🔴いつも大安吉日154　〜必要なものはすでにそこにあるね〜

【必要なものはすでにそこにある】

晴れた晴れた
ものすごく晴れた
「すこーん」と晴れた
晴れわたった

晴れでしかなくて
晴れ以外のなにものでもなかった

「ハ・レ・ター」

すいません
いままでの分まとめて言わせてもらいました

🔴夏の空

「この地区は雨しか降らねえ」
早朝はどんよりしてたから、昨日はそんなひとことからはじめてしまった

すまないと思ってる

早朝にともだちの畑の手伝いをして、畝（うね）の草をひたすら取りつづけてた
日の出からしばらく経ったみんなが起きはじめるころ、まだ少し曇ってはいたけど、「これはっ」て感覚はあったんだ
作業がしやすい天気で、これからさらによくなりそうな天気だった

「はやく帰って自分の作業もせねばっ」
ぼくは時間きっかりに、野菜をいただいて足早に家路についた

「もしかしたら」って正直こわかった
何度もそうやって裏切られてきたんだ
でも大丈夫だった、とにかくうれしかった

「古谷も晴れてたー」

気分がいいし、体が動く
ぼくは草刈り機を背負って山に入った
山の木の間からも、青い空と「もっこもこ」な雲がしっかり見えていた

「夏の空だあー」

🔴風がとおる

週末土曜日のキャンプに向けて、テントサイトの草刈りをはじめた　

うちの正面のカラ松の向こうの山の中

ススキだらけの耕作放棄地を越えると、そこには元田んぼと思われる平らな場所がある
栗の木が大きく育っている

このあたり一帯は、うちの子たちもお世話になっている学童（前日の流しそうめんのみなさん）で、プレーパークとして去年の秋まではよく遊んでいた場所なんだ

でも去年の台風で少し勝手が変わった
横の沢の上流に、おっきな砂防ダムを作るための工事が始まっていた
プレーパークは一部削られ、木が伐られて山も削られ、そこにはいま道ができている
ずっと工事してるし、景色もかなり変わってしまって、ここ最近はあまり使われてなかった

ぶら下がったブランコがどこか寂しげで、足元に伸びはじめた草や木が、またその場所を元の山に戻そうとしているようだった

コンクリートで固められた道のとなりに、ものすごい勢いで自然に戻ろうとする森
「うーん」なんともいえない関係

工事が休みなのかな？
山の中は静かだった
山に入れば工事現場もそこからは見えなくて、見えてくるのはこどもが走り回って遊ぶイメージだけだった
そのイメージをリアルに近づけていく
ぼくは草刈り機を「ブンブン」といわせた

「ここにテントを建てたらいいな」
「ここは危なそうだから草を積んで、道をふさいでおこう」
「この木かげは昼寝には最高だな」

キャンプ目線の草刈りははじめてだった
これがなかなか楽しい
これからはどこの草刈りでも、なにかを作るイメージでやったらいいな
「草刈りアーティスト」って感じかな

ひとり用のこっそりテントサイトもできた

風が通った山の中が気持ちよかった
風が通って空気も入れかわった

🔴ぽかぽか

おやつも兼ねたお昼は外でいただく

つづけてまた送ってくれた桃がうまい
相変わらず桃の薄切りにハマっているぼく
こどもたちは種のまわりの美味さに気付いたのか、ひとつ食うたびに種の取り合いだ

パンケーキに桃をのせてもまた美味い
剥いた皮は猫のロクが喜んで食べている

ぼくはそのままそこに寝転がった
空も土も草も、すべてが気持ちいい
おてんとさまがほんとにありがたい

満たされてまた動ける

🔴そこにあるもの

こどもたちがブランコで遊びはじめた
笑い声が山の中に響く
「これだこれだ、イメージしてたやつだ」

壊れかけたもうひとつのブランコも直して、二台同時に使えるようになった
こうしないとすぐにケンカになるからね

今度は勢いよく押すだけでは飽き足らず、グルグルグルグル回しはじめた
けっこうな勢いに、ヨダレ鼻水が飛び散った
回りすぎたタマは体調不良になった
「なんかお腹いたーい」
そういってうちにもどっていった

ブランコのあるエリアの上には、もう一段焚き火テントサイトをつくった
生き残ったそうげんと、そこにつづく斜面に階段をつくりはじめた

鍬でならして削ってカタチをつくる
石でまた削って、その石を置いて踏み固める

細かい枝を両脇に並べる

滑って転んだから出たアイデア
自分と誰かのことを想って、「こうしたらいーな、あーしたらいーな」とやってみる
キャンプでやりたいこともこんなことだ

たいていのことは受け入れてくれる
厳しさもやさしさも教えてくれる
求めるモノに自然はいつも応えてくれる
何かを作り出すヒントをくれるうえに、その作るためのモノまで用意してくれている

すでに外の世界も知っているから、もちろん、それだけってわけにはいかないとは思う
でも、「山の中を走り回って遊び回っていれば、それだけで生きていけるんじゃないか」
そんなことを思ってしまう

とりあえずキャンプのときは、思いっきり遊んでもらおう
おとなもこどもも山を遊んで、「あるものを生かす」ことを楽しんでもらおう
「すでにそこにある」を意識しておこう

場所はこれで整った
今日は細かい用意と片付けをして、明日のキャンプをたのしむ準備をしよう
とびっきりの天気を期待しておこう

ではみなさん今日もすてきないちにちを

五穀豊穣　子孫繁栄　
大安吉日や　さかいひろし
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