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舞板


あぁ

見上げよ

板が舞っている


なにか

吹き飛ばされて

慣性にしたがって

飛んでいるのではない

断じてない


あれは

あの板は

舞っている

自らの意思で

舞っているのだ


羽も

エンジンも持たぬ

ただの板


下から見たら

なぜ飛べているのかもわからない

でも

なぜかわかる


あれは

あの板は

飛ばされているのではない

優雅に

余裕を持って

舞っている


人にはできぬ芸当を

自分の意思と

僕が知り得ぬ力で

成し遂げている


僕は

その姿が羨ましくて

少し泣いた


舞う板に

少し泣かされた

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