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唯坂 優
2024年9月23日 12:00
脇腹取り外し器具脇腹を 取り外すための器具新しい脇腹を買うたびに同梱されているので無駄に溜まっていく脇腹取り外し器具脇腹を 取り外す機会なんて そうそうないなので かなり無駄そのくせ他の用途に流用しようがないほど極めて特殊性の高い形状のため一度 失くそうものなら脇腹取り外し器具のために新たな脇腹を購入せざるを得ない実はフリマアプリ
2024年1月31日 21:00
新しめの パンを素肌にそっと 沿わすようなすっさりとした肌ざわり具体的には具体的には 言わない何を沿わせているかは 言わない言わないというか 言えない何を沿わせているか言えない怖かろうさぞかし 怖かろう何も何も分からないのに無闇に肌ざわりだけはいいコレのことが怖かろう心底 怖かろう分からないはずなのに怖いはずなのに
2023年10月4日 19:00
わからん佃ってなんだよ佃煮以外で見たことないぞにんべんに田わからん本当にわからんいやググれば出る絶対に出るなんなら『佃』って打った時点で『佃 意味』みたいなサジェストが出るそうに決まってるでも僕のプライドが許さない考えたい自分で考えたいおいこれを読んでいる お前知っているだろう佃の意味を知っているだろう
2023年9月5日 22:59
メロン投げる人メロンめっちゃ投げる人恨みとか信念とか背景とかないただメロンめっちゃ投げる人なにもなにもメロンじゃなくても知らんそんなもんは 知らん高いでしょとか美味しいのにとか知らんわしが買ってきとる毎朝 市場に出て一番のメロンを競り落とすから高いのも美味しいのもわしが一番よく知っとるでも投げる代わりとかない
2023年6月20日 21:00
小麦粉をこねて、菌を加えて、焼く。これだけの手間をかけてできるものがパン2文字2文字よ耐えられる?私には耐えられないこれだけ頑張って作った物なのだからもう少し大仰な名前であってほしいいや具体案は ないがこれだけのこれだけの気遣いと手間とこだわりをパンというたった2文字で片付けないで ほしいそう願うわたしもまた
2023年6月19日 12:00
羊毛は いつもふわふわで温かくて僕たちを 包み込んでくれる甘えるなその甘えが羊の心を硬くした今日からすべては硬羊金属と見紛う強靭なる毛刈れないバリカンが負ける火花を散らし刃が欠ける羊にだってリスクはある刈ってもらえない暑いいつまでも暑いお前たちが羊毛に頼り切っているからお前たちが羊毛に頼り切ってさえいなければ
2023年3月30日 21:00
あぁ見上げよ板が舞っているなにか吹き飛ばされて慣性にしたがって飛んでいるのではない断じてないあれはあの板は舞っている自らの意思で舞っているのだ羽もエンジンも持たぬただの板下から見たらなぜ飛べているのかもわからないでもなぜかわかるあれはあの板は飛ばされているのではない優雅に余裕を持って舞っている人
2023年3月27日 21:00
右脚を踏み出し粘る左脚を踏み出し粘るその一歩がまた次の一歩が道を搗く足腰の弱い老人もかわいく駆ける幼子も一歩一歩ぺたんこぺたんこ道を搗くやめてくれ道が歩き辛くなる右脚がとられる左脚がとられるよろめきついたその右手言うまでもなく粘るああこの咄嗟の手も道を搗いてしまっているこの僕も道を粘らせてしまってい
2023年3月16日 12:00
あの谷の底にはお茶畑がある一面の緑肥沃な土に抱かれささやかな風が空から滴る雨粒が彼らを育てているでも時にその愛は行きすぎる風は谷を抉り雨は水底に茶葉を隠すすると何が起こるか考えればわかること谷に溜まった雨は哀れな茶葉からカテキンを吸い出して玉露緑色の水面が風に揺れる人々は胸を打たれ持ってきたお茶を谷に流す敬意を表するよ
2023年3月13日 21:00
遠くサハラのゴビのタクラマカンの陽射しに灼けた砂漠から今立ち上がりたるは砂人数え切れぬほどの砂粒が彼を形作っている今この時にもその指先からぽろぽろと溺れ落ちる 彼だった砂今はもう砂漠に紛れたただの一粒僕はそれを大事に拾ってポケットにしまったそこに向き直るともう彼はいない砂時計が落ちきるみたいにさらさらと溢れ
2023年3月6日 21:00
ここは鼻の中です比喩ではないここは鼻の中なのですここもそこもあそこもどこもかしこもきっとあなたの鼻の中鼻には境界があります鼻根から鼻尖までが鼻ですしかしながら鼻の中には鼻の中には境界がない鼻柱と鼻翼に包まれた何もない空間それが鼻の中そして鼻の中から鼻の外を隔てる明確な指標が ないだからここは鼻の中あなたの鼻の中
2023年3月1日 21:00
冬が来たからって雪が降ってくると思ったら大間違いですいいかい今年はね海苔が降ってきますざまぁないねゲレンデに子どもたちの泣き声が響くでしょうああ そうそうお茶の雨も降りますもう お気付きですねそう 茶漬けです冷やし茶漬けなのです世界は冷やし茶漬けになるのですいい気味ですささっとすすりこまれてしまいなさい
2023年2月28日 21:00
降り頻る雪に黒い染みが見えたらそれが合図街の灯りが妙に眩しくて空の海から誘われた烏賊雪が降ってくる凍て渡る冬の朝ふと見上げた顔のその鼻にポタリ粘液烏賊の香降り積もった烏賊を踏んで歩くそんな通学路子どもたち 転ぶ転ぶぬるぬるしているから仕方がない帰ったらイカリングが待ってるイカリングが待ってるから頑張れるそんな素敵な一日
2023年2月23日 21:00
なんでも 埋めればいいと思うな確かに埋めれば生えるものもある種を蒔けば野菜が生える野菜が育つ野菜が増えるありがたい話だだからと言って お前人を埋めるのは 違うぞ人を埋めても人は生えない人は育たない人は増えない当たり前の話だ人は人はな人は違うんだ人はそうじゃないんだ説明は難しいが人を埋めても意味がないのだだからやめな