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地域ビジネスの伸びしろを「顧客視点」で見つめ直す★地域ビジネス活性化に必要な人材はどんな人?

株式会社ただいまの代表の佐藤翼と申します。これまで10年以上、日本各地へ訪問し、地域の新しいチャレンジ、特に新商品やサービス開発から販売までの新規事業や、地域に人を呼び込むための体験コンテンツの磨き上げから集客の企画や実施などをサポートしてきました。

これらの支援にあたっては、熱意を持って取り組まれている地域の金融機関さん(いわゆる「地方銀行」さんなど)とタッグを組ませていただいております。(地域の金融機関さん向けのnoteも展開しております。『地域金融機関さまの取引先支援のお手伝い〜役立つ書籍と使い方』

支援を手がける中でよく話題になるのは「結局のところ、どんなに良い事業アイデアもそれを進められる人材がいなければ、形にならない」ということです。いい事業アイデアや戦略を編み出せても、最終的には、携わる「人」が実現のカギを握るということは、どの地域においても変わらない事実であり、どの地域にとっても悩ましい課題なのだと思います。

そんな地域ビジネスの課題の解決もお手伝いできれば、という想いから、今年度より本格的に、人材紹介事業(有料職業紹介事業)もスタートしました。

一方で、新型コロナ禍の影響が当初の想定よりも長引くなか、スキルや経験に関わらず、働く場所や方法を見直す転機におられる方もたくさんいらっしゃるのではないかと思っています。

リモートワークが働き方のオプションとしてごく当たり前になるなど仕事をめぐる環境が激変するなか、できれば地方で働きながら暮らしたい、または介護などの理由で実家に戻りたい、という方も増えたのではないでしょうか。その願いを叶えながらこれまでのキャリアを活かし、さらに新たなチャレンジに向かうための支援ができないかと考えました。そこで弊社は、有料職業紹介事業の免許を取得し、事業として取り組むこととしました。

これまでの日本各地の金融機関・自治体との連携による中小企業や農業者の経営支援の中で、経営課題の解決においておそらくもっとも重要だと私が今感じていること。それは、

「販売先の見直しと確保」と

「進化するデジタル技術への対応(DXなど)」

「チームで成果を出すことができる優秀な人材確保」です。

そのうち、今回は「販売先の見直しと確保」について、人材面から焦点を当てながら、お話をします。

最近ビジネスモデルの検討でよく使用される、ビジネスモデルキャンバスを引用してご説明しますと、

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引用:『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書』(翔泳社)より

今までの支援経験からも実感するのは「販売先の見直しと確保」にあたっては、まず、これから顧客としてつながりたい方をきちんと定め、その方々に丁寧にお話を聞くことの大切さです。当たり前ですが、これができていない支援先をこれまでたくさん見てきました。

このことを求める人材面から見ると、顧客になんのヒアリングもせず、ビジネス書の受け売りを切り貼りしたようなアイデアを出して満足する人より、顧客の話に耳を傾け、それを手がかりに本当に必要な取り組みを提案・実行できる人材が必要だ、ということです。

もう少し説明すれば、パワポや動画で立派なプレゼンテーションができる方よりは、自社の商品やサービスの「強み」「他社と差別化できるポイント」を的確に把握し、顧客ニーズの変化に対応できる「ビジネスモデル」を実践したいと考える方が、企画支援の現場にいていただきたいのです。

日本各地には、これまで商品やサービスとしては良質のものを提供し続け、実績や信頼は積んできていて、さらに時代や顧客の変化に対応さえすれば、まだまだ伸びる余地がある事業者さんもたくさんあると感じています。

自社の事業を、顧客の目線で見直してみる。具体的には、現在、愛知県のJAあいち中央と取り組んでいる『碧海そだち』のような展開です。

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あれこれ批判も多いJA(農業共同組合・農協)ですが、これまで培ってきた組織力を顧客の変化への対応に振り向ければ、できることはまだまだあると思います。

JA内の職員のプロジェクトメンバーを中心に、弊社がアドバイスに入って検討した「碧海そだち」では、これまでの地域の農産物の売り方を「品目や栽培方法の特徴」「こだわり」といった提供者視点からではなく、利用する方の属性を踏まえて「野菜嫌いの子供を持つ家族が、食事を準備したり、休日に食や農に触れて楽しむ」利用者視点から編集し発信、販売に取り組むことから検討しました。

視点のベクトルを変えることで、プロジェクトメンバーからは利用者のニーズを意識したさまざまなアイデアが上がり、単に生産物を売り込むだけではなく、幅広い年代の方に食に対する興味を持ってもらうことで継続的な売り上げにつなごうと狙うユニークな企画も生まれました。

リアルの売り場と並行して、オンラインショッピング『碧海そだちオンラインショップもスタート。売上アップはもちろん、出荷いただく組合員(農業生産者)の方からの反応も上々です。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。次回は「進化するデジタル技術への対応(DXなど)」にスポットをあてて、地域ビジネスに必要な人材を考えてみたいと思います。

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