セカンドハーフ通信 第73話 年金2000万円不足問題

年金2000万円不足問題

金融庁が老後年金に加えて2000万円が必要という報告書を作成した。そのことに対する議論が沸騰している。

2000万円も貯金しろとはけしからん、なんとかしろ、という意見もあれば、老後の資金として年金だけでは足りないのは事実とした上で、今後どのような対処をすべきか考えよう、という意見もある。

個人的な意見としては、年金だけで老後の生活が安泰だと考えている人は少ないと思う。表現の仕方はともあれ、私自身は報告書の内容に驚くことはなかった。

それよりもびっくりしたのは、麻生財務大臣が金融庁の報告書の受け取りを拒否したことだ。

今回の報告書が間違っているのであれば、どこがどう間違っているのかを事実ベースで説明するべきだ。しかしながら、専門家に報告書を作らせておいて、社会が騒いだからと言って内容をきっちりと検証もせずに受け取り拒否というのは理解できない。これは問題の解決に結びついていない。

年金支払額が一定ならば、今後高齢化が進み、受給者が増え、1人あたりの受給額が減るのは子供でも分かる。バラ色の説明をしようとしても無理がある。

政治家は自分たちの考えを国民に示して信を問うべきだ。その場しのぎの対応は問題解決のためにはならない。一番大切なのは現状を正しく理解して、どこまで現状の年金がカバーできるのかを示すことだ。その上でどういう人生設計を描くかは個人個人の問題だと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?