第一次インドシナ day1 はじめてのがいこく
「海外、行きたくね?」
そう心の中の悪魔が囁き出したは2015年のこと。同年3月に九州を一周したことで国内の大部分を制圧したことになった僕が次に目をつけたのは、大阪のヒーローこと豊臣秀吉と同じく我らがユーラシア大陸。
なおこの段階での海外経験はゼロ。
「僕な、ヨーロッパ行ったるねんw」当初の僕はそう息巻いていた。所属サークルの自己紹介欄のところを見れば”イタリア行きます!”と書いた愚かな僕の幻影が見える。
明らかにローマの休日の影響だが、当時の僕は気付いてなかったのだ。旅行における最大にして最凶の難関、すなわち”金欠”に。口座の中身と月収を見てビックリ仰天、
足りないのである。
いや、当たり前やん。
だがそこで僕は考えた。夏はひたすら金を貯めて、来るべきヨーロッパまで耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶか?それとも近場にとっとと行くか?ひたすら問答を繰り返す僕の脳内の元に、旅行の神から蜘蛛の糸が垂らされた。
神は言う。エアアジアならバンコク往復で4万円よ、と。
あ〜ん、即決ぅ〜。
金に弱い僕は即決してしまう。そもそも待つのが嫌いな僕にとって耐えて忍ぶなんて高等テクニックは不可能であったのだ。
こうして僕の海外初体験はタイになったわけだが、航空券を購入して浮かれてしまい、気付けば旅行当日に。
なんか目の前にはデッカい建物が。そこらのヘッポコ空港ではなく、インターナショナルエアポート。僕と同い年の関空様である。
とはいえここまで海外経験ゼロの僕、書いてあることがサッパリだ。デパーチャー?アライバル?こちとら英語の成績はポンコツだ。
係員のお姉さんに連行…案内されなんとかチェックイン。よっしゃこれで無敵やぁぁ!!
綾鷹とビスケットを買い、いざ保安検査場へ赴く。
え、綾鷹、ダメ?ペットボトル持ち込み禁止?
綾鷹の寿命、5分。
だがこの5分間で確かな絆を紡いでいた僕と綾鷹。絶対お前の死は無駄にはしないとその場で一気飲み。ゴプッ、これで俺とお前は一心同体だ。
お腹をタプタプにして改めて保安検査場を突破。高い高い免税店をガン無視して進む僕の前に待ち受けるはエアアジア機。
それではさよなら日本列島!
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