「車でお遍路」第66番札所 雲辺寺(四国霊場最高峰「四国高野」で「讃岐の関所寺」)
こんにちは、旅いこかです。
四国八十八箇所巡礼、弘法大師との「同行二人」の旅、66番目のお寺は、
巨鼇山 千手院 雲辺寺
65番札所の前神寺から約30㎞、車で約60分の場所、
ここ、雲辺寺は讃岐香川「涅槃の道場」最初の札所。
と言いながら厳密には住所は徳島県三好市、阿波徳島だがほぼ県境。
これまでの長いお遍路もいよいよ最後の道場なのです、阿波徳島「発心の道場」で修行への志を固め、土佐高知「修行の道場」で自らと向き合い、伊予愛媛「菩提の道場」で迷いから解かれた筈。
さあ、讃岐香川「涅槃の道場」で悟りに至るまでお参りしましょう。
雲辺寺は、雲辺寺山の山頂(標高911m)にある四国霊場中最高峰で別名「四国高野」と称される、涅槃の道場「讃岐の関所寺」でもある。
かつては「遍路ころがし」と言われた難所も、1987年に雲辺寺ロープウェイ(所要時間約7分)が開通したお陰で、今では車でお遍路の場合は山頂の広い境内まで快適に参拝することができる。
雲辺寺は、弘法大師が雲辺寺山に3度入山して学問・修行の道場として栄えたお寺である。
では、「涅槃の道場」最初の札所「雲辺寺」へ参りましょう。
ご詠歌
お参りする前に知っておいた方が良い知識
歴史
延暦8年(789年)、佐伯真魚(後の弘法大師)16歳の頃、善通寺(第75番札所、大師生誕の地)建立のための木材を求めて雲辺寺山に入山
その際、この地の美しさに心を打たれ霊山と感得し堂宇を建立したことが雲辺寺のはじまり大同2年(807年)、弘法大師34歳の頃、再び雲辺寺山に入山して秘密灌頂の修法を行う
弘仁9年(818年)、弘法大師45歳の頃、嵯峨天皇(在位:809-823年)の勅願によりご本尊の千手観音菩薩を彫り安置、仏舎利と毘盧遮那法印を山中に納めて七仏供養をして霊場と定める
その後、霊場には阿波・高知・伊予・讃岐の各坊がある「四国坊」があり、四国の学僧たちが集まり栄える
貞観年間(857-877年)、清和天皇の勅願寺となる
承徳2年(1098年)、火災で全山焼失
平安時代(794-1185年)末期、中興の祖・願西上人が現存するご本尊の千手観音と毘沙門天を彫り安置
鎌倉時代(12世紀後半-1333年)、阿波守護の佐々木経高(経蓮)の庇護を受け七堂伽藍と十二坊を備え、末寺八ヶ寺を有する大寺院となり学問・修行の道場として「四国高野」と称され全盛を極める
応長元年(1311年)、京都西園寺家により寺領寄進を受ける
天正5年(1577年)、土佐を統一した長宗我部元親が雲辺寺を訪れ、住職の俊崇坊に四国統一の野望を語る(詳細は下述「裏山問答」)
江戸時代(1603-1868年)、阿波国藩主蜂須賀氏の祈願所となり、蜂須賀氏の庇護を受けて繁栄
昭和62年(1987年)、雲辺寺ロープウェイが開通、多くの参拝者が集まる寺院となり現在に至る
長宗我部元親の「裏山問答」
寺号について
寺号について
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ご利益
御本尊の千手観世音菩薩
・・・災難除け、病気平癒、長寿、夫婦円満、恋愛成就などの現世利益と後世利益雲辺寺の観音様
・・・「香川のむかしばなし」より、目の悪い人がお参りすると良く治るといわれている
御本尊・ご真言
見どころ
水堂
・・・大師自らが掘り当てた井戸の名水、手など洗わないでお飲みくださいという珍しいメッセージ。「南無大師遍照金剛」と唱えて飲むようにとのこと。本堂
・・・御本尊に千手観世音菩薩を祀る大師堂
・・・大師が3度入山するという思い入れの深い場所。宝物館
・・・御本尊の千手観世音菩薩坐像、毘沙門天立像、不動明王立像など重要文化財ほか寺宝を収蔵。五百羅漢
・・・圧巻の一言です。羅漢さんの表情とお姿は千差万別で自由奔放なお姿の中にも唯一変わらぬもの、それは眼。様々な表情の中に眼だけはしっかり私たちの心を見てくれている羅漢さんは、仏法を守護し私たちを救ってくれる聖者だといいます。おたのみなす
・・・「親の意見となすびの花は万に一つの徒もない」の諺にもあるように茄子の花は一つの無駄なく実になり、「成す」との語呂が同じで努力が報われ願いが叶うという。
願いを込めて「おたのみなす」をくぐって腰掛けるとご利益は倍増するという。一言観音
・・・「一言だけお願いしてみてください」とのこと。毘沙門天展望館
・・・雲辺寺山の眺望を楽しめます。
その他
雲辺寺は、大師が見張り「邪悪な心を持つ人は天罰が下り、山門から先へ進めない」という四国の四道場それぞれに一つある関所寺「讃岐の関所寺」。因みに、「阿波の関所寺」は第19番札所立江寺、「土佐の関所寺」は第27番札所神峯寺、「伊予の関所寺」は第60番札所横峰寺。
おまけ情報
雲辺寺ロープウェイは、17時まで20分毎の運行で料金は大人往復2,200円(2022年4月時点)です。
写真
次は、第67番札所大興寺へ参ります。
2022年7月16日投稿
2022年10月10日改訂
合掌
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