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【クルーズ船】豪華絢爛?男ふたりで西地中海を4泊5日で周遊してみた。【MSCメラビリア】

たまには”旅行”がしたい。

言われるがまま乗り物に乗り、案内されるがまま観光地を巡りたい。ついでに、周囲の人があまりやらないちょっとレアな経験をしてみたい。それが今回の乗船のきっかけだった。


MSCメラビリア号で行く4泊5日西地中海3カ国周遊ツアー


希望の日程にあうクルーズを探して、H.I.S.のお姉さんと密に連絡を取る。こんな経験は生まれて初めてだ。なるべく安く、なるべく船泊日数を多く、絶対にテラス付きの客室で、なるべく大きなクルーズ船に乗る。こんな僕らの無理難題にお姉さんが導き出してくれた答えがこれだ。

※メラビリア号の詳細:MSCメラビリア−MSCクルーズの客船』(公式HP)
メラビリア号の詳細は上のリンクを。あまりにデカくて説明しきれないのでここでは割愛。洋上で唯一シルク・ド・ソレイユが観られるのがこの船。

どうやら様々なオプションがあり、寄港地での日本語ガイド付きツアーやら船内添乗員同行やら現地ツアーやらの付帯を勧められたが、アメリカ合衆国でキャンピングカーの屋根を吹き飛ばして7,000ドルの負債を負ったことのある僕を甘くみてもらっては困る。

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衝撃のビフォー・アフターに関するお話はいつかどこかで。

オプションは全てなし、自分のことは自分でやる。用意してもらったのは往復の航空券と空港〜港間の送迎、メラビリア号の乗船権のみだ。この時点で予定していた「言われるがままの旅行」ではなくなってしまった。

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実際のところ、オプションなしの本当の理由はほぼ予算。

成田からドーハを経由して約15時間、僕たちはローマの南、通称レオナルド・ダ・ヴィンチ国際空港に降り立った。

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オイルマネ〜♪

予定では現地の日本人コーディネーターが空港から車で1時間ほどの港まで送ってくれることになっている。僕たちは日本出発前、卑しくも彼らと交渉して港へ行く前にちらっとローマ市内を回ってもらおうと考えていた。もちろんタダで。これから豪華客船に乗り込もうというのになんという貧乏くささだろうか。

そんな僕らの魂胆を見透かしたように、現れたのはクールな日本人女性とグラサンの似合うスーツ姿のイタリアン大男。なんでも次のアポイントがあるとかないとかで、コロッセオの外観すら見せてもらえないまま、黒塗りのバンは海沿いのハイウェイを港へ向けて爆走してしまった。

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「この調子じゃあバルセロナでもおんなじ感じかな。サグラダ・ファミリアもカンプ・ノウもみれそうにないな。」


僕たちの旅程はこうだ


1日目ローマ着。市内観光(失敗)。午後乗船、シチリア島へ。船内泊。
2日目シチリア島着。夕方の出航まで寄港地観光。船内泊。
3日目マルタ島着。同上。
4日目終日クルーズ。船内泊。
5日目:早朝バルセロナ着。下船後、午後3時のフライトまで市内観光。
(往復のフライトは除く。)

正直、寄港地のことはほぼ下調べはしてこなかった。今回の旅行の最大の目的はクルーズ船に乗ること。なので寄港地の情報も船内で仕入れよう。それでこそクルーズの旅ってもんだ。

唯一知っていたのはシチリア島の何とかとかいう博物館みたいな建物が、映画『ゴッド・ファーザー3』のロケ地として有名ってことくらい。それにしたって旅の目的にするには弱い。やはりクルーズ船に乗ることが全てだ。

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注)パレルモのマッシモ劇場です。ファンの方すみません。ゴッドファーザーは全部観ました。名作です。

そう考えれば、わざわざコロッセオなんかに立ち寄って古代ローマ人が流した血の匂いなんて嗅がなくたって全然いい。全然いいんだ。

平均時速150キロのバンの中でウトウトしていたのも束の間、グラサン男の運転で僕たちはチビタベッキアの港に到着した。目の前にはiPhoneのパノラマ撮影ではとても収まりきらない巨大な船体が迫っている。

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その佇まいはもはや高層マンション

列に並んで乗船手続きに臨むと、パスポートと乗船チケットを見せろと言われるが、乗船チケットなどは持っていない。聞いてないよH.I.S.の姉ちゃん。案外任せっきりにもしていられないようだ。「言われるがまま乗り物に乗り込む」、失敗。

船内のIC支払いにも使えるカードキーを渡されるといよいよ乗船だ。

意気揚々とタラップを渡る


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乗船時の記念撮影。合成技術で5パターンくらいあった。

撮らされがちな記念写真。どうせあとで1枚3000円くらいで売りつけられるんだろうと思っていたら、3日目くらいに生写真が部屋に届けられた。さすがに持ち帰るのは有料だったが写真を写真に収めるのはタダ。カシャカシャ。

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全面鏡張りで迷子になりそう

乗り込んだものの停泊しているからか”船に乗った”感がまるでない。12966号室ってあっち?こっち?そっちってどっち?…僕らは軽く「いったいどうなってるんだピンチ」に陥りながらも、豪華なホテルのエレベーターに乗り込むと4日間お世話になるキャビンへと到着した。

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客室エリアは本当にどこも、どこまでも同じ景色。部屋番号を忘れると大変なことになる。全面鏡張りどころではない。

荷物を置いてひと息つくと、とりあえず船内をさらっと偵察して回る。本当に何でもある。僕が今住むO市のあるT平野なんかよりよっぽど娯楽がある。

大好きですよ、草刈正雄さん。

ダンスホール、巨大ワインセラー(?)、映画館、劇場、プール、カジノ、ジム、体育館、キラキラ光る階段、高級レストラン、寿司屋、バー、商店街、スポーツバーetc…

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ダンスホール。老若男女が楽しめる。

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巨大なワインセラー(?)

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映画館

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メインプール。他にも数カ所、それぞれ趣の異なるプールがある。

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カジノ(内部は撮影禁止)

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ジム。こんなところまで来て鍛えるとは何事か。

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96メートルのプロムナード。天井には「洋上最長」のLEDドーム。

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スポーツバー。何事か。

・・・ところで、僕らのキャビンではさっそく海外男2人旅あるあるがひとつ発生していた。


ダブルベッド


後で聞いたら2分割できたらしいけど、僕たちはこのままで寝られるか2人で横になってテストしてみた。問題なさそう。室内の様子は誰にも見られないので、僕らが良いならそれで良い

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台湾、タイ、ネパール、通算4度目の男性とのダブルベッド。寝心地はもちろんふかふか、最高だ。

のちに日本人と中国人の国際ゲイカップルに勘違いされる僕らの船旅はこうして始まった。もはや勘違いされてしまったらベッドが別れていようがいまいが関係ない。

夕食は上のほうの階にあるバイキングで済ませ、船内に何ヶ所かあるバーカウンターでオシャレなカクテルを注文した。甲板でも船倉でも、どこに持って行って飲んでも良いらしい。

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支払いはカードキーで。ジャジーな音楽が流れる。(ノンアル)

実は我々、そうのんびりもしていられない。書きそびれたがメラビリア号はとっくにローマを出港し、シチリア島のパレルモへと針路を取っている。

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早急に明日の寄港地観光の予定を立てなければならない。結局首輪を引き回されるツアー旅行は自分にはできないことを痛感しながら、キャビンに戻ると通信速度のおっそいWi-Fiで必死にパレルモ散策ルートを練り上げる。

船内の寄港地観光マップなども参考にしながら数時間、ついに明日のシチリア島半日観光ツアーが突貫工事で出来上がった。全容はこうだ。

「とりあえずマッシモ劇場行って、教会行って彫刻見て教会行って絵見て広場行って息吸って、名物のお菓子食ってKIKO MILANO行ってピザ屋で本場のピザ食って帰る。」

明日は何枚の映え写真が撮れるだろうか。(続く)

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ライター:とよだの化身

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