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【ファイナンスラボ】大手町のランダムウォーカーさんの財務分析プロセス

こんにちは、立ちコーギーです。

大手町のランダム・ウォーカーさんの勉強会に初めて参加してきましたので、レポートをお届けしたいと思います。

ファイナンスラボって何?という方は以下を参照していただければ!

蛇足ですが、今回がnote初投稿なのでご作法等で問題ありましたらご指摘いただけますと幸いです。

勉強会の詳細

今回の勉強会のテーマは「アパレル業界」
マーケ戦略のプロの黒澤さんとのコラボ勉強会ということもあり、アパレル企業の企業戦略を、マーケティング視点・財務視点の両方から見ていくというとても豪華な内容でした。

会計クイズはアパレル小売業のPLからの出題。
・インディテックス(ZARA)
・ファーストリテイリング(ユニクロ)
・しまむら

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みなさんは正解がわかりますか? またその理由を説明できますか?
比較的身近な小売アパレル3社ですが、それぞれのビジネスモデルの違いはよくわかっていないという方が多いのではないでしょうか。(自分も全くわかっていなかったです笑)

本記事ではクイズの解説に焦点を当てていないので答えだけ言っちゃうと、正解は②です。理由を知りたい!ってなった方はとりあえず@OTE_WALKさんをフォローするのをおすすめします。

では本題です。

# 大手町のランダムウォーカーさんの財務分析プロセス

今回の勉強会では、「分析フロー実況中継」をしてくださったのですが、それを自分なりに整理したものが以下になります

0. 分析する前に大きな構造で分け、比較対象を決める
1. ざっくりビジネスモデルを把握する
2. フレームワーク(例えば4P分析)をもとに仮説を立てていく
3. 仮説に基づき、財務諸表や有価証券報告書などを読み解いていく

それぞれ見ていきましょう。

# 0. 分析する前に大きな構造で分け、比較対象を決める

ランダムウォーカーさん曰く、

分析の軸を決めずに比較だけしても全く意味のないものになる
同じアパレル小売業だからとりあえず比較してみるとかは全く意味がない

つまり、比較対象の選択でアウトプットの質が決まる

たとえば、しまむらとファーストリテイリングを比べただけでは商流の違い(自社で企画生産 or 仕入れ販売) 以上の大きな理由で財務的な数字に大きな差は現れてきません。
分析対象を決める前に、大構造で分割してみてどの企業を比較したら面白いかを考えるのが重要ということでした。

# 1. ざっくりビジネスモデルを把握する

ざっくりとどういうビジネスなのかを把握することから分析を始めます。

例えば今回のテーマであるアパレル小売業でいうと、SPA(自社で企画生産)なのか仕入れ販売なのかで大きく異なります。また、同じSPAでも扱っている商品の性質にどういった違いがあるのかを見ていきます。

# 2. フレームワークをもとに仮説をたてていく

ざっくりとその企業の商売を把握したら、フレームワークを用いてより分析を進めます。

例えば4P分析を用いて、どのような戦略の違いがあるのかを整理していきます。

Product: 製品 (何を売るか)
Place: 流通 (どうやって届けるか)
Price: 価格 (いくらで売るか)
Promotion: 販売形態 (どうやって知らせるか)

ここまで進めたときのアウトプットのイメージは下記のとおりです。

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フレームワークをもとに整理を進めたら何かしらの仮説を立てられる状態になっていると思います。
例えば、SPAという大枠では共通のファーストリテイリングとインディテックスでも商品性質のちがいから
・在庫の持ち方
・広告宣伝のうちかた
には違いがあるんじゃないかみたいな仮説が立てられます。

# 3. 仮説に基づき、財務諸表や有価証券報告書などを読み解いていく

ここまでの分析でいくつか浮かび上がってきた仮説をもとに実際の数値等を見ながら財務分析を進めます。

たとえば在庫に関して違いがあるのではみたいな仮説を立てた場合は、棚卸資産回転期間にどういう違いがあるのか有価証券報告書をみにいくみたいなアクションがとれると思います。

具体的には以下のような数値が今回のクイズの解説では触れられていました。
・棚卸資産
・棚卸資産回転期間
・期ごと売上高・客数・客単価
・粗利率
・売上高総利益に占める広告宣伝費の比率
・売上高総利益に占める償却費の比率
・有形固定資産の内訳

仮説の裏付けを進める中で、また新たな仮説がうまれて分析が深まっていくプロセスがあるのではないかと勝手に想像しています。
以下が、今回のランダムウォーカーさんの分析のまとめです。

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# まとめ

仮説ベースで分析していくことで、無機質な情報が意味をなしてくるのはとてもおもしろいですね。
どうやってあんなに面白い会計クイズを作っているんだろうかと以前から疑問だったので、分析プロセスを公開実況してもらえる機会はとても貴重なものでした。

個人的には、仮説を作り出すまでの過程が難易度が高いんじゃないかなと思っているので「#1. ざっくりビジネスモデルを把握する」だったりフレームワークをもとに仮説をたてていくのプロセスをもっと詳細に知りたいなと思っています。

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