これからは尖ったものが生き残るのではないか
みなさんは、こんな旅館があることをご存知だろうか。
あんこうの宿まるみつ旅館 。
茨城県北茨城市にある旅館なのだが、こちらは”あんこう鍋専門の宿”として有名で、あんこう鍋料理はもちろん、あんこうに関するグッズまでも存在する。
ただ、あんこうを押している訳ではなく、以前には「鍋-1グランプリ」で優勝しており、質が高いこともポイントである。
さらに、宿泊施設としては珍しく、「あんこう鍋通販ショップ」があり、宿泊しなくてもあんこう鍋を楽しめるのだ。
こうして分かる通り、旅館の接客や温泉、客室など素晴らしい点は他にもあるだろうが、まるみつ旅館の強みである”あんこう鍋”をひたすら尖らせている。
あんこう鍋をブランド化させることで、結果的に自然とまるみつ旅館の集客にもつながっているように見える。
宿泊施設はもちろん、飲食店や企業、地域にはそれぞれの”らしさ”つまり”良さ”がある。
しかし、その自分達らしさがいまいち分からず、お客さんにとっても何が良くて行くのかが明確でないと、どこも一緒のように思えて、(安ければ)どこでもいいよね、となる。
地域のHPや宿泊施設のHPなどは、その”らしさ”がいまいち出ておらず、どこも一緒のようにも感じる場面がある。その”らしさ”に気づき、尖らせることで、まるみつ旅館さんのように自然と集客し、ファンも増えるのでは?と思った。
日本には、素晴らしい歴史や伝統文化、食や自然、人が存在する。そして、どこも同じ良さではなく、それぞれ違った素晴らしい魅力がある。
そこに魅力があるから、観光や旅行、宿泊するのだ。
少し前に、USJを再建した森岡毅氏が言っていたこれに近いかもしれない。
いくら網羅的に頑張っても、弱みを強みに変えようともほとんどは上手くいかない。
人や商品サービスの強みを理解し、そこを尖らせてあげることで、結果が出るのではないか。
もう一度、自分らの魅力、強みとは何か、を考えることも必要かもしれない。
最後にもう一個だけ、取り上げてみよう。ここも強みを尖らせてファンの心を掴んでいる宿泊施設がある。
※おまけです。応援してくれる方、差し入れ(募金)お願いします!
伊豆・稲取温泉にある「食べるお宿 浜の湯」だ。
こちらは、1組に対してのおもてなしが素晴らしいのはもちろん、ほとんどの部屋から見えるオーシャンビューは絶景で、贅沢な空間である。
そして、何よりも名前の「食べるお宿」というだけあって、お料理が特別だ。中でも稲取周辺は「金目鯛」が有名で、金目鯛の漁獲量は、稲取が県内第1位!とのこと。
また、「浜の湯ショッピング」という自宅でも板前の味が楽しめる通販販売も行っている。金目鯛姿煮や煮汁が人気で、リピーターが多いことから始めたそうだ。
この食べるお宿 浜の湯さんの金目鯛を始めとしたお料理の強みを尖らせたことで、2020年以降より強い尖りを見せた。他の宿泊施設などと同様に2020年に新型コロナウイルスの影響を受けて、苦しい状況であった。
しかし、一番の強みである「金目鯛」がピンチを救ったという。
インターネット上で売り始めてわずか10日間で1,000匹が売れたのだ!
詳細はこちらを読んでほしいが、、
こういう状況下ということ関係なしに、人でも食でも、温泉でも、、何が強みなのか、何を尖らせるのか….
そこを考えて、強みを尖らせて、お客さんに伝えないと冒頭に書いた通り、どこでもいい、安ければ何でもいいということになってしまう。
だから、「これからは尖ったものが生き残るのではないか」。
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