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旅の始まりの初め

旅とはこんなにドキドキするものだっただろうか。

2024年の1月、僕は転職を決意する。社会人とはなかなか大変なものだ。それなりにやりたいことを持って入ってきても実際には言われたことを淡々とこなすことも多く、他律的に働かざるを得ない。会議が土日に入ればそれに参加せざるを得ないし、仕事も終わらないとなかなか帰れない。

さながら人生を切り売りしながらお金を得ているようなものだ。ブラックとかホワイトとかそういうレベルの話ではなく、今の労働というシステムがほとんどの場合オフィスでパソコンと何時間も睨めっこして、全てがその中で完結してしまう。世界をPCの中に閉じ込めてしまう。

でも、世界は当然ながらPCの中にはない。もっと広く、果てしない。

僕はいろんな世界を見てみたかった。世界のどこかで全然別の生き方をしている人たち、まだ見たことのない景色。今の科学でも説明の出来ない不可思議な文明や、人の手では超えることのできない圧倒的な自然。

いつかはそういうところに行ってみたかった。でもそのいつかはいつなんだろう。そうやって「いつか」と言いながら置き去りにしてきた気持ちや感情があったのではないだろうか。


大学時代はよかった。なんと言っても時間があった。2ヶ月の休みが夏と春にそれぞれあって、その自由な時間を使って自分の探求のままに時間を使うことができた。

社会人はそうはいかない。基本は土日休みと祝日があって、あとはゴールデンウィークとお盆に少し長期の休みが取れるくらいだ。もちろん、その枠組みから外れた働き方はいくらでもありうるけれど、既存の基本的なフレームワークはここに収まっている。

自分も典型的な社会人を送っていた。システムという車輪を回すパーツの一つになるという不自由さを内側に抱えながら、パーツとして生きていくことしかできなかった。そういう葛藤は誰しも感じることはあるのではないだろうか。

そんな中、転職の狭間に有給を使って、ふいに2ヶ月という時間を作れることに気づいた。欲を言えば半年とか1年とか時間があれば、またいろんなことができただろうけれど、それでもこうやって何にも縛られない時間というのは社会人においてはとても貴重でかけがいのないものであった。


なんでもできるこの時間をどう使うか考えたけれど、やっぱり僕は旅に出たかった。旅に出なければならなかった。

別に物理的に出なければならない訳ではない。ただ、自分の人生の一つの指標として、決定的な旅の存在の必要性に薄々と気づいていた。

それは現代社会という檻に閉じ込められて、羽ばたくことを忘れてしまった小鳥のようなもので、もう一度羽ばたくためにも、とにかく外に出なければならなかった。

人生には期がある。そういう無茶ができるのは人生でもそんなにタイミングはない。学生はお金がないし、社会人は忙しすぎる。結婚すれば子育てに時間を取られるし、退職後はお金も時間もあるかもしれないが、それをするには体力がなさすぎるだろう。

時間と体力とお金がある今がまさに人生のタイミングだと思った。せっかくならこれまでできなかった思い切ったことをやりたい。ここにも行って見たかったし、あそこも実は行って見たい。そんな風に感情に寄り添っていたら、あれっもしかして世界一周ができるんじゃないかと思い至ってしまった。

でも、まさか世界一周なんてたいそれたことを自分ができるとは思っても見なかった。そんなことをする時間も勇気もないと思っていた。はっきり言えば無理だと思っていた。

それでも、行きたい場所をあげて、具体的に計画を練り始めたら、だんだんと道筋が見えてきて、夢が現実に近づいた。

そういう訳で本当に自分でも予期していなかったのだけど世界を廻ることになった。そもそも転職もまさかこのタイミングですることになると思っていなかったし、もっと言えば今の就職先もまさか自分がこんなところに就職するとは思っていなかった。

人生とはそんなものなのかもしれない。どう転がっていくか自分にも分からない。そうやって僕らはみんな人生という旅をするのだろう。計画どおりには行かないし、その不確実さがあるからこそ、思いもよらぬ出会いや感動に出会うことができる。



とはいえ、急に旅支度をしろと言っても何をしたらいいかなんて分からない。何しろコロナ禍で僕の足は完全に止まっていた。当時は海外研修や国際会議に参加したり、アクティブに活動をしていて、留学も直前に控えていたのだけれどそれが急におじゃんになった。

それは僕にとっては内省する良い機会になったのだけれど、外に一歩踏み出すというのをすっかりと忘れてしまって、旅ってこんなに怖いものだったっけ。ワクワク5割、不安5割というところで実を言うとかなり怖い。

怖いと言うのはほとんどの場合、知らないということの裏返しである。という訳でまずはいろんな動画や本を読みながら世界一周についての基礎知識を身につけたので、簡単に準備についてご紹介していく。


準備編

まず、行きたい場所をリストアップする。僕の場合は自然と人の畏敬に触れるというのが一つのテーマでなるべくいろんな遺跡や自然を見れるようにコースを選んでいった。

ちなみに僕はスターアライアンスの世界一周航空券で予約した。UIがとてもよくできているので感覚的に分かりやすく決して高くないのでおすすめだ。

自分が実際に予約したルート

本当は東南アジアや東欧にも行って見たかったんだけど、今回は世界一周のような時じゃないとなかなかいけないアメリカやアイスランド、ペルー、ニュージーランドを入れてみた。

これまで実は15カ国くらい行ったことがあったのだけれど、ユーラシア大陸を抜け出せないジンクスを抱えていた。(2、3回計画は立てたことがあるのだけれどいろんな理由でなくなった)

今回はアジアとヨーロッパを分けるならなんと6大陸行くというちゃんと世界一周の旅だ。果たしてこの強行日程をこなせるのか・・


旅程が決まると準備するものが決まってくる。保険やワクチン、服装など色々決めないといけないものがある。

ワクチンはインドに行くこともあり、A型肝炎、日本脳炎、腸チフス、破傷風のワクチンを受けた。(総額5万円くらいだった・・命には変えられない)

持ち物は非常に悩ましい。アイスランドや冬のニュージーランドという極寒からインドのような灼熱の世界まで耐えられて、かつ最小限の荷物で行くという状況だ。幸いにもパタゴニア信者なので、割と軽くて耐久性のある服装は整っている。

かなり飛行機に乗るので、機内に荷物を持って行ける形にする。要はバックパッカーだ。私はこれ。撥水があるのとポケットが背中なので盗まれるリスクが少ない。容量も50lあって、これがギリギリ機内に持ち込めるサイズだ。

他ちょっとした小物や収納は天下の無印で揃えた。トラベルグッズが揃っているので、色々必要なものを揃えるのには便利だ。

あと、重要な点としては国際免許を取得した。手続きのみで特段講習はないので取れる人は取っておいた方が良い。僕はアイスランド、ニュージーランド、アメリカで使う。あるとないではやはり行動範囲が格段に変わってくる。

VISAは必要な国も多いので忘れずに取っておくように。


正直保険が一番悩んだ・・というのは普通の保険だと何か国も跨るものに保険がなく、世界一周保険のようなものになると長期が対象になることが多く、値段が随分と張る。

考えた挙句、ANAゴールドカードの付帯保険にした。普通にマイルの還元率が高いので、それだけでも十分に価値があるのだけれど、保険も最低限は詰まっているのでおすすめ。

クレジットカードの保険は大体出発してから3ヶ月有効なので、こういう中期の旅にはぴったりである。ちなみにオプションで保険のグレードを一時的に上げることも可能だそう。


そういう訳で5月1日からしばらく旅に出かけてきます。どんな旅になるでしょうか。ドキドキ、ワクワクです!

旅の様子はnoteで発信していくつもりなのでお楽しみに!


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