卒する。

誤字脱字の海を泳ぐ
エンドレス、それがエンドレス
大抵、頬を引っぱたかれる
真冬の夜に限って。
動詞と名詞でコミュニティに溶け込んで
ジェンダーレス、誰もジェンダーレス
欲しているものなんて
当の昔に手にしているというのに。

皆々が人間最上主義で
上からも下からも視えざる手で
むやみやたらと引っ張り合うから
境界面はいつも凸凹になってしまっている
という
誤解を主文としたカノンが響き、継がれる。

遠くにあるのは、未来か過去か
遠景に在るのは、都市か田舎か
胸がうずくのは、嬉々か不興か
伝達不備のため
明日が未発送のまま
今日をシュレッダーに貪らせている。

不思議なもので
全身全霊が受信機器を兼ねているのに
発信機能はいつも不具合を起こしていて
エンドレス、それがエンドレス
文明の利器ですら、お手上げです。
バベルの塔からお報せです。
人類の皆々様、その進歩の行く先は新たな吾の製造となりますが
よろしいですか？
よろしいです

誤字脱字の海を泳ぐ
エンドレス、それがエンドレス
大抵、頬を引っぱたかれる
真冬の夜に限って。
動詞と名詞でコミュニティに溶け込んで
ジェンダーレス、誰もジェンダーレス
欲しているものなんて
当の昔に手にしているというのに。

『卒する』