発刊順:83(1965年) ベツレヘムの星/中村能三訳
マローワン名義で書かれた、クリスマス・ストーリーの短編がいくつかと詩が収められている本。
ミステリーではないが、訳者の解説に
とあります。
短編「ベツレヘムの星」では、堕天使ルシファーが善の天使を装ってマリアの息子(イエス)が未来、苦しむさまを見せ、その苦境から救うために今すぐこの命を差し出させようとマリアを騙しにかかる。
純粋なマリアは、すぐには答えを出せず悩み苦しむが、ルシファーにこう言う。
ルシファーが消え去った後に、幼な子はほほえみながら「でかした」とでも言うように、ちいさな両手を母親のほうに差し出していた。
クリスティーらしいひねりとユーモアも散りばめらたクリスマスの小作品に出会えます。