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物を作るのも大変だけど、物を売るのも同じくらい大変。

デザイナーや職人さんは今までこの売ることをあまり注力せず、作ることばかりに専念していました。その結果、伝統産業や日本の製造業は衰退していき、デザイナーと職人さんのコラボは失敗することが多く、ものづくりは盛り上がりが欠けてしまいました。

大前提として物を作るのも大変です。ただ物を売るのも同じくらいに大変だということです。大事なことは、良いものを作り、ちゃんと売る。今までの製造業は、良いものを作ることができていましたが、ちゃんと売るまでを繋げられていません。

地場産業に関わるようになってから、物を作る大変ももちろん実感していますが、物を売る大変さも身に染みています。どうすれば売ることに繋がれるか考えてみます。


考える・作る・売るを全部経験するべき

物を考える・作る・売るを全部経験して、初めて商品開発していると言えます。ただ現在であれば物を考えるのはデザイナー、物を作るのを作るのは生産者や職人、物を売るのは小売店やセーラーと分業化されています。

ここに弱点があると言えます。本来あるべき姿で言えば、この3つのプロセスは商流として一つのメーカーや一つの工房が担っていました。時代の流れとともに、分業化が進み、消費者との距離がどんどん離れていきました。

つまり、分業化が進めば進むほど、消費者目線でのものづくりが出来なくなっていくということです。どんなものが売れるか、消費者が何が欲しいのか、何が使いやすいか、いくらなら買えるか、を知ってこそ、良いものが作れます。

そのためには、デザイナーが作ると売るを経験してみたり、職人さんが考えると売るを経験してみたり、小売店が考えると作るを経験してみたりと、徹頭徹尾で商品開発をしてみるのも良いかも知れません。

現に小さなメーカーや1人メーカーとして、考える・作る・売るをすべて同じ個人や会社が担当し、成功してるところが多くあります。


最後に

自分はデザイナーとして工芸の商品開発をしているものは、すべて販路に関わるようにしています。つまり、結局売れないものを作ると自分も大変という状態にすることで、良いものを必死で考えて作るようになります。今後のデザイナーとしては、販路に積極的に関わるべきと考えています。



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