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【カンボジアの学校へ行こう!3】日本のPTAをカンボジアにも!#熱血先生応援プロジェクト

■ 賛否両論

「PTAなんていらない!」

これぞ、匿名の“つぶやき”が、可能になったSNS時代を代表する社会の声ではないでしょうか。実際は呟かなくても「当番だからしょうがない」という声も少なくないでしょう。かつて西東京の小学校でPTAを廃止した結果、必要な時に担任の先生の掛け声で、保護者の自発的なサポートが生まれた、という話が話題になりましたが、その後、効率的なサポートができるように、保護者側の意志で、PTAと同様な機能のグループが生まれたとか。

■ PTAの歴史認識

もともとは19世紀にアメリカで生まれた母親グループによる児童福祉活動ですが、日本では、敗戦後の物がない時代から、経済復興にいたる地域の学校を支えた、というPTAの歴史はしっかり押さえておきたいものです。

■ カンボジアのSSC

カンボジアの各学校には、保護者会ではなく、地域住民で組織されるスクールサポートコミッティー(School Support Committee学校支援委員会)という組織が設置されています。正直、多くの学校では殆ど機能していません。どんな仕事をしているかというと、学校に足りない備品や施設の建設費用を地域から集める。戦後の日本でも同じような役割をPTAが担っていたといいます。

■ カンボジアのモデル校選出制度

最近、カンボジアでも政府が学校を(正確には学校長)評価して表彰する制度が始まりました。選出される学校の多くは、現金収入を得ている周辺住民が多く住んでいる、都市部に集中する傾向があります。集金をしいやすいイコール施設が整いやすい。ビジュアル的に優れた学校がモデル学校として選ばれているという現実です。

■ リーダシップ養成

奨学生である地方の若い校長先生を対象にリーダーシップ育成プログラムを始めました。内容については、別の機会に紹介しますが、その中から、やる気、モチベーションの高い校長先生を、日本への短期研修に奨励しました。各学校のSSC、つまり有力な支援者を同行して。

■ つまりは「やるき、熱血!」

日本研修では、カンボジアにはない運動会や、保健室、評価システムや、PTAについての視察を精力的に行いました。参加された各学校は、帰国後、即、日本で学んできたシステムを具現化することに成功しました。

SSCの同行者が、応援したからです。

校長先生の熱意に、地域の人々が感化されました。

学校側の先生の「情熱」と支援者側の「応援したい気持ち」があって始めて、カンボジアのSSC、日本のPTAは機能するのだと思います。

日本のPTAの経験を、カンボジアの地域を巻き込んだ学校開発に活用していけたらと考えています。

■ Phnom 2019年7月号 掲載記事

学校へ行こう03PTA

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