見出し画像

「車でお遍路」第60番札所 横峰寺(車でも辛い伊予の関所寺)

こんにちは、旅いこかです。

四国八十八箇所巡礼、弘法大師との「同行二人」の旅、60番目のお寺は、

石鈇山いしづちざん 福智院ふくちいん 横峰寺よこみねじ


59番札所の国分寺から約33.0㎞、車で約70分の場所、

横峰寺は、第19番札所「阿波の関所」立江寺第27番札所「土佐の関所」神峯寺、に次ぐ3番目となる伊予の関所であり遍路ころがし最難所と言われたお寺。

それもそのはず、西日本最高峰の切り立った山、山岳信仰(修験道)で知られる日本七霊山のひとつ石鎚山(標高1982m)の中腹(750m)にあり、四国霊場では3番目の高さの札所という山岳霊場。

松山市から今治市まで14ヶ寺を比較的すいすい走らせていた車も、突然のくねくねした急な坂道で唸っている。対向車が来るとすれ違えないほどの狭い山道を延々と走る。

その後、途中で料金所(普通車1,850円、軽自動車1,450円)に。
この平野林道という山道、料金を払ったからと言って道がよくなるわけでもなく、約5.0㎞の道程を対向車が来ないように祈りながら運転

私の参拝した4月、横峰寺のある西条市の最低・最高気温は8.7℃~18.5℃、平均気温は13.5℃。それが、平野林道では車の外気温表示では2℃、3月2日には積雪・凍結で通行止めだったというから非常に寒く路面凍結の注意も必要。

車お遍路でも運転や寒さに厳しいということは、歩きお遍路だとどれほどのことか、、、伊予の関所、お遍路ころがし最難所、というのを実感する。

では、伊予の関所寺という札所「横峰寺」へ参りましょう。

横峰寺は山岳霊場の聖地という石鎚山の中腹に自然と調和し静かに佇んでいる 背景の樹々も剪定したように美しい
横峰寺本堂


ご詠歌

たてよこに 峰や山べに 寺たてて あまねく人を すくふものかな


お参りする前に知っておいた方が良い知識

歴史

  • 白雉2年(651年)、修験道の開祖役行者小角えんのぎょうじゃおづぬ(第47番札所八坂寺を開基)が石鎚山の星ヶ森(横峰寺から約600m上の遥拝所)で修行をしていると山頂付近に蔵王権現が現れた
    そのお姿を石楠花しゃくなげの木に彫り小堂を建て御本尊として安置して開基

  • 天平年間(729-749年)行基菩薩は巡錫でこのお寺を訪れる

  • 延暦年間(782-806年)、住持していた石仙(杓然)仙人は桓武天皇の脳病平癒を成就、菩薩号の称号を賜る

  • 大同年間(806-810年)、巡錫でこの地を訪れた弘法大師は、このお寺で42歳の厄除けの護摩を焚き開運祈願の星供養を修法
    その際、石楠花の木で大日如来を彫り胎内に役行者小角が彫った蔵王権現像を納めて安置、堂宇を整備して札所と定める

  • その後、神仏習合の別当寺として栄える

  • 明治8年(1875年)神仏分離令により寺院廃寺石鎚神社の横峰社となる。

  • 明治42年(1909年)、檀家と信徒により横峰寺として再興、現在に至る


大師伝説


寺号について

  • 寺号について
    明治初期の神仏分離令が発令された際は、横峰寺よこみねじの読み方を変え大峰寺おうみねじと名称変更していたという。


ご利益

  • 御本尊の大日如来は、大宇宙を身体としてあらゆる如来、菩薩、明王、神々を生み出す根本仏と考えられており、諸願成就の仏さま


御本尊・ご真言

本尊:大日如来
真言:おん あびらうんけん ばざら だとばん


見どころ


  • 本堂
    ・・・御本尊に金剛界大日如来坐像を祀る

  • 星供大師
    ・・・元は石仙菩薩しゃくせんぼさつを祀っていた開山堂の跡地に建つ

  • 星ヶ森
    ・・・山岳霊山の聖地石鎚山の西の遥拝所、時間があれば是非訪ねておきたい場所


その他

「関所」とは、「悪いことをした人、邪心を持っている人は、お大師さんのお咎めを受けてここから先は進めなくなる」と云われる場所。

横峰寺は車遍路でも大変なのですが、かつては歩かなければならない唯一のお寺だったとのこと。車で近くまで行けるようになったことを有り難く思います。

平野林道は、冬期(12月末より翌2月末)と夜間は天候に応じて通行禁止となりますのでくれぐれもご注意ください。

山岳霊場ならではの景色


写真


次は、第61番札所香園寺こうおんじへ参ります。

2022年7月4日投稿
2022年10月9日改訂

合掌

この記事が参加している募集

私の遠征話

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?