ぐるり紀伊半島一周の旅 #3
次に乗るのは11時40分発の新宮行。那智駅で降りて向かうのは那智の滝である。
11時40分発の電車を逃せば、次は4時間後。午前中からいきなり綱渡りの乗り継ぎがつづく。
那智勝浦で出雲以来のアレに遭遇
30分ほど乗って紀伊勝浦駅に停車。特急が停まる大きな駅であるが、対面のホームを見ると紺色のアレ、銀河が停車していた。本来は那智駅でバスに乗る予定だったが、慌てて下車。
すっかり希少な存在となってしまった寝台特急。島根・鳥取旅以来の遭遇である。外見は国鉄型電車であるが中身は豪華施設。いつか金持ちになったら乗ってみたいな・・・。と思い改札へ向かうと、観光協会の方が旗や横断幕をもって熱烈歓迎。「違うんですぅ。私は鈍行できたんですぅ」と言えるはずもなく、顔を真っ赤にしてそそくさと外に出た。だから写真もない。はずかぴー。
マグロの街でスタミナ定食を食べる・・・?
紀伊勝浦駅がある那智勝浦町は、温暖な黒潮に囲まれた人口14000人の港町である。一応、ここからも那智の滝行きのバスが出ていること。出発時刻は30分後。ちょうどいい。昼にしよう。
マグロ、マグロ、、マグロ、、、。串本町に続きこの街もマグロ押し。「このあとすぐ!」と一人で渡哲也の似てないものまねを繰り広げ、周りから好奇な目で見られながら向かったのが、フェイスブックで紹介していただいた中国料理 大将閣さんである。
マグロ押しの那智勝浦では珍しい中華料理屋。一応刺身定食もあったが、当時の私の脳内で「刺身≠マグロ」と変換してしまった。で頼んだのが大将定食というスタミナ定食である。まぁ定食だからそんなに量も多くないだろう。早く食べてバスに乗らなきゃ・・・。
・・・定食の定義とは何だったんだろうか。豚肉の野菜炒めと小皿とみそ汁、ご飯で十分なボリュームなのに酢豚に天ぷらまで。これで1100円とは・・・。値段設定がおかしくないかと疑うほどだった。もちろん味は格別においしく、どんどん食べ進めていける。私の脳内から「残す」「バスに乗る」という意識が自然に消えていった・・・。
結局、乗る予定だったバスの1本あとのものに乗り込むことにした。30分押すが、まあ大丈夫だろう。死なないし。
那智山へ那智の滝を見に行く
紀伊勝浦駅からはバスに乗り、那智山の方へ向かう。車窓の風景を眺めていると観光地の街並みはあっという間に消え、ヘアピンカーブが続く山道へ入っていく。あれ?もしかして結構険しいところか?と怪訝になりながらも、那智山バス停で下車。「→参道」の看板を目当てに進むと、何段にも渡る階段が、私の前にそびえ立っていた・・・。
「えーっと やめるかぁ」と頭をよぎったが、せっかくここまで来たからと自分を奮起。一歩を進み始める。
「カツッ」
「カツッ」
「カツッ」
「・・・」
「やめるかぁ」
三歩進んで一回やめる。それを繰り返しながら、踏ん張って階段を昇って行った・・・。