』という、その1日だけの体験、その参加した日の印象が良かったから入学を決意したという学生がほとんどです。

目の前にいる学生たちは『先生』という存在を信じて入学を決意したはず。
その『学生の成長を信じて育ててくれる学校の先生』をみんな期待している。

そしてその子どもたちの幸せを願っている保護者がいる。
『安心して任せて信用できる学校の先生』をみんな期待している。

学生と保護者の期待は常に越え続ける。
卒業のときにはたくさんの『ありがとう』と『人生で最高の先生に出会えた』と言われるような素敵な先生をみんな信じている。

教育って最高です

手に負えない○○、モンスター○○と現場ではいろんなことが起きます。
昔より指導がやりにくい、注意したらクレームになる、何かと責任問題に発展するなど大変な所もあります。
そんな時は放置せずに先手です。

学生たちに対して先生の本気の取り組みを見せ続ける。
学校説明会でもビビらずに指導方針をしっかり伝える。
優しいだけでは伝わらないことを理解する。

保護者説明会でも同じです。
入学前からしっかりと意見交換をして入学後は不定期でも近況をお伝えし続ける。

忙しくて無理では何も変わらない。
上下の関係ではなくて、学校の先生も学生も保護者も手を取り合うパートナー関係。

理想論と言われても、絵に描いた餅と言われても仕方ない。
ただ、人間が想像するものは諦めない熱意があれば実現できるものがある

もっと早く移動したい、
空を飛びたい、
遠く離れても声が聞きたい、
暗闇に灯を灯したい、

これらの思いをすべて実現できたのは『想像』と『熱意』のおかげだと信じています。

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