気が晴れない話、あるいは。アラフォー、青春を行く・千葉
選択ミスの予感は、実はしていた。
過去2回、妻の仕事と自分の公休が重なった日に、首都圏のターミナルから中距離電車に乗って遠出する独り旅をしてきた。
妻からは「明日って私は仕事なんだけど、"旅"に行くの?」と聞かれるようにもなった。
"旅"とは。
ずいぶん大きな言葉だけれど、たしかに当てもなく遠くに出かけるのは旅なんだろう。
過去2回が西へ向かったので、今回は東へ向かおうと思った。
ただ、朝起きるのが少し遅くなったので、妻の仕事あがりと合わせるために近場にしようと思った。
そこで、千葉行きを思いついた。
快速に乗れば一時間かからずに東京から移動できるし、ターミナルとターミナルを行き来するからコーヒーは駅構内のコンビニや自販機でペットボトルを買うよりも期待できる。
そして、少し溜まった事務仕事を移動中に片付けられるかもしれない。
気軽なワーケーションに出かけてみよう。
そんな軽はずみな気持ちが、全ての原因だった。
先週は変則的なスケジュールになっていて、結構疲れが溜まっていた。
溜まっていることにさえ気づかないほど走り続けていて、どこかできちんとお休みを入れることが必要だった。
錦糸町駅に電車が到着したとき、左手に東京スカイツリーがそびえているのが見えた。
その瞬間に、プツンと糸が切れる音が確かに頭の中で聞こえた。
休みの日に、まとまった時間ができるから仕事をしようって…僕は何を考えているんだ?
もうそこから、ぱったりと動けなくなってしまった。
千葉駅で電車を降りた際にペットボトルの水は無くなっていたから、たぶん水分は取っていたんだろう。
ただ、溜まった仕事を片付けることも、あるいは非日常としての"旅"を楽しむことも、僕はできなくなってしまった。
完全に、気が晴れない状況に陥ってしまった。
「仕事は楽しく、そして全力で」が僕の仕事のポリシーだ。
今の仕事は業務内容は楽しくそして誇らしいし、会社や自社の製品・サービスへの愛着もとてもある。
だから、少し前までは仕事とプライベートの時間は緩やかに重なっていて、そこに疑問を持つことはなかった(実際にプライベートで自社の製品・サービスを使っているのでどこまで行っても重なりはする)。
数年前に心身ともに疲弊しきって、一度充電期間を会社からもらって、ようやく復帰前の勢いで仕事ができているなと感じていたのが最近だ。
たしかに復帰前の勢いで仕事はできている/いたのかもしれないけれど、それが今の自分に合っているのかは別問題だったみたいだ。
青春と名のつく切符で、まるで青春じゃない使い方をしようとした。
その結果は明白だ。
完全に、気が晴れない状況に陥ってしまった。
スマホのカメラロールを振り返ると、スカイツリーを写した突き抜けるような青空を総武快速線の車内から写した写真が一枚。
そして、千葉へ向かう途中におそらく取ったのだろう、ゲリラ豪雨に遭って窓がびしょ濡れになっている写真が一枚、それぞれ入っていた。
もう少し気持ちの晴れと雨と曇りを緩やかにできるよう、働き方と暮らし方を考え直す。
そういう時がもしかしたら来ているのかもしれない。
じめっと湿気の強い曇天のような心持ちで迎えた今週の公休を、どうか来週以降も繰り返さないようにできたなら。
だらだらといつも以上に中身がないお話は、そんな気が晴れない日にモヤモヤしていたことをモヤモヤしたままかいたという、そのまんまです。
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