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ワクワク~ガックシ~ルンルン一人旅                                その3

文字数:11080字
(上記は「バスティーユ」の夜
   Bastilleはフランス革命が始まった場所とされる)
お知らせ:
約束守りました。コンコルド広場、凱旋門に写真と話題が追加されましたよ。 2022.6.26 夜


記事に入る前にしゃべらせてください

 2013年に妻ががんでなくなりました。
     私は退職してから妻を海外に連れ出すつもりでした。
  本人の体力が落ちていたこともあり時期を伸ばしているうちに
      2009年のクリスマスイヴの日に
        彼女は癌であると宣告されました。
    2010年1月末に8時間くらいの手術をし、
          3年半の闘病が始まりました。
私は医者からの話を妻に全て話しました。
     ただし、5年後の生存確率予測だけは
                 話せませんでした。
   子供たちにはそれも含めてすべて話して
        協力をお願いしました。 

2014年 フランスのパリへ一人旅

一人旅のスタートに選んだのには訳がある
大学生の時に父にもらった『A Tale of Two Cities』(二都物語)
勉強に燃えていた?私は・・・
全文を訳す決意をした
大学ノートに書き連ねたひどい訳文
当時『The Canterbury Tales』(カンタベリー物語 Chaucer著)を購入
へたくそな訳を大学ノートに辞書片手に書き連ねていた
現代語の英語ではないので
ついに最後まではたどり着けなかった
今でも本棚の肥やしだ
大学に入ってバイトのお金で最初に買った書物だ

                           妹夫婦がパリにいた
                       次の年が契約終了の年
         彼らがいるうちにバスティーユに足を踏み入れたかった
                 2人の居住場所はそこまで徒歩5,6分
              行くと決めたら出発半年以上前にネット予約
                  安いに越したことはなかったからだ
        これで大学時代に行きたいと思うようになった場所制覇だ
アメリカならどこでもOK
イギリスならヘイスティングズ
そしてフランスならバスティーユ

ワクワクの始まりだ

空港には妹夫婦が出迎え
特急でパリ中心部
地下鉄でバスティーユの塔の辺りを通り抜け
ごちゃごちゃ歩いて居住地

頼まれていたパソコンを渡して一応ホッと一息
パリに行くと知った妹の夫
スカイプでこれこれしかじか
しばらくしてパソコンが家に送り届けられた
たまたま持っていたパソコン用のバッグが旅のお伴

「一人で歩きたいから、ほっといてね」

世話になるのにいきなりの要求
妹も、「それは助かるわ」
話が合えば早速翌日から一人歩き

とってつけたフランス語の勉強

当時は社会人への英会話講師をしていた
人に会話を教えるならば
自分も会話を勉強しなければ

フランス語との出会いは
大学時代、2年の時
フランス語のクラスに忍び込み
大勢の1年生に紛れて隠密受講
友だちも一緒だったから怖くない
しかし試験を受ける必要がなければ
結局はものにならない
すっかり忘れてしまったフランス語
今更思い出せるわけがない

「私は4月からフランス語会話を勉強します」

社会人学生が「へぇ~」と感嘆
学生に宣言すれば、きっと頑張るだろう
自分へのプレッシャー

NHKのテレビでの会話教室
自分の部屋で黙々と
何しろマンションの一人住まい
邪魔する者はいない
いるとすれば自分自身

ダイソーで単語カードを購入
大切そうな単語にフレーズ
表にフランス語、裏に日本語や例文
週毎に枚数が増え、覚えるものが増え
練習時間が増した

フランス語の独特の発音
意外と気に入ってしまった
出来は不出来
でも気に入れば怖くない

半年の受講期間終了直前に
フランスに向け出発だ
手荷物にはPCと単語カード
既に何度も復習をして
薄汚れて貫禄十分だ
今も部屋のどこかに隠れているはず

あとは何とかなるさ気分
大学生の時の電車通学
揺られながら頭の中での英会話
登場人物はいつも2人
「おれA」と「おれB」
その日に必ず使うフレーズは
出かける前に決定済み
審査員長は「おれC」

ついに妹の住みかから出発
初日はセーヌ河の運河
batobus (バトビュス)乗り場
水上バスとでも言おうか

Batobus 2 - コピー

batobusuは便利だ

 2日乗り放題を使えば安くつく
主な観光スポットには乗り降り自由だ
セーヌ川をぐるりと回る
どちらにしても両岸は橋でつながる
しかも、橋自体が観光地みたいなものなのだ

さて
地図を頭に入れて行動
パリはスリが横行と聞いていた
そこの住人ででもあるような顔
アメリカではその顔で
道を聞かれることも多い

方向音痴に道を聞くなんて
でも結構知っているので答える
勿論英語だ
相手が英語で聞いてくるからだ

セーヌ河はすぐに目に入る
ワクワク ワクワク
すたこらサッサと前進は続く
それなのにbatobus乗り場が見つからない

さすがに焦る気持ち
やはり方向音痴だ
小一時間歩きまわった末に
元来た道を戻ってみた

しばらくすると水着の人々
よく見ると・・・いやでも目に入って来るから
よく見ると、おばあちゃんまで
急にほほえましくなる
さすがパリだ

留学していたアメリカでも
寮のアパートの出入り口の真ん前に
水着の女学生が平気で日向ぼっこ

通れないので、おっと失礼
その一人をまたいでしまった
授業に間に合わないからだ
目と目が合ってしまった
それでも次の日もそこにいた

パリでの初日のその衝撃現場
ふと目をその後ろに向けると
大発見!
地下鉄の駅だ

出入口を探し回って
ついに階段を下りる
回数券購入
結構悪戦苦闘

隣の人の購入現場を盗み見る
真似てみるがうまくいかない
とうとう後ろの人に先を譲る羽目に
おかげで買い方を教えてもらえた

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地下鉄利用はこの駅中心に決めた
通路でとても上手な弦楽器の調べ
10人ほどの重奏
今でもその時の写真がPCの壁紙

Bastille Metro 2 - コピー

ルーヴル美術館

ピラミッド遠望 2 - コピー

とりあえず向かうのは
ルーヴル美術館
ここは最初に制覇しておかないと
素晴らしい建築物
素晴らしい芸術品の数々
圧倒される展示品
圧倒される人の多さ
高い天井までも一流芸術品
首が痛くなりそう

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予習をしてきたわけではないから
訳が分からない
どこを進めがいいのかもわからない
入り口でマップを手にしたから分かるわけでもない
なんせ、自分は方向音痴なのだ
方向音痴を語らせれば、
山ほど話題を持っている

とりあえずは
ミロのヴィーナスだ
モナリザだ
ナポレオン1世の戴冠式だ
サモトラケのニケもある
ルンルン
どこだどこだとにかくまわろう!

ミロのビーナス 6 - コピー
モナ・リザ 2 - コピー
ナポレオン戴冠式 - コピー

サモトラケのニケは動画に集録しているみたいだ
あまりにたくさんの一流絵画・彫刻
知識のなさを痛烈に感じた一日だ
人に疲れ、絵に疲れ、彫刻に疲れた一日だ
しかし、精神はうるおいに満ち溢れた一日だ

まさにルンルン気分の一日だった

2日目どこ行った
3日目どこ行った
なんてことまで覚えてはいない
実は手帳に書いていたのだ
引っ越しの時に
殆んどのものを捨ててしまった
2014年以前の手帳は完全追放
手帳さえあれば
7日間の行程もわかるのに
仕方ないので、場所ごとに記してみよう

Bellville 公園

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パリにはあちこちに公園がある
ベルビル公園は何故か2度も訪問した
景色が気に入ったに違いない
上まで登る道中が気に入ったに違いない
のんびり一人で登るのは楽しい
好きな場所で立ち止まれるからだ
途中にちょっとした広場があったり
小道が何本かあって
小鳥をじっと見たりして
猫に餌をやっているおばさんがいたり
家族で走り回って鬼ごっこ?

でも最初は本当は怖かった
なんとなく怖い雰囲気がした
妹から気を付けて、と言われたからかも知れない
たった7日の貴重な日程で
2回も行ったことを考えれば
本当は怖くなかったのかもしれない
2度目などルンルンだった
ベルビル

家族連れが多かった
この公園は暇つぶしに最適だ
ベンチで本を読んでみた
なかなか快適じゃないか
観光客がいないから
居心地が良かったのかもしれない
そういえば
スリの集団が見当たらなかった
地元に愛された公園
そんな感じだ
今度パリに行く機会があれば
もう一度訪れたい公園だ

気がめいった時には
訪れたい公園だ
遠くに見えるエッフェル塔を見れば
心の問題は解決する
仕事のアイディアも浮かぶ
子供たちの黄色い声を耳にすれば
すっかり虜になる

ただ一つ
残念なお知らせがある
頂上の博物館に行かなかったことだ
入場無料
何と魅力的な響き
その名前は
「空気博物館」

エッフェル塔

目の前に見るエッフェル塔は
見事の一言
その存在感はすさまじい

エッフェル塔 3 - コピー

batobusから見たエッフェル塔はワクワクそのもの
batobusから降りて
そのふもとに近づくにつれて
ワクワクが大きく膨れ上がる

とにかく上に昇らなきゃ
とりあえずはチケット売り場だ
フランス語と英語の表示で
窓口が知らされている
間違うと並びなおさせられそうだ

無事にチケット購入
4本の脚を持つエッフェル塔
そのどこにも同じようなが並ぶ
セーヌ川寄りの脚の前で並ぶ

ガタゴトとエレベーターが到着
乗客が降りる
列が動き始める
その動きに合わせるだけだ
わけもわからず足を動かす
気が付くと窓際に近い

ただすぐ前の人の背が高すぎる
ビデオカメラを上にあげる
撮影が始まる
下の人間が小さくなっていく

この時点では
Empire State Buildingでのエレベーターを思い出す
妻との旅の時は
ビデオカメラはエレベーター内の
小さなテレビ画面をただひたすら映していた
どうせ外が見えないのだ
画面には
今何階という表示
みるみる進んでいく
みるみる数字が大きくなり
上の階に昇る
途中からは10階ごとの表示だ
スピードがあることが伝わってくる

エッフェル塔のエレベーターは
ガタゴトいう割には
何とか展望デッキまで昇る
周りに高い建物がない分
見晴らしのよさは抜群だ

このガタゴトが
St. Louisのエレベーターを思い出させてくれた
(「留学ってきつい、楽しい 2」を参照)

自分がエッフェル塔にいることが信じられない快感
気分上々
ルンルン
展望デッキにワイン売り場
これにはびっくり
さすがワインの本場
飲まない自分が損をしているみたいな気分

上から見るパリの街
高いビルがないから
見晴らしがよい
セーヌ川の曲線美
川向うに宮殿のような建物
次には是非行こう

結局行く時間がなかった

塔から降りると
公園のような緑に広い場所
しばし座って塔を見上げる

すると、若い女性が3人
近づいてくる
何を聞かれたかはもう忘れたが、
明らかに怪しい動きだ

スリ


スリだ、スリに決まってる
人のスキを狙ってくるのだ
そんな時の対処方法
日本語
日本語でまくしたてるのだ
これは初めてSeattleに行った時の経験から身につけた
相手は一瞬きょとんとする
そのすきにゆっくりとその場を離れる

シアトルで何があったかというと・・・
それは
1970年
ミシガンからの帰り
妹の知り合いのアパートにとめてもらった
韓国人のオーナー
親切にも毎夕、夕食を運んできてくれた

3泊くらいしたのだろうか
ある朝、街を散歩する気分になった
何時だったかは覚えていない
まだ観光客が動き回る前だ

すぐ近くには万博に合わせて建設された
スペースニードル
それはあまり興味がない
それよりも海が近くにあることの方が魅力
坂道を降りるあたりに店が開いていた
中を覗くとユダヤ人らしき店主

忘れないうちに絵葉書を買う場所
「どこに行くかね」
「この下の港付近を散歩する予定」
「そちらの方は酔っ払いが沢山いるから
行かない方がいいいけどね」

若気の至り
その店主の忠告を無視
すたこらサッサと坂道を降りた
船が係留されている辺りで
左に曲がってみた
ビックリ ガックシ
壁沿いに酔っ払いのオンパレード
今更向きを変えて逃げるのもしゃくだ

早くこの場所を通り過ごそう
そう思った矢先
曲がって最初に出くわした酔っ払い
何か話し掛けてきた
金をくれというのだ
そこで生まれた窮余の策
日本語だ
日本語であれやこれやをしゃべりまくる
「?????」

してやったりだ
日本語に対して何も言えない
あっけにとられた酔っ払い
彼が気が付いた時には
とっくの昔にその場を遠く離れていた
彼の隣の浮浪者も
またその隣の浮浪者も
からんで来ようとするも
もう手遅れなのだ
金を要求しようにも
ターゲットは既にかなただ

本当に怖かった
ユダヤ人店主の言うことを聞いておくんだった
今でも忘れていない鮮度のよい体験
無事だったことを喜んだものだ

スリの話に戻るが・・・
3人の若き女性たちは
シアトルと同じくあっけにとられていた

少し離れたところで彼らを観察していると
彼らは動いた
彼らの行く先には
中年の男性が2人
そこで何やら打ち合わせ風なやり取り

そういえば同じような場面があった
それはサクレクール寺院
行きは階段を使ったのだが、
帰りは横にある道を使ってみた
そちらを使う人が極めて少ない

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(サクレクール寺院)

サクレクール寺院横の歩道- コピー

( スリがいた通路)

これはやばそう
と感じたところに
下から上ってくる女性3人組
エッフェル塔での女性ではないが
雰囲気は同じ

そこまで警戒をしていたのには
訳があるのだ
1年前に妹のところに来た
姉の経験談だ

女性3人組に取り囲まれて
見事に財布を盗まれたのだ
姉はすぐに気が付いて
財布をすった女の手をつかんだというのだ

すると仲間の一人が
お金を出して
この子がこれを盗んだと言ったらしい

姉の英語は達者だ
見事に痛めつけたのだ
必死で逃げたそうな
逃げたのは姉ではなく
若い女性スリたちだ

妹の家に戻ってから
お金を勘定してみたら
増えてたのよね
と笑っていた

モンパルナス
ヘミングウェイゆかりのカフェ

モンパルナスといえば
どうしても行きたい場所があった
Le Select
ル・セレクトといえば
Earnest Himingway
アーネスト・ヘミングウェイといえば
『老人と海』だ

というわけで
カフェ・ル・セレクトに行ってみた
ヘミングウェイは勿論いなかった
彼が足しげく通った
という事実が
心をワクワクさせてくれた

モンパルナス カフェ セレクト - コピー

旅行案内書にありそうな写真の方がきれいに決まっている
しかし、自分で歩いて探した場所
そこには思い入れがある
逆光でも構やしない

その後はモンパルナス墓地がある
パリには大きな有名な墓地がいくつかある
できるだけ足を踏み入れてきた

モンパルナス
 カタコンブ

墓地巡りは意外とワクワクさせてくれるものだ
教科書でしか知らない著名人に会える気がする
墓地の中を徘徊していると
自分の現在地が分からなくなってくる
期せずして同じところにもどってくると
ほっとさせられる
現実の世界に戻った感覚
サルトルもボーボワールも
あまりにも有名な人物
その人たちに会えた気分

墓地に入った場所とは違う場所から出た
さすがに手には地図がある
カタコンブに是非とも行きたい
本当はどの辺にあるか知らない
人に聞けば済むだけのことだ

Excusez-moi, Monsieur, je cherche... エクスキュゼモワ ムッシュ ジュ シェフシェ
C'est par là? セパラ
「すみませんが、~を探しているのですが」
「あっちの方ですか?」
いきなりの「フランス語会話講座」になってしまった

これはフランスに出発する前に
初日には絶対に使うぞと
決めていた表現というわけだ
例の単語カードに書いていたものだ
おかげでこの頃では
道が分からないとすぐにこのフレーズ出現だ

モンパルナス カタコンブ 4 - コピー

(料金を払うと地下に降りて行く階段がある)

階段を降りると
不気味な㋑薄暗さ
目が慣れてくると
入ってくる景色に驚く
整然と並べられた頭蓋骨
数が半端ではない
数えてみようという気持ちにもならない
そんな景色をただ黙々と歩く

モンパルナス カタコンブ 6 - コピー

静かな上にも静かだ
どれくらいの骨に出会ったのか
最後には明るいパリのどこかに出た
方向音痴でなくても
そこがどこだかわからないはずだ
いざとなれば
C'est par là? セパラがある

この表現を使わなくても
無事に地下鉄の駅に出くわした

パリの墓地が面白い


パリには大きな墓地がいくつかある
どこも面白い
不謹慎な言い方だがおもしろい
モンパルナスの墓地は
地図が手に入らなかったのでよく分からなかった

どの墓地も基本的には地図が手に入る
ペール・ラシェーズ墓地に行ってみた
パンテオンにも行ってみた
前もって勉強していったわけではない
だから、どれが誰の墓地なのか今となっては不明だ

日本の墓地のような陰気な雰囲気はあまりない
それどころか、ピクニック気分の人もいるような気がした
中には美術系の学生かなと思わせる人も見かけた

その人は女性で
一生懸命墓地を写生していた
さすがにフランス語では話せず
英語で話しかけた

すみませんが、動画を撮らせていただいていいですか?
いいですよ。
彼女は返事をすると、
それまでと変わりなく
絵を描き続けた
動画でなく写真に撮っておけばよかった
今でも残念な気持ちがする

いくつかの写真をここに並べてみる

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( オッフェンバッハ )

ドラクロワ- コピー
( ドラクロワ )
チャールズ・ガルニエ コピー
( チャールズ・ガニエル )
エミール・ゾラ コピー
( エミール・ゾラ )
サルトル  ボーボワールコピー
( サルトル  ボーボワール )
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( オスカー・ワイルド )
バルザック- コピー
(  バルザック )

他にもたくさん見てきたのだが
それがどうしたって言われそうだ
有名人の墓地を探すのは
思っているよりも難しくはない
花が活けてあるからだ
墓の前に人だかりがしているからだ
入り口でもらえる地図があるからだ
ただし、あまりの広さに
道を間違えること請け合いだ

モンマルトル

モンマルトルと言えば
サクレ・クール寺院
「スリ」のところで写真を掲載している
下から見上げた時
その階段の多さにうんざりした
まずはその門前町のような土産店の数々
遠目

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階段が気持ちを萎えさせるのだ
門前町をぬけると
とにかく寺院の存在感が充実している
階段の踊り場では
ハープを弾く男性がいた
珍しい
音色が透き通っていた
暑いからか、大きな傘を張っている
その両脇を人々は行き来する
そのハープの音を聴くために
しばし踊り場でじっと立ち尽くす

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アメリカやフランス、イギリスなど
行く場所場所で
ストリートパフォーマンスを堪能してきた
しかし、ハープのパフォーマンスは
初めての体験だ
だから、結構な時間を
このハープ視聴に費やした
曲が終わってその場を去る時に
お金を入れてきたのは
いつものことだが、
いつもより少しだけ
多く入れても惜しいことはない
あのでかいハープを階段の上まで
持ち込むだけでも
お金を入れる値打ちがある

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( 寺院近くの葡萄畑 )


モンマルトルは
大好きな画家のひとり
ユトリロがこの地域のどこかで
絵を描いていそうな気がしてくる
家の書棚にある
ユトリロ展を記念した画集
モンマルトル近辺を描いた絵が
沢山収録されている
サクレ・クール寺院が
はるか向こうの背景に描かれていたりする
自分が歩いた場所を
もしや画材を運びながら
ユトリロが移動した場所があるかもしれない
と思うだけで
ワクワクしてしまう

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( 男と路地 )

そんな小道に差し掛かると
そこを通ってみたくなる
狭い路地階段が下の方まで続く
その途中に一人の男
周りは薄暗くなってきた
男の横を通り過ぎる
タバコを吸っている男が
突然大きな声を出す
ガックシだ
怖くなっても走るわけにもいかない
脚にはそれなりの自信がある
長距離なら何とかなりそうな気がした
階段を2段越しに急いで降りた
夢中になって降りた
一番下までたどり着いて
ふっと後ろを振り返ってみた
男の姿はなくなっていた
少し前まで気配がしていたのに・・・
深呼吸をして心を落ち着けた

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しばらく歩くと
門前町が目に入り
人通りも多くなってきた
人通りに紛れて
地下鉄の駅に向かった

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サクレクール寺院の横から
裏側に出そうな道
階段方面以外に動く
人の流れ
ついていってみる

そこには有名な画家がいるかも
ワクワクが抑えられない
沢山の人たちが
絵を描いていたのだ
様々なエッフェル塔
色合いが人によって異なる
つい見惚みとれる

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この界隈は歩き回る楽しさがある
ルンルン気分になるのだ
ちょっとした遊園地
ちょっとした美術館
ちょっとした秋祭り

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これに乗ってみたかった
一人旅では勇気がいる
見るだけにしておこう

途中の葡萄畑付近で
追い越されてしまった
やはり歩くに限る
ブドウの様子を
じっくり観察できるのは
歩く人の特権
これがワインに変身するのか
などと考えるだけで
ルンルン
あ、自分は・・・
ワインとか
アルコールは
飲まないんだっけ
気分は飲んだつもり
味など分かるはずもない

オペラガニエル

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オペラに特に興味があるわけではない
でもみる価値はあるよ、と妹
じゃぁ、行ってみるか
なかなかの迫力
妹は嘘をつかない
内部を公開だ

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オペラファンにはたまらない場所
役者が身につけた衣装の数々
会場のきらびやかさ
フランス人観光客のウキウキワクワク感が
日本人の私にも
伝わってくる臨場感
足を運んだ甲斐があったというものだ

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どれくらいの時間を過ごしたか記憶がない
しかし、十分堪能した快感
満足感
達成感
まさにルンルン
巡り終えて外に出ると
感動の映画を観た後
劇場を後にした時のあの雰囲気
顔をあげると
目の前には
パリのユニクロ
一気に現実に引き戻された
覗いてみたい気もしたが
オペラガニエルの感動を忘れたくなかった

コンコルド広場

とにかく歩く一人旅
それは
ワクワクするから
ガックシも体験できるから
ガックシの後には
間違いなくルンルンが待っているから

一度などは、バトビュスを使わず
バスティーユから
凱旋門まで
歩いてみた

まずは サンタントワーヌ通り
フランス革命の香りをかぎたくて
妹に宣言して
一人歩き

その前に
マルシェ・バスティーユが開かれる場所
確か木曜日と日曜日
いつもは広々としているのに
にわかに活気づく
一人であるくのも楽し
山と積まれた食料品
かと思えば絵画の数々
その場で描く人
似顔絵を描いてもらう人
それをのぞき込む野次馬
見ているだけでワクワク

映像に残したくて
ビデオカメラを向ける
店のおばさんが
何やらすごい剣幕
フランス語が分からなくても
言っていることくらい予想がつく
「勝手に撮るんじゃないよ」
一緒にいる店のおじさんが
首を振って撮るのを止めろ
結構怖い
「オーケー、オーケー」
必死でビデオカメラを止める
ガックシ
生のマルシェを撮りたかったのに

そこで思いついたのは
妹の手助け
別の日に
一緒に出掛けた
マルシェで買い物だ

妹が買い物でおとりだ
機嫌よくした店主に
「ビデオを回していいですか」
さすがにここは英語で話す
「もちろんいいよ」
明るい大きな声
威勢のいい声
作戦成功だ
折角なので
この前叱られたおばさんの店だ
リベンジ成功だ

実は別の日に
違うマルシェでも
ガックシ経験
同じように叱られたのだ
大声で叱られたのだ
このマルシェでは
リベンジはしないままだ

サンタントワーヌ通り - コピー

さて、マルシェを楽しんだ後は
バスティーユ広場の傍を通って
サンタントワーヌ通り
フランス革命の折には
どれだけの 貴族が
民衆の目にさらされながら
引き立てられたのだろう
想像するだけで
ワクワクが満杯
『二都物語』を
読み返したくなるほどだ

上記の写真の場所の
通りを隔てた向かい側
妹の夫の仕事場がある
それだけでも十分羨ましい
この通りを更に歩いていく
この通りを引き立てられていく様子は
映画で十分だ
DVDはいつでも見ることができる
勿論日本に帰ってからのことだ

ルーブル美術館まで続く通り
そのまま
コンコルド広場
そこでは木陰あり
人々が水辺で憩う

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今でこそ人々が憩える広場
かつては血に染められた広場
当初は「ルイ15世広場」
それを改名
ルイ16世やマリー・アントワネット
この「革命広場」にて
ギロチン刑
血塗られた歴史
チャールズ・ディケンズの
『二都物語』
( A Tale of Two Cities )
生々しい長編小説
ナポレオン・ボナパルトの活躍後
「コンコルド広場」と呼ばれるように・・・
正式には1830年
この広場で
生まれて初めての自撮り写真
残念ながらその画像はない
DVDに収めたためだ
今度コマ取りをしてみよう
たくさん記事を書く間に
それができるようになったからだ
約束はできないが
わすれないように・・・

私のことを知っている人はこれが私と分かるはず
という程度に目を改修工事(笑)
隣のお嬢さんと「自撮りは初めてでね」「そうなんですか」
「うまく取れるといいけどね」
「大丈夫そうですよ」
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たまたま写したオベリスク
Washington DCのオベリスクを思い出した

サンタントワーヌを歩いたため
結構疲れていた
オベリスクに気づきながらも
近くまで行かなかったガックシ
写真に写したのだから
良しとしよう

ここからシャンゼリゼ通りと
ほぼ平行した広い道
道なのか広場の続きなのか?
とにかくまたもや歩いた
途中の林風の景色の中に
いろいろな彫像

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一人歩きなので
寄り道しながらの散歩的な・・・
楽しい
ルンルン

別の日にも凱旋門目標
地下鉄で接近
そしてシャンゼリゼ通り

地下鉄のホームの壁

気が付くと凱旋門が目に入ってきた

地上に上がると遠くに凱旋門
シャンゼリゼ通りはあかがおにあい

そして女性2人組のスリだ
彼女らは
気弱そうな観光客に
何やら話かけながら
あやしい
かなりの近くで
じっと見てやった
警官が近づいてきた
スリ2人組は座ったままだ

そして凱旋門へ!

凱旋門

道路のど真ん中に建てられているとは!
独立した建造物
なかなかの迫力

ガルーゼル凱旋門 2 - コピー

この写真はガルーゼル凱旋門だ
この2倍ほどもある
エトワール凱旋門は
動画でしか撮っていない
きっと興奮していたのだ
ルンルン気分だったのだ
ガックシ
これもコマ取りに挑戦することに
今決めた
決めた翌朝コマ取り作業開始だ
私は決めたらさっさと動く

これは先ほどのスリがいた近くから画

そして地下道に潜って
何物にも邪魔されないでみられる
凱旋門へと歩を進める
と、その前にあのスリが気になる
後ろを振り返ると
まだいた
警官は2人になっていた

逆光で見えずらい

いよいよ地下道に潜る

エトワール凱旋門の周囲は
道路で囲まれている
地下道を通って
外に出ると
いきなりの凱旋門の雄姿

観光客のみの場所
みんなウロウロ
意味もなく写真
意味もなく動画
意味もなく散歩
意味もなく讃嘆
意味もなく感動
ナポレオンの響き
歴史の息吹

帰路はシャンゼリゼ通り
賑やかな現代社会
自然よりも人と建築物
広い道
一人歩きの速度は増す
どこかの地下鉄駅
脚を休ませねば

朝早く出発して良かった
帰る時はものすごい人の列
映っていないが長蛇

 ノートルダム大聖堂

ノートルダム寺院 7 - コピー
Batobus より 3 - コピー

疲れをいやすには
batobusがいい
景色が癒してくれる
身体も癒されるからだ

ノートルダム寺院には
是非行きたいと思っていた
ワクワク

ノートルダム寺院 2 - コピー

中に入ると圧倒される
入る前には長蛇の列の洗礼
知らない人とのおしゃべりタイム
アメリカの行列ほどには
盛り上がらない
それでもワクワクするのは
そこがノートルダム寺院だから

ノートルダム寺院 12 - コピー

列が長いほど
期待値が上がる
そしていよいよ中に入ることができる
荘厳
感動
圧倒
おごそか
ベンチに座りたくなる
座ると心が平穏

ノートルダム寺院 5 - コピー

疲れたときには訪れたい場所
教会が初めてでも
行く価値は太鼓判
少なくとも自分には嘘はない

ノートルダム寺院 11 - コピー

教会の外に出てからも
しばらく滞在した広場
警官が数人
かたまっておしゃべり
何を言っていたか
耳を傾けてみた
でも、数年経ってみると
何も覚えていない
メモをするほどの
会話だったような気がするだけだ
ガックシ
ネタを一つ損したぞ
ここで「その3」を終えるかもしれません
とは言え、パリの話はまだまだ山ほどあるのです
例えば、シテ島の鳥市、
サン・ゲルマン・デ・ジェルマン・デ・プレなどの教会、
オルセー美術館、恋人の橋、
ヴァンセンヌ城、Metro、
カフェ(妹夫婦をご招待)
骨董市などなど・・・

これらの話は
多分?
別の記事の挿入話の可能性

ワクワクシリーズは
一応、その3で終了
他の記事で
アメリカやカナダに
アクセスするつもり

現在進行中の記者の記事は
「写真もアートも自作のオリジナル」
(すでに旅の記事にも写真等発表済み
これには久しぶりに写真を追加していますよ)
「The Broad」(美術館)画像記事を近々追加予定 2022.7.23

 というわけで

       完


となる


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