冬うらら
星降る中に数多のてふてふ舞う
僕はてくてくと、誰が呼んでいるわけではなく
てくてくと、
欲しがるばかりの三日月が
やがて満月になるとしても
赤々と変容していく思い出には
もう涙も言い訳も添えられない。
風の行方が時の行方か
花の蜜は性的な示唆
慈愛を懐柔し、脆いと分かり切った擬愛を夜に託す。
誰もが皆、孤児で名無し児
縋るものを争奪しあい、波打ち際に孤独を綴る
そのように日々は重なり、乖離し
ふわふわと漂泊する。
息つく間もなく願いの宿る刹那
その隙間を僕はてくてくと歩いている
何を背負っているわけでもなく
ただ、てくてくと
円錐状に固定された景色には
霞がかっている
じき、てふてふに代わり
幼雪が天地無用の法則で描写される
そんな季日の中を
てくてくと、僕は歩いていく。
『冬うらら』
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