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会社を辞めたらこうなった〜17日目〜

4月20日、会社を辞めて17日目。

明日の授業前に、担当者の方と顔合わせをさせていただきた。
自己紹介をするとまず第一声に
「研究者の方なんですか!?」
と驚かれる。

研究者は外には出る機会も少なく、中々出逢うこともないのだろう。
ということで、今日は私生活が明かされることのない「研究者の日常(秘密)」について、書いてみようと思う。

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「会社をやめたらこうなった〜17日目〜『研究者の日常(秘密)』」

昨日の日記で「出されたものは虫でも、蛇でも、なんでも食べる!」と書いたのだが、実は研究者の時は食べれないものがあった。

そう、それは友人達と旅行に行き、宿泊した宿の朝ごはんでのこと。
いつも通りパクパク食べていたのだが、友達に
「私食べられないんだけど、いらない?」ととある物を差し出した。

そう、それは・・・
「納豆」
納豆は大好きなのだが、研究者であるいじょう、食べる事が出来ないのである。

きっと皆さんの頭の中は「????」となっていると思うので、解説していきたい。

・納豆が食べられない理由

納豆が食べられないのは、決して好き嫌いではない。
むしろ、小さい頃は毎日欠かさず食べていたくらい、納豆は大好きだ。

納豆が食べられないのは、納豆を食べて、中に入っている菌を研究所に持ち込んでしまうと、支障を及ぼす可能性があるため。
実は仕事の都合で納豆が食べられないのは、一部の研究者だけではない。醤油工場やパン工場、日本酒蔵で働く方々と多岐にわたる。

・納豆菌最強説

なぜ納豆を食べてはいけないのか?
それは、納豆菌は他の菌よりも分裂が早く、約30分ごとに倍増し、16時間で1個から40億個にまで増えるといわれているからである。
圧倒的な速さで繁殖した結果、ほかの菌が繁殖する場所を占領してしまう。
また、生育、繁殖にむいている環境が広く、他の菌が生育できないような環境でも生きのびることができる故「納豆最強説」ができあがったのである。

・納豆菌と乳酸菌を同じところに入れるのは、ムキムキ体育会系と、ほっそり真面目くんを戦わせるようなものだなと思いつつ、納豆を眺めて過ごしていました。

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実際、見学を受け付けている酒蔵の中には「納豆菌は清酒の造りに悪影響を及ぼします」「(見学当日の)朝食の納豆は、ご辛抱いただいております」と明記しているところもある。

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日本酒の造り酒屋などの軒先に緑の杉玉を吊すことで、新酒が出来たことを知らせる役割を果たす。日本酒の作り手はお酒を仕込んでいる間は納豆を食べられないため、この緑の杉玉を見ると「日本酒作りも終わり。日本酒の作り手の人もようやく納豆解禁だな。」と思う。

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・納豆のはじまり

そんな、「菌界最強の納豆!」
納豆の発祥にはさまざまな説がありますが、いずれにしても煮豆(煮た豆のこと)とワラの出会いがきっかけだと考えられています。

ある説では納豆のはじまりは弥生時代。
竪穴式住居は床にわらが敷いてあり、中に炉があって適度に暖かかったので、弥生時代の住居はまさに納豆菌のすみかともいえる状態でした。
さらに大豆はそのまま食べるには堅く、おそらく当時の人々も大豆を煮て食べていたと考えられています。
この煮豆が床に敷いた稲ワラの上にこぼれて、煮豆に納豆菌が付着し、竪穴式住居の適度な暖かさが一種の発酵室のようなはたらきをし、納豆が誕生したのではないかと言われています。

・納豆菌

実は、学術的には「納豆菌」という名前の菌は存在しません。納豆菌とは、正式には「枯草菌(こそうきん)」と呼ばれる微生物の仲間で、名前の通り、枯れ草や稲わらなどにくっついている菌です。
枯れ草などだけでなく、土の中にも生息してます。その枯草菌の中で、工業的に納豆を製造するときに使われる枯草菌の一部を、便宜的に通称「納豆菌」と呼んでいます。
活発に活動できる温度は40℃前後です。納豆菌は大豆の糖分やアミノ酸、タンパク質などの成分を栄養にして、豆の表面で繁殖します。

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・健康食としての納豆

1980年代に発見された「ナットウキナーゼ(納豆のネバネバ部分に含まれるタンパク質分解酵素)」。このナットウキナーゼは、血栓の主成分に直接働きかけて溶解する作用があることがわかっています。

つまり、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる、血液の中で固まった血の塊を溶かす働きがあり、成人病の予防効果があるのではないかと期待されているのです。ナットウキナーゼの発見は、納豆の機能的な価値を裏付け、健康食品として食べられるようになりました。

ナットウキナーゼの発見を機に、納豆の発酵過程で生成される健康成分に注目が集まり、骨折予防効果のあるビタミンK2をより多くつくり出す納豆菌をはじめ、さまざまな機能性を発揮する納豆菌の開発が、各メーカーで続々と進められています。

・最後に

研究辞めたら「納豆たらふく食べてやる!」といつも思ってましたが、気がついたら食べない習慣が染みついていました。
せっかく会社辞めたので、色んな納豆買って食べ比べしてみたいなー。

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