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ヨーロッパ day1 ドーハの悲劇

それは12月のある日のこと。いつも通り大学に重役出勤し、周りがクリスマスなる米帝主義の申し子に浮かれる中ひとり授業を受け…寝ていた。そんな睡眠学習真っ盛りのこの陳腐な脳内で囁く声が。

お前、今年度中にヨーロッパ行く言うたよな?

でもお金ない…
そう、僕にはお金がなかったのだ。なんせインドシナに飽き足らずちゃっかり台湾も行ったこの身である。そりゃあ金ないに決まっている。だが声は言う。

そんなんバイトすればええんじゃ

あっ、そっかぁ(痴呆)
こうして偉大なる声に従いヨーロッパに行くことに。とそれに伴い12月と1月にバイトを湯水のごとく叩き込んだ…(のだが夏休みのアホみたいな社畜生活を成し遂げた僕にとってはぶっちゃけ雑魚にすぎなかった)。切断するキャベツからガチで悲鳴が聞こえた時はちょっとヤバいと思った。

と、いうわけで関西国際空港様を訪問。三ヶ月ぶりの関空様である。使う航空会社はカタールエアウェイズ、ローマ往復65000円、やっす!プライスレス!グッバイJAPAN、チンケな黄色い猿の島国から白人様の国に行くよ!
ちなみにカタール航空、全席スクリーン付きでスターウオーズ全話視聴可能で機内食も美味ととても良かった。ただ、マンゴージュースだけは絶望的な不味さを感じる。

↑カタール航空機内食①。ブルガリアヨーグルトでプラス1000点!!

↑カタール航空機内食②。ブルガリアヨーグルトがないのでマイナス100000点…

暑い。

空港に着き、飛行機から降りた僕が最初に発した言葉である。午前4時に着いたが気温は22℃、2月のヨーロッパと言うことで防寒対策を極めてモッコモコの羊さん状態で来た僕にとっては灼熱地獄、溶鉱炉に叩き込まれたターミネーターの気分である。

なぜこんなに暑いのか。理由は簡単である。

ここはヨーロッパではない。

ドーハだ

そう、我らがカタール航空は関空からローマまで直接飛ばしてくれない。
途中まさかのドーハ乗り継ぎ10時間の刑である。自分の国を観光させてあげようという優しい気遣いに涙が出る。

これがドーハの悲劇か。

最初はドーハのハマド国際空港の巨大さにテンションアゲアゲだった僕だったが、僕は大阪人。歩行スピードが速けりゃ飽きるのも速い。てか1時間も徘徊すればさすがに飽きる。あー後9時間どうしよぉ。キッズスペースの滑り台でなんとか耐えようと思ったが30分が限界であった。
うーん参った。ハマド国際空港の充電プラグ、チャージスピードが半端ないのでネットサーフィン余裕やん!と喜ぶも肝心のWi-Fiが遅すぎて逆に辛い。放置プレイとは、、、

↑ハマド空港名物、パーマかける熊

さて、そんなこんなでアテもなくフラフラしてる僕の前に、ドーハシティツアーと書かれた謎のデスクが。ここで僕は気付いた。これがあの旅界隈には有名なブツなのだと。
このツアー、カタール航空が主催しており時間は3時間と短いがなんと無料である。ビザ代すら本来数千円かかるところを無料である。
さすが金持ち国家、やることが違う。こんなん行かない訳がない。
というわけでその場で申し込み、8時開始のツアーに急遽参加である。なお当然の如く日本人は僕一人だ。ガイドはトニー、怒ると怖いらしい。

↑ドーハの摩天楼

専用のバスに乗り込みドーハの中心部に。郊外に何もないせいか、相対的に都市部のビル群がめっちゃ高く見える。いや実際高いんやろうけど。
最初にパール=カタールへ。ここは高級店が立ち並ぶ明らかなブルジョワエリア。ロールスロイスとフェラーリが店舗向かい合わせとか笑うわ。他の客も誰一人財布を開けようとはしない。
ガイドのトニーはまさか我々がこんな砂の国でフェラーリ買うとでも思ったのだろうか。

↑ブルジョワゾーン

続いて文化村へ。こちらはカタールの芸術と伝統を称える文化的ホットスポットらしい。敷地自体は非常に広く、巨大な劇場もあるがどこかこう、作り物感というか、、、ディズニーのテーマゾーンみたいな、、、。綺麗過ぎて生活感がまるでない。い、いかんこんなことを書くとディズニー大好き女子に抹殺されてしまう。

↑文化村最強の名物らしいが鳩ノ巣にしか見えない

↑文化村内の劇場

文化村を後にしてスーク=ワキーフへ。ここらツアーの中で一番良かった。スークとはイスラム圏の伝統的な商店街のことだが、ちゃんとイスラム的な雰囲気がプンプンでている。ブルカ丸被りの女性が普通にポテチ買い占めてたのは笑ったが。そしてカタールJK(目測)がどちゃんこ可愛かったです。

↑スーク内。

↑カタールの女性

ここではガイドのトニー、めちゃくちゃ我々に金を使わせようとあの手この手で高い品を勧めてくる。推しの弱い金持ち白人様はオーイェーと載せられ次々に購入していくが貧乏日本猿の僕は手も足も出ない。僕に声をかけるトニーの顔が哀れみで満ちていたのは錯覚ではないだろう。

虚しい気持ちの後はイスラム美術館へ。ここで偏差値の高さをアッピールや!と意気込むが改装中らしく結局入れず。虚しさが増す。

↑遠目にイスラム美術館を眺める。

思ったより微妙で残念なドーハ市内。ツアーが終わるとまたもや暇に(いやタダなのだから文句を言うな)。また3時間もやることがない。と、いうわけでこれを書いてます。これから遂にヨーロッパへ向かいます。

#日記 #エッセイ #一人旅 #海外旅行 #バックパッカー #カタール #写真 #中東

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