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福祉。

昨日は凹んだまままだ立ち直れず今日1日過ごすのかなと思っていた。

なんとなく手慰みにTwitter を見て、びっくり仰天した。
凹んでいる場合ではなかった。

・介護保険料2割負担
・介護度1、2、保険外し
・ケアプラン 有料化
・高額医療負担制度廃止案

目に飛び込んできたのは、こんなツイートばかりだった。

財務省が何を考えてこんな話になっているのか分からないが、あまりにも現実を度外視したことばかりで、頭に血が上った。
同時に真っ青になった。

我が家は計算したら、1円 2円というギリギリのところで、今期は非課税であった。

「港町ブルース」執筆の為に、揃えた資料や取材、人に頼んで函館中の写真を撮らせてもらったり、画材や タブレットや仕事で使う ipad や、そして通信費やら交通費やら何やらと、アホみたいにお金をつぎ込んだからである。

今期、ウクライナ情勢の影響で私は体調も精神状態もすっかり崩してしまい病院でカロリーの点滴を受けたり、入れ歯を治したりとか中耳炎になったりとか、腫瘍の検査をしたりとか肺の CT を撮ったりとかもう数えるとキリがないが、私の方の医療費がバカみたいにかかったのだ。

それを全部計上したら、課税基準までギリギリで達しなかったということだ。

「非課税だから、税金 払わないだけ いいじゃん!」

と思う人もいるかもしれない。
ところが国は容赦ないのだ。

原稿料が入るたび、世帯主の私には、追加の保険料請求が次々と来る。
私が払った「追加の」保険料は、原稿料 一回ぶんにあたる20万を越えた。

この支払いを1日でも遅れると、通帳を差し押さえられ、引き落としができなくなり、わざわざ 役所へ行って面倒な手続きをしないと、差し押さえは 解除してもらえないのだ。 

これが、「非課税世帯の現状」である。
国は全く 容赦してくれない。

老後に備え、コツコツと貯金をしている。
私はお父さんは自宅で看取ると決めているので、その時点滴を借りたりとか、酸素ボンベを借りたりとか、その費用も貯金している。
そしてその後は、おそらく 私が入院するであろう精神病院に支払う入院費、それも頭に入れて貯めている。

退院後、 お父さんの一代記 を描くと決めているので、ちゃんとこのお父さんと暮らしたアパートに戻ってきて、お父さんのものに囲まれて仕事をするんだと、人生設計を考えている。

その間の、アパートの家賃も頭に入れて貯金している。

この貯金は、お父さんと私の命綱だ。
だからこの貯金の通帳 だけは、どんな何があっても一切手をつけない。

国は、お父さんと私のこの先の未来、お父さんにやってくる人生の最期と、障害者の私がお父さんの最期を乗り越えて漫画家として生きていくことをするための、この貯金すら、吐き出せというんだろうか。

少子化 少子化と、騒いでいる議員 さんたちに問いたい。
根本的なところから、市井の人が生きていけるように仕組みを作らなければ、誰だって 子供なんか産めないよ。

子供を産んで、育てる、学校へ行かせる、大学へやる、それにどれだけお金かかると思っている?

今日本に溢れてる高齢者の方々が頼りにしている年金が、どれだけの金額だと思っている?

うちはまだいい。
子どもは自立している。
そして私が働けるからだ。
年の差婚で良かったと、これほど思っていることはないよ。
お父さんが死ぬまでケアできるからだ。

老老介護の実態を知っているのか?
病院はいつもそういう人たちで溢れている。
ストレッチャーに乗った奥さんを、曲がった腰で足を引きずりながら、通院のため 連れてくる旦那さん。
車椅子の旦那さんを、おぼつかない足取りで、病院に連れてくる奥さん。

この人たちを、これ以上苦しめるわけ?

みんな 生活保護になれと言うの?
生活保護だって、親を頼れ、親戚を頼れ、私は働けなかった頃何度も断られた。
生活保護費 だって、本当に「最低限」の金額だ。

私は障害者1級になり、やっと生活保護が受けられたことがある。
福祉のサポートが全面的に必要だったため、入ってくる印税は全部、国へ返還していた。
「人間仮免中」の印税のほとんどは、そうやって国に返した。
いくら 売れても、これは仕方なかった。
私は寝たきりで、身体介助がどうしても必要だったからだ。

この国の偉い人達は、お年寄りや 障害者、そういった人たちを、「国民」という人数の勘定に入れているのかな。

福祉というのは、人間の一番の偉大な叡知だ。

それすらもないがしろにするという国は、もはや 先進国じゃない。
後進国だよ。

よろしければ、サポートお願いいたします!!頂いたサポートは夫やわたしの医療費や生活費に使わせて頂きます。