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直接プロダクトデザイナーを探して依頼するのは難しい?

デザイン事務所やフリーランスは基本的には受託です。つまり誰かからの依頼があって、初めて仕事になります。それが良いのかはまずおいて、誰が、どうやって仕事を依頼をするのかを考えてみます。

直接プロダクトデザイナーを探して依頼するのはハードルが高いようにも感じます。実際はインターネットで「プロダクトデザイナー」と検索して、出てきたデザイナーのウェブサイトから連絡をすれば、気軽にヒアリングや見積もりなら無料でしてくれます。

一方で、どうやって依頼するのか、どうやって契約するのか、金額はいくらか、何を依頼すれば良いのか、など分からないことも多くあるかと思います。そこらへんについても今回以降に書いていきます。

まず気になったら、とりあえず連絡してみるのが良いかと思います。


・誰がクライアントになる?

①製造業の中小企業(メーカー)

メインクライアントは、こちらになるかと思います。製造業といっても、業種は多種多様で、立体物の文房具や家具から、化粧品や食品のコンセプトのデザインまで、請け負います。

ちなみに日本には約40万社の製造会社があります。毎年5000社の中小企業が倒産しており、仕事先としても減りつつあるのが現状です。ピンチはチャンスということもあり、デザインの力を必要としている会社も多くあります。

一方で、大企業のメーカーではインハウスデザイナーという社内のデザイナーがおり、外部であるフリーランスに仕事が来ることは稀です。


②地場産業や町工場の職人さん

もう一方のメインクライアントは、職人さんとの仕事になります。基本的には、その工場や工房の持つ技術を活かした商品開発を行い、販路開拓をすることを主としています。

問題点としては、職人さんが誰に、どこに、何を頼めば良いのかわかりにくい点です。デザイナーの知り合いがおらず、紹介してくれる人もいない場合は、交流会やインターネットなどで自力で探すしかありません。

しかし、多くの職人さんはインターネットをあまり用いることをしないので、デザイナーを見つけにくい環境になっています。

他の方法としては、中小公社、よろず支援拠点などの行政機関からの紹介で、依頼する方法もあります。直接プロダクトデザイナーを探して依頼するのは難しいと感じさせてしまい、どこかを一度経由して紹介してもらう方が頼みやすくなるのかなと思います


③個人や一般企業、メディアサイト

また最近では、製造業以外からも依頼が来ることも少なくありません。例えば、個人で商品開発しているのでデザインをしてほしい。一般企業のノベルティや企画を商品化する手伝いをしてほしい。またメディアサイトや雑誌の景品などの付録をデザインして欲しいなどもあります。


・どうやって依頼する?

①直接探して、全く知らないデザイナーに依頼する。

交流会やインターネットなどで自力で探して、依頼する方法です。この場合は、デザイナーのウェブサイトを探して、作品やプロフィールなどを見て、自分で判断し、依頼する形になります。

これのメリットは全て自分の判断で決められること、また新しいデザイナーと知り合えること。デメリットは、自分で判断しないといけないので、人として合うのか、金額はいくらか、実際どんなことをしているのかを直接やり取りして決める必要があります。

②知り合いのデザイナーに依頼する。

偶然出会ったデザイナーや知人であるデザイナーに依頼する方法です。これが一番フランクに仕事を頼みやすく、人となりを既に知っているので、ビジネスとしても上手く行くことが多いです。一方で、知人であることが弊害となり、スペックワークとなることもあったりします。

③デザイナーを紹介してもらい、依頼する。

知人などからデザイナーを紹介してもらい、依頼する。これもオーソドックスな方法だと思います。既にデザイナーと関係のある人は、他の多くのデザイナーの知り合いがいるので、紹介などもしてもらうこともできます。

こちらのメリットとしては、信頼できる人からデザイナーを紹介してもらうことで、アタリのデザイナーとマッチングしやすくなります。デメリットは、紹介してもらっているので、断りにくいという点です。

④行政機関に紹介してもらい、依頼する。

中小公社、よろず支援拠点、産技研などの行政機関からの紹介で、依頼する方法です。

これのメリットは費用なども比較的安く、行政機関を挟んでいるので依頼もしやすくなります。気軽にデザイナーに相談もでき、繋がりができやすいです。一方でデメリットは、デザイナーを自分で選ぶことが出来なかったり、受動的になってしまうこともあるそうです。

また、この紹介してもらえるのは行政機関とのつながりがある、中堅以上のデザイナーが多いです。つまり、若手のデザイナーは紹介してもらう機会が少なかったりします。


次回以降に、デザイナーとの契約、仕事の始め方、費用面などについて書いていきます。

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