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優しい藍色に包まれて (2)

この章は実際に見聞きした出来事を小説風にアレンジしている。千鶴という女性が、素性や真の姿、正体がよくわからず、どこか怪しげな男性からしつこく連絡をされて、精神的に追い詰められるが、健気に日々を過ごす様子を描いている。(半分程度実話である)

罪悪感と背徳感に悩む私

どうして毎日のように私に連絡がくるのか分からなかった、仮に、恋愛だったとしても私は結婚しているし、年も若くない(アラフォー)、そんな私を相手にする人はいないと思う。

それに、もう恋愛とかは興味がないし、結婚している私にとって他の男の人との関わりは罪悪感とか背徳心しかない。

たまに、もうラインがきても返信しなければいい、無視すればいいと思った。しかし、それを見透かしたようにラインの電話がかかってくる。

何回かそれも無視してもまたかかってくるし、何回でもかかってくる。仕方ないので電話に出て話をするの繰り返しだ。

まるで私はもう逃げられないのかと思うほど、絶妙なタイミングで連絡がくる、それが毎日朝と帰りの2回。


帰り道は少し緊張する

千鶴は来年40歳になる、結婚しているが2人暮らしで、パートで金融機関で働いている。職場は西新宿で、京急線の蒲田から通っている。

しかし、家は蒲田から遠い、むしろ隣駅の糀谷に近いかもしれない。羽田方面に環八の裏通りを歩いていく、蒲田からは歩いて20分はかかる。

大きな通り(国道15号線)を過ぎると狭い下町のような風情にあるが、夜になると暗いので緊張しながら帰宅する。この辺は小さな工場が多く、公園も多いので夜は鬱蒼としています。

痴漢との遭遇

男性の皆さんは知らないと思いますが、女性は、夜暗い道を歩くと後ろからサラッとお尻を撫でられることがとても多いのです。

その直後に、撫でた人は横から自転車に乗って私を追い越していき、私が一瞬立ち止まっていると、自転車から振り向いて私がショックを受けて立ち竦んでいるのをにやにやして眺めているのです。

悔しさでいっぱいになりますが、高校生から数えると何十回となり、慣れてしまったと言えば、慣れてしまったのです。これは私だけではなく、多くの女性が経験していると思います。

ただ高校生や20代の女の子であれば狙われたり、そんなことをされるのは分かりますが、私のようなアラフォーが未だに狙われる理由がいま一つ分からないのです。

例えば、買い物で荷物で両手が塞がっている場合は、かなりの確立でお尻を触られます。きっといつも、巡回して獲物を狙っているのでしょうか。

私の年で防止策と言ってははずかしいのですが、大分前から私のスマホにはYahooマップ(アプリ)が入っています。これの便利なのは、痴漢などの事件発生が地図にマッピングされているからです。この辺で痴漢や露出や声かけやひったくりあった場合はすぐに確認できます。

家の近くで、事件の発生日時がこの頃であればとても緊張します。


インスタ上のDMやり取り

前章に続いてインスタグラムのDM上のやり取りに戻ります。この男の人との出会いはインスタグラムに届いたDMです。私は実家が旅館をしていたので、その山形県の自然と旅館の写真をコツコツアップしていたのです。

男「とても写真が気にいっています。よかったら名前を教えてください」
私「千鶴です、よろしくお願いします」
男「千鶴さんですね、いいお名前ですね、よかったら名字もお願いします」
私「失礼しました、篠崎千鶴です」
男「お名前を教えてくれてありがとうございます。投稿した写真に千鶴さんのお写真は入っていますか。」
私「私は入っておりませんが、1枚だけ遠目に背をむけてお着物を来た人がいますが、それが私なのです。」
男「ありがとうございます。後ろ姿だけですが、お綺麗な人がいるなと思っておりました。」

この時、初めてネットで見ず知らずの人に名前を教えてしまったのだ。この時はインスタグラムのやり取りも半年くらい過ぎて、すこし相手のことも分かった気になって、気が緩んでしまったのかもしれない。

インスタグラムのDMでのやり取りは2週間に1回くらいの頻度で連絡がきて、私が返信をするという感じでした。ただ1回連絡がくると立て続けに会話が続くといった感じでした。

まだフォロワー数も数百くらいしかなくて、そんな中でDMが来たので、とにかく嬉しくなってしまったのです。


今のラインでのやり取り

しかし、今現在の連絡は、そんな頻度ではなくもっともっと増えてしまったのです。毎日2回の連絡、そして電話での会話、結婚している自分にとってはとても背徳感を感じる毎日です。

ただ、実害がないので、それに静かに応えている程度で、仕方がないなと思っています。それに、そのうちラインのやり取りも飽きて連絡もこなくなるのではと思っていました。

ラインの書き出しはいつも「千鶴さんへ」か「篠崎千鶴さんへ」なんです、それは前々から気になっていました。私の名前を最初に書かなくていいのに・・と。


(3)に続きます。







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